金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記
金森先生のカンボジア日記
人生に勝ち負けは無い
人生に勝ち負けは無い
最近耳にする言葉で、「勝ち組、負け組」と言うのがある。
どうやら人生で成功している人と、あまり成功していない人を指しているようだ。テレビなどでも、成功したタレントが、豪華な家を披露して、いかにも成功者のようにふるまっている。
人生はそんなに簡単なものではなく、死ぬまで生きてみて、本人がどのように感ずるかである。人からの評価ではない。最近NHKで民芸の陶器のことが語られていた。しかし観点が少し変である。民芸は、柳宗悦によって提唱され、多くの共感者を得た。イギリスの陶芸家バーナード・リーチや河井寛次郎、浜田庄司、棟方志功など多くの作品が残されている。
しかしながら、肝心のことは、柳の著書「南無阿弥陀仏」(岩波文庫)に語られているように、一遍智真上人の業績を解説したことにある。その結果余分なことをそぎ落とした美意識が働いて、芸術品ではない民芸の美の「用の美」が成り立っている。
残念ながらNHKの番組では、この様な本質については全く触れられていない。現在のマスコミの、受狙いは本質を踏み外している。この様に現代の社会では、本質から離れた価値観がまかり通っている。その結果、若者たちは、何か一つの価値観で物を測ることが普通になっている。その方が手っ取り早く勝ち負けがつけられる。共通試験の東大試験場前で殺傷事件を起こした生徒、無差別殺人事件の多発など、価値観の基準が単純である。
人生に勝ち負けは無い。全ては本人の本当の評価による。
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