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金森先生のカンボジア日記

金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記

年寄りの老婆心

2009年04月26日 | 文化
年寄りの老婆心      2009.4.26. 金森正臣

 先の結婚観で述べたように、若い人たちが理論的にものを考えていることは理解できる。年寄りの老婆心から言えば、それが全体性に欠けているために、人生の最終段階において、苦労するのではないかと言うことである。

 日本人の年間の自殺者が、3万人を超えると言うことは、その一端を暗示しているかに思える。年配者ばかりではなく、若い人にも自殺者は多い。人生の最終章ばかりではなく、かなり早い時期から、問題が生じている。先日カンボジアからの帰国に、初めて韓国周りの飛行機を使った。数年前にも韓国に行っているが、インチョン空港入ったことが無かったので、一度行きたいと思っていた。今は韓国のウォンが円に対して安く、日本人客で賑わっているとは聞いていたが、かなり旅行客が少ない空港で、元気な日本人のおばさん達が多かった。年季の入ったおばさん達は、自分勝手でにぎやかであった。それを聞きながら、自分自身もかなり年季の入ったオジンではあるが、なかなかあの様にはなれないと、妙に感心したりした。おばさんたちの身勝手な振る舞いは、その楽しさも伝わってくるが、この人たちが子育てをしたことを思うと、現在の若者たちの総合的思考力の欠如は、仕方ないのかもしれないと納得もした。

 戦後の日本は、西洋列強に追いつき追い越すために、西洋的近代科学の導入を素晴らしいものとして受け入れた。そこには批判的精神はほとんどなかったと言える。分かり易く、普及しやすい法則科学は、多くの人の信ずるところとなった。しかしこの法則科学には大きな欠点が有り、全体性についてはほとんど理解できない。このことについては、多くの人が、学問が進めば全てが理解できるようになると思っているところがある。まじめに議論されることもあるが、多くの専門家も科学の出発点の弱点を理解していない。

 西洋近代科学を教育に取り込んだことは誤りではないが、その欠点を理解せずに教えたことは、大きな誤りと言える。その教育の結果、今日の多くの日本人が、全体性の理解に疎く、部分の理解に優れているとあたかも理解に優れていると錯覚していることは、人生の最後になって気がつくことになる。或いは気がつかないまま、人生の最後を苦しみの中で終わることになる。人生は総合的なものであって、部分だけ良ければ幸せに終われるものでは無い。

カンボジア国際教育支援基金のホームページ

2009年04月22日 | 文化
カンボジア国際教育支援基金のホームページ 2009.4.22. 金森正臣

昨年8月から参加している「カンボジア国際教育基金」(CINESF)のホームページができました。目的・活動内容や組織の概要が載っています。
私も現地リポートを書くことになっています。現在まだレポートが間に合っていないために、ブログの記事を流用しています。4月の末からは、専用に現地リポートを書く予定です。現在日本におり、派遣する先生たちへの説明会などをしてきました。5月にも中旬にもう一度説明会を開き、その後に希望者によるスタディーツアー、9月ぐらいから現地に派遣になる予定です。

やはり日本の春は良いですね。明日またカンボジアに出かけます。

若者の結婚観

2009年04月15日 | 文化
若者の結婚観      2009.4.15. 金森正臣

最近の若い者は、と切り出すと、昔から老人のたわごとと相場が決まっている。最近若い女性たちと、結婚について話をすることが何回かあった。そこで気になったことが、最近の若い人たちの結婚に関する考え方である。どこか我々の考えていたことと違ってきていて、結婚が難しくなっていると感じ、しばらく考えていた。

 結婚観に関する話は分かりやすいし理論的なのだが、一部分の論理にこだわり、全体性でものを見ていない。そのために確かの様に聞こえるが、人生の全体として結論が出されていない。現在の生活や近い未来の状況や、自分のしたいことについての考えが大部分で、死ぬまでが人生であることが考えられていない。これは理論的思考、特に科学的思考が陥る欠点で、部分は理解できるが全体を理解できない特徴を示しているように思える。

 人生の目的もあいまいで、国際的な援助関係で働くことが重要な要素になっていて、自分の人生をどのように構築して行くのかがほとんど考えられていない。人生を考えていないわけではないが、よりキャリアーを築くために、次の資格や大学院での勉強が考えられることが多く、自分自身の人格をどのようにして磨くのかはほとんど出てこない。あるいは、勉強することによって人格も磨かれると考えられている節がある。人を援助することは、自分の持っている以上のものは出せない。自分の人格を磨かなければ、一見華やかの様に見えても、相手のためになることは少ない。知識や経験と人格は別物である。もちろん経験によって人格は磨かれるのであろうが、安易な経験では自分を磨くことにはならない。私は高校生から大学生時代に、自分の人生には3つの仕事が有ると考えていた。第一には、自分が社会に対してする仕事であり、第二には、社会の単位としての家庭を持ち社会の一部を担うこと、第三は、次の世代を育てることと思っていた。それとは別に、自分の人格を完成するように努力することが、上の3つの目的を果たすことに必要不可欠であると考えていた。特に人生は、死を持って最終章を締めくくるのであるから、これを十分に理解できなければ、全ては打ち壊しになると思っていた。どんなに途中の人生が良くても、終末がご粗末では人生全体が粗末になる。小学校の時の状況が良かったからと言って、人生全体をそれで乗り切ることはできない。生きて来たようにしか死ねないのが、人生である。自分を鍛えるのは、最後の死に向かって必要だからである。

 もう一点違和感を覚えるのは、結婚の相手に対して、完成されたものを想像しているように思われる点である。自分のしたいことは認めてほしいと言う、願望が強い。お互いに若いのであるから、欠点を補いながら相性を調整して行くのが、人格を磨くことになる。若いからお互いに欠点があって当然で、自分の思い通りにならないからこそ、自分が磨かれる。子どもに対しても同じで、自分の思うようにならないから自分を鍛えてくれる材料になる。大人同士であったら、そのような軋轢は無く快適であるが、人生の豊かさは著しく少なくなる。

日本のマスコミの誤り 

2009年04月09日 | 文化
日本のマスコミの誤り       2009.4.9. 金森正臣

 日本はマスコミが幅を利かせて、いろいろな価値観がマスコミに振り回されているのを皆さんあまり気にかけていない。マスコミに遅れると、時代に遅れたかの様な錯角を起こしている。マスコミは、本来の日本の大切にしていた価値観を崩し、方向性のないままそれが新しいことかの様に、庶民に押し付けている。

 日本の文化の根底は、本質的なものが何であるかを見詰めるところに特徴がある。例えば、茶道、華道、剣道、柔道などどれを取って見ても、その技術だけではなく、人格を完成するところに目的が有る。職人さんの世界も同じである。従って、その修業に終わりはなく、どこまでも追及するのが本来である。これらは多くの面で、特に禅宗の仏教の影響を受けていると思われる。仏教の修行には終わりがなく、死に至るまで自分の修行である。

 ところがマスコミで取り上げられるスポーツ選手などは、皆さんに元気を与えられる様なプレーをしたいと言うのが最近のはやりである。これは自分がどの様に見られているかに重点が置かれ、自分を鍛えることからは遠い。自分の評価を、外に頼っており、自身の評価では無い。外部からの評価に重点が置かれると、評価する外部者が変わるごとに右往左往して、評価される方向に変化しなければならない。これが一般庶民の価値観になりつつあり、自分自身の信念で人生をすることが出来なくなってきている。目標が定まらずに、絶えずせかされた様に、ストレスや不安を持って人生を過ごすことになる。確かに人生は迷いの中にあるのではあるが、不変な確かなものを求めている場合とは、明らかに異なる。

 マスコミ嫌いだからマスコミにケチを付けている訳では無い。安心して自分の人生を行うには、不可欠な重要な点である。

カンボジアの正月

2009年04月02日 | 文化
カンボジアの正月   2009.4.2.        金森正臣

 カンボジアの正月は、クメール・ニューイヤーと呼ばれており、仏歴で行われる。毎年多少ずれるが、今年は4月14日から16日までの3日間である。しかしカンボジア人は、正月を楽しみにしており、前後合わせて1週間は休みにする。しかも4月に入ればもう気分は正月。

 既に3月の末から、若者たちは夕方街かどに集まると、正月の遊びを始める。ダンスや正月特有の伝統的ゲームが有り、その練習を始める。小学校の子どもたちは、水をナイロン袋に入れて、投げつけあって楽しんでいる。本来水をかけるのは、11月の水祭りの遊びの様に思われるが、以前から正月に行われる。乾期が最も進んだ時期で、水の掛け合いは涼しくて気持ちがいいのだろう。本番になると水と白い粉が登場し、頭から白くなったりしている。

 正月までにはまだ10日以上あるが、街角では既に地方に帰る若者の姿が見られる。大きな荷物を持って、バス停までバイクタクシーで行き、そこから目的地の乗り合いに乗り込む。バスは高いので、多くはトラックを改造したものにぎゅうぎゅう詰めで乗る。屋根の上まで乗り込むから、長距離の移動で疲れて転がり落ち、毎年多くの人が死亡する。それでも故郷に安く帰るために様々な工夫を凝らす。

 大学生達は、既に3月の内に帰り始めた人もいる。遠い地方だと1日では帰れず、2-3日かかる。毎日運航しているとは決まっていないし、次の週になるとかなり混み合う。戦後の日本でも、同じような光景が見られた。集団就職で上京した人たちや田舎から上京した学生は、正月に郷里に帰るのを楽しみにしていた。集団就職組は大きな荷物を抱えて、列車に乗っていた。でも日本では、休みになるまでは帰れないので、年末の列車の混み様は尋常ではなかった。それに比べるとカンボジアの正月の帰省は、なんとなくのんびりしている。

どこでも遊ぶカンボジア人

2009年03月20日 | 文化
どこでも遊ぶカンボジア人      2009.3.20. 金森正臣

 カンボジア人は、遊ぶのが大好きだ。貯蓄するよりも、楽しむことに回してしまう傾向が有る。この切り株は、勤め先の大きな交差点の脇に有ったネムノキの株跡。直径は数十センチある。昨年の11月ごろに切られた。朝よく人が集まっている。

 今日昼に通った時に見たら、なんと切り株に碁盤状の目が彫り込んである。これはカンボジアのチェスをする目。毎朝集まっていたのは、ここでチェスをしていたのだ。もちろん現金を賭けてしている。朝にだけしているのは、木陰が無くなって昼間は暑いからであろう。それにしても、大通りの通行量の多い交差点脇で、排ガスで健康にも悪そう。でも楽しい方がいいんだよね。

バンコクの病院 2 

2009年03月15日 | 文化
バンコクの病院 2       2009.3.12. 金森正臣

 バンコクの病院は、治療システムもかなりシステマティック。主治医からカルテを作ってもらうと、先ず病室で簡単な検査。脈拍、体温、血圧など。その後看護師さんが付いて、検査室に。私の場合には、骨折部分のレントゲン写真撮影。レントゲン撮影エリアに行くと、受付に事務職員が2-3人居て、看護師さんからカルテを受け取り、レントゲン室へ案内される。レントゲン室は、10室以上もあり、各部屋に技師とアシスタントが居て、技師はすぐに撮影。アシスタントは撮影が終わると、次に行く場所を指示。主治医のいるエリアに行くと、そこの受付に数人。部屋は15室ぐらいあり、各先生の名札が出ている。常勤の先生は決まった部屋でしているが、大学などから時間を区切ってきている先生は、時々部屋が変わる。大学の医学部などでは、外国帰りの先生などに積極的に市内の診療施設に出向くように勧めていると言う。給料が稼げるのと大学の宣伝にもなっている様だ。私の主治医は、大学所属でアメリカ帰りの整形外科医。先ほど撮影したレントゲン写真は、どの部屋の先生のパソコンでも引き出せるシステム。そこで手術の説明を受ける。

 手術になると、まず麻酔エリアにストレッチャーで移動。カーテンで仕切れるストレッチャーが入る場所、10か所ぐらいが一部屋になっている。麻酔ガスも配管されている。カーテンで仕切って無いと、大広間。ここのエリアを担当する人が二人ぐらいいる。ここで再び脈拍、体温、血圧などの検査。その後に麻酔が始まる。ストレッチャーには、3人ほど付いているから、数人が麻酔を受け始めると、かなり賑やか。麻酔の後は手術室に移動しているらしいが、そこは寝ているから不明。手術室がどの様な人員構成かも不明。

 間が覚めると、麻酔エリアと同じ様なカーテンで仕切られた、回復室の大広間。点滴がされており、いろいろな薬が投薬される。回復室には数人の看護師さんが居て、30分おきぐらいに、脈拍や体温・血圧が測定される。そのまましばらく(2時間ぐらいか)様子を見てから、症状が安定すると病室に移動。
 
 病室に移動すると、外科病棟の看護師さんに担当が変わる。たまたま病室がナースステーションの前であったから良く見えたが、20ぐらいの病室に対して(全て個室)、いつも数人の看護師さんが当直している。掃除担当やシーツなどを替える係も当直が居て、夜中の手術にも対応している。ちなみに私の手術は、夜の9時ころから麻酔が始まり、部屋に戻ったのは2時半ごろであった。昼間になると、さらに人員が増えて、いろいろのサービスが受けられる。日本ではこんなに人を使ったら赤字だよね。

 非常にシステマティックで分かりやすいし、誤りも起こらないように二重三重のチェックがなされていて安心感が有る。しかし、麻酔薬や抗生物質は、かなり多量に投与されている。また鎮痛剤など多いと痛くなくて結構だが、薬に弱い私は、退院してからも長い間影響が残る。

バンコクの病院 1 

2009年03月10日 | 文化
バンコクの病院 1    2009.3.10. 金森正臣

 バンコクには国際レベルの病院が3つほど有ると聞いている。私が入院していたのは、ブムルングラードと言う病院でかなり規模が大きい。町の中心部にあり、地下鉄ナナ駅から遠くない。しかし周囲の道路は狭く、町の作りとしてはあまり近代的では無い。病院は、日本では見られないほどシステマティックに出来ている。

 人件費が安いこともあるであろうが、分業が進んでいる。例えば、病院の入口に着くと、案内係がおり、目的を告げるとすぐに案内してくれる。車イスを使っていた時には、車イスを押す専門の係がすぐに来て、日本語の通訳のところに案内してくれる。2階のフロアーには、日本語、韓国語、中国語、アラビア語などのデスクが有り、それぞれ数人が待機している。

 病室に居てもその分業ぶりはすさまじく、床の掃除係、シーツの交換係、部屋の掃除係(ごみの処理や風呂の清掃)、食事の注文係(これは病院内のレストランから来るが、洋食、和食、タイフード、イタリアンなどいろいろ選べる)、看護師さんも複数で、薬などは必ず2回以上確認している。部屋に薬ボックスが有り、運ぶ人と投与する人は別な人で、私の腕に付けられた識別票(患者番号や名前)を必ず確認する。

 手術の後の検温は、2時間おきぐらいに行われ、脈拍、検温、体調などを見ている。日本の病院では、これほど手厚くないように思われるがいかがなものであろうか。幸いなことに、病院に入院したのは、5歳ごろが最後で、その後は全くない。大阪に勤めていた30年前に医学部にいたが、これほど人材に関してシステマティックにはなっていなかった。多分人件費が安く、かつ入院費は日本並みであるから出来ることなのであろう。

始まりました              

2009年03月07日 | 文化
始まりました              2009.3.7. 金森正臣

 カンボジアの教育の改善の動きが、急に活発になりました。以前にブログでも書いたことのある、「カンボジア国際教育支援基金」の先生の募集ガイドラインが決まり、いよいよカンボジアへの派遣を目指して動き出します。

 以下に募集の要項を貼り付けますので、皆さんお近くの方で希望の方がおられましたら、お伝え下さい。カンボジアに関わって10年、ようやく本格的にカンボジアの教育の根本問題の解決の入り口にたどり着いたようです。最後の「カンボジアの支援活動について」は、あるイベントで配布した資料です。説明の不十分なところが有ります。

 日本で活躍しておられた先生たちの経験は、カンボジアの教育の改善には不可欠です。ぜひご協力ください。カンボジアの先生達は、難しいことを知っていても、子どもたちに物差しの使い方、秤の使い方、分度器やコンパスなどの使い方を教えられません。また足し算や引き算の基礎も、十分に教えられません。高等学校を卒業しても、工場では直ぐに働けない状態です。カンボジアでの生活や教える内容についてなど全てに亘って、金森が相談に乗ります。

 お問い合わせや申し込みは、「CIESF」または「カンボジア国際教育支援基金」で検索して頂くと、トップページが出ます。



教師派遣応募について

1. 応募資格
小学校教師及び、中学校・高等学校の理数科教師経験者で健康な方
(ビザの発給が困難と思われる事情を持つ方はご遠慮ください。)
語学に対する規定はございません。

2. 応募方法について
ご興味のある方は、CIESF事務所まで(住所は別途記載)履歴書を郵送くださるか、メールに記載してお送りください。お送りいただいた履歴書の返却は致しませんので、必要な方はコピーを取って保管して下さい。

3. 説明会について
4月中に東京において、カンボジアでの教師派遣経験者を講師に迎え、現地の生活等についての説明会を行います。また遠方にお住まいでご参加できない方には、CIESFスタッフが説明に参ります。

4. 選考方法について
担当者と面談の上、選考させて頂きます。1次選考通過者には健康診断書を提出して頂きます。その後希望者には5月にスタディツアー(自己負担)を実施いたします。健康上問題のない方は、合格とさせて頂き派遣準備へと進んで頂きます。
  (健康診断はお近くの医療機関で受診頂き、健康診断書を作成下さい。)

5. 派遣準備について
予防接種の実施(A/B型肝炎、破傷風、狂犬病の4種)
事前クメール語研修
その他の手続き等に関する相談、手配(ビザ、年金受給等)

6. 派遣について
カンボジアの新学期は10月ですが、2か月前(8月)に赴任し、まず現地の生活に慣れて頂き、授業に対する打ち合わせなど準備をして頂きます。
現地で必要な住居・備品等はCIESFで準備いたします。その他詳細は「派遣における待遇について」をご覧ください。



派遣における待遇について

《現地生活費》
生活費は、CIESFが定めた金額を支給致します。この金額は、ボランティアとしての趣旨に基づいて、現地の人々と同程度の生活を営むために、物価などの調査に基づき定めたものです。また、メイドや通訳等にかかる経費はCIESFが負担致します。
 なおこの生活費は、現地の生活に要する費用で、給料や報酬ではありません。

《住居費》
住居や家具等の備品は、CIESFが提供致します。防犯等の面からも2~3名での共同生活をお願いしています。各自1部屋づつ確保致します。

《往復渡航費》
日本とカンボジアの往復にかかる赴帰任時の旅費(航空費、交通費等)はCIESFが負担します。また、2年以上赴任される方には、1年に1回健康診断等を兼ねた一時帰国制度がございます。こちらの旅費もCIESFが負担致します。

《健康管理》
2年以上の派遣期間の方は、1年に1度健康診断を受診することができます。(CIESF負担)
また計3回の4種(A、B型肝炎、破傷風、狂犬病)予防接種を実施します。(CIESF負担)派遣期間1年の方は2回。
現地では、日本語の通じる病院を手配しますが、医療体制において対応不可能な場合、隣国タイへの搬送となります。海外赴任保険に加入して頂きます。(保険料CIESF負担)
カンボジアは日本と同等の医療環境にはありません。普段からの健康管理は、個人の責任でお願い致します。

《安全対策》
居住地の場所によっては、夜間は警備員を雇います。
日本は、世界の中でも極めて治安のよい国のひとつです。現地では、日本と同じ感覚では、スリ、置き引き、ひったくりに遭いやすくなります。日常生活において、自分の手荷物等の管理はきちんと行って下さい。また夜間の一人歩きなどは控える様にして下さい。凶悪事件は多くはありませんが、個人で犯罪や事故防止等の危機管理意識を持つことが大事です。
またカンボジアの交通事情には問題点が多く、交通ルールが日本のようには守られていません。徒歩、自転車の場合も十分注意して下さい。慣れない日本人が車を運転することは困難と言われています。
携帯電話は貸与いたしますが、通話料は自己負担でお願いします。

《派遣期間》
1年以上、特に上限は設けておりません。

《語学》
事前にカンボジア語(クメール語)の研修を実施いたします。また現地では、仕事中は通訳を手配いたします。日本人と日本語の話せるCIESFスタッフが常駐しておりますので、緊急の場合やご相談は携帯電話で連絡を取ってください。
英語に関しては選定規定はございませんが、日常会話程度はできる方が便利です。カンボジア国内では英語とクメール語が通じます。(英語に関してはある程度の教育を受けた人の場合のみ)

《緊急国外退避》
選挙やクーデターなどでカンボジアの治安情勢が悪化し、安全確保が困難になると判断される場合は、他国や国内の安全な場所に一時的に避難させる場合があります。(カンボジアの現在の情勢は安定していますので、急激な治安悪化は想定しておりません。)

《活動》
小中学校教師養成校において教師を指導して頂きます。また、指導マニュアル作りをお願いします。
勤務時間や休日等は、配属先の条件に従って下さい。

《移動手段》
自転車を提供。車の購入については検討中のため、必要時ドライバーつきレンタカーを借ります。

《生活》
掃除、炊事、洗濯等については、隔日でメイドを派遣する予定ですが、食事については日本食を用意できるわけではございません。



カンボジア支援活動について

1. カンボジアの教育の背景

ポルポト政権の虐殺により国内の知識人を極端に多く奪われたカンボジア。焚書により多くの書物も失われました。内戦後30年間、多くの国際援助により復興・発展しているカンボジアですが、人材育成という分野に関しては援助の手が入りにくく、様々な分野で多くの課題を抱えています。その一つが、国を創る重要な役割を担う教育分野です。学校の建設や本の寄付などはNGOの援助の手も入り、少しずつ状況の改善がなされていますが、教員の育成においてはほとんど入っておらず、改善すべき余白が多く放置されています。

 カンボジアの教育の基本は詰込み型・暗記型の教育で、田舎の先生は定規やコンパスにほとんど触れたことがなかったり、理科の実験を経験した事がない人もいます。授業を超えて、学校で発生する問題にもどのように対応してよいのか、孤軍奮闘している状態です。
“考えること”や“学ぶこと”からはかけ離れた教育では、生徒も楽しさや必要性を感じず、途中退学者の増加の一因にもなっており、さらには“自分で考えること”や“考えきること”を知らない大人に成長してしまう可能性もあります。

 日本で育った私たちは、義務教育を終えるのが当たり前で、字を読めない人や足し算引き算できない人はほとんどいません。学ぶ楽しさをカンボジアの子供たちに知ってほしい。小中学生の時に「学ぶって楽しい!」を実感できれば、たとえ家庭の事情等で学校に行けなくなっても、いつかまた通う日が来るかもしれない。通学時間が長くても、一日でも多く学校に来てくれるかもしれない。そのためには基本的なTeachingスキルと学ぶ楽しさを
生み出せる力をもって“学ぶ“へ一歩後押ししてくれる先生が必要です。


2. CIESFの支援活動
大きく次の3つの支援をしていきます。
(1) 教師のレベル向上
教員を退職された方々をカンボジアの小中学校教員養成校に派遣し、現地の先生達を指導しながら、一緒に指導マニュアルやカリキュラムを作る事で、教員のレベルの向上を目指していきます。教科書は海外のものを訳して使っている為、現状にそぐわないものですが、指導マニュアル等を作る事によって現場で生きた教育ができるようにしていきます。募集する教員退職者は、小学校教諭及び中学校の理数科教師です。カンボジア語や社会科を日本人が教えることはできないため、算数(数学)・理科の指導を通して指導・授業方法を伝えていきます。
CIESFは、「真の愛情と情熱を持った世界レベルの教育者の育成支援」を目指しています。ただ授業ができるだけではない、本当の教師と呼べる先生を育成することで、カンボジアの未来を背負う子供たちを育てていきたいと思っています。

(2) 教育大学院設置
カンボジアの既存の大学内に教育大学院を開設し、教育行政・教育政策・カリキュラム制作を行える人材を育成します。
教育レベル向上のため、教育の現場と教育をつかさどる役所の両面から支援していく事が必要だと考えています。

(3) 経営大学院設置
同大学内に国際経営大学院を開設し、将来の企業家と外資系企業でも働ける人材の育成を行います。
経済の活性化のためには、カンボジアに外資企業を誘致することと、産業を興し会社を増やすことが必要です。現在のカンボジアには国内企業、外資系企業ともに少なく、海外留学から戻った優秀な人材であっても、就職する企業が無い状態です。また、国内の大学を卒業しただけでは、外資系企業で十分働ける人材がいない事も事実です。
そのため経営大学院を開設し、外資系企業のトップマネジメントとなれる人材の育成、もしくは卒業後、日本の新興市場に上場している会社を中心に3~5年間OJTとして働く中で学ばせ、その後カンボジアへ戻り起業をしていく人たちを応援するなど、経済を活性化するための支援をしていきます。


3. 現地での日本からの派遣教師の支援体制について
カンボジアの教育について10年の経験がある金森カンボジアオフィース代表が、生活、仕事内容などについてサポートをする予定です。困った点については、いつでも気軽に相談出来る様に準備しています。他に、日本の大学で修士課程を終えたNIE(高等師範学校)の教官が10人程度いるので、いつでも相談に応じられる態勢です。
病院は、日本語可能なところが2-3あります。大きな手術などは、保険によってバンコクに搬送します。バンコクの病院は、国際基準を満たしており、日本の病院並みです。歯科医師も、日本人医師がいるところがあります。
防犯などの理由から、2~3名での共同生活を考えております。住居や家具等の用意、また日常生活をサポートする通訳とメイドの派遣も行います。現地での基本的な生活費、日本からの交通費等の経費に関しましては、CIESFの負担です。
事前のスタディツアーも行う予定です。(自費)
その他、詳細についてはお問い合わせください。

 現地サポートの金森から一言:カンボジアは、農業国で、コメを主食としています。仏教国でもあり、日本人には親しみやすい国です。多くの日本人は、食で困ることは少ない様です。暑さも、蒸し暑く無いので、早く慣れます。


4. 派遣先での仕事内容について
教員養成所の教官と一緒になって算数・数学と理科の教育内容と教育方法のレベルアップを図って頂きます。問題点の内容については、かなりの程度明らかになっていますが(事前研修時に説明)、学校によって差があるので、担当教官の授業の様子を見ながら、2~3か月で親しくなり、問題点を洗い出し、解決方法を順次見つけて下さい。理科や算数の基礎、教え方に大きな問題が有って、これらの点のレベルアップを目指しています。日本で経験の深い先生であれば、小・中学校教員養成学校で扱っている内容について困ることは無いと思われます。理科・数学の中で不得意の分野が有っても、参考資料はかなり準備しているので、心配はありません。複雑な問題については、日本の大学の先生からメールで情報を得ることも可能です(愛知教育大学・奈良教育大学・広島大学教育学部・岡山大学教育学部・金沢大学教育学部など)。


5. ご協力のお願い
カンボジアの現状を変えていく為、まず退職された教師の方々にご協力いただきたいのです。これまでの経験を生かし、カンボジアの教育の場で今何が起こっているのかを知って、何が必要なのか見極め、指導し、さらに現場の先生と協力して皆が使える指導マニュアルを作り上げてほしいのです。
お金を集め学校の建物を作っても教師と呼べる人がいない現状を変えなくては、教育はよくなりません。
皆様のお知り合いの先生方に一人でも多く声をかけて下さい。ご興味のある方には現地での活動など詳しい事を、随時説明してまいります。
併せてカンボジアの支援活動へのサポーターメンバーも募集しております。サポータの説明は同封しましたパンフレットをご覧ください。
よろしくお願い致します。


仕事とブログ

2009年03月01日 | 文化
仕事とブログ             2009.3.01. 金森正臣

 仕事が忙しくなると、ブログを書く時間が少なくなる。正確には時間が有るのだが、体力が無くなって、頭の回転が悪くなる。それで時間が有ってもあきらめてしまう。大体怠慢な私は、我慢して書く事が出来ない。以前から能率が悪くなると、休んでからしていた。42年間勤めて、その内わずか2年ほどだけ、家から職場まで30分以上通ったが、その他はほとんど数分以内の通勤であった。このために疲れると家で休んでからする、スタイルになってしまったのだろうか。もっとも研究室で寝てしまったこともあったから、どこでも寝むれるタイプではある。40歳ぐらいまでは、結構躁鬱病的なところが有り、躁の時には仕事を多く引き受けてしまうから、半分ぐらい進んだところで疲れて、鬱の状態になることが多かった。

 最近ではその様なことが無くなったのは、体力が無くなって休まなければ仕事が進まないから、鬱にならなくて済んでいるのかもしれない。他に大きな相違は、楽天的になって、あまり深刻に考えなくなったことが有る。東アフリカのタンザニアの調査やカンボジアでの仕事を始めてからは、まあ成る様にしか成らないかと簡単にあきらめてしまうので、あまり進んでいなくてもストレスになることは無い。だからブログも簡単にあきらめて書かなくなるので、あまり進まない。単なる言い訳かな。