地獄の沙汰

地獄の沙汰    2018.11.22.

どこかの車屋の会長が、高額脱税で逮捕された。ベルサイユー宮殿で結婚式を挙げたこともあるとか。各地に豪邸を持ち、外見的には幸せそうであるが、内面はどうであったであろうか。

一遍上人は、この世に生まれてきたのは魂を磨くために来たと考えていた。「物をほしがる心根は、餓鬼の果報にたがはざる」(一遍上人語録 岩波文庫 321-1)と述べ、地獄の中にいると示している。

江戸時代に静岡に住んだ、白隠禅師は、訪ねてきた武士が地獄を怖がることをあざ笑い、武士が怒ったのを見て、「それが地獄」と教えている。地獄は、あの世のことではなく、この世の現実の中に存在することは、仏教では昔から常識である。

即ち自分自身の心の持ち様が、地獄を生み、その世界に溺れることになる。今日本人は、昔からの知恵を忘れつつあるが、日本の伝統的知恵は、忘れない方が人生は豊かになると思われる。
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