“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>「データでわかる2030年 雇用の未来」(夫馬賢治著/日本経済新聞出版)

2024-08-27 09:45:55 |    企業経営



<新刊情報>



書名:データでわかる2030年 雇用の未来    

著者:夫馬賢治

発行:日本経済新聞出版(日経プレミアシリーズ)

 2030年、新たな産業革命が始まる。気候変動対策のためのエネルギー革命、サーキュラーエコノミー化、AIの進化、少子高齢化など、避けることのできない大きな波は、産業、雇用、社会や教育のあり方までを激変させるだろう。将来の大転換に備え、日本人にはどんな備えが必要になるか。データをもとにひもとく。【目次】プロローグ 日本人の知らない21世紀の産業革命 第1章 21世紀の産業革命はいかにして起こるのか 第2章 気候変動対策が未来の雇用を一変させる―カーボンニュートラルとエネルギー革命 第3章 農林水産業は新たな産業革命の第2の震源地―カーボンニュートラルと農業・畜産業・水産業 第4章 農林水産業革命は雇用をどう変えるか―ネイチャーポジティブと農業・畜産業・水産業 第5章 サーキュラーエコノミー化が変える未来―素材革命で蘇る職人技能 第6章 AIとホワイトカラーの業務革命 第7章 少子高齢化がこれから職場にもたらす激変― 人口減少とダイバーシティインクルージョン 第8章 未来の雇用に向けて何ができるか
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「センサ・マイクロマシンの基礎」(鳥山 寿之著/コロナ社)

2024-08-27 09:45:30 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:センサ・マイクロマシンの基礎~物性と場~

編著:小西 聡

著者:鳥山 寿之

発行:コロナ社

 あらゆる信号を扱おうとするセンサ・マイクロマシンの物理的存在は物質に回帰し、機能は場との関係を通して発揮されているとの考えから、一般には異なる科目で学ぶ、物性や場の内容をセンサ・マイクロマシンの主題のもとにまとめた。
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●科学技術ニュース●理研など、天然物生合成において天然の酵素がルイス酸触媒を用いて[4+2]環化付加反応を行う最初の例を発見

2024-08-27 09:44:58 |    生物・医学
 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 天然物生合成研究ユニットの高橋 俊二 ユニットリーダー、テイ・ウ 基礎科学特別研究員、坂井 克行 特別研究員、静岡県立大学 薬学部の滝田 良 教授(東京大学 大学院薬学系研究科 准教授(研究開始当時)、理研 環境資源科学研究センター 天然物生合成研究ユニット 客員研究員)、大阪大学 蛋白質研究所の栗栖 源嗣 教授、宮ノ入 洋平 准教授らの共同研究グループは、天然物の生合成において、鉄硫黄タンパク質(Fe-Sタンパク質)がルイス酸(Lewis acid)触媒として機能し、[4+2]環化付加反応(ディールス・アルダー反応)を促進することを発見した。

 同共同研究グループは、放線菌の二次代謝産物である「ヴァーティシラクタム(verticilactam:VTL)の生合成において、水酸化反応を触媒するシトクロムP450(VtlG)と、[4+2]環化付加反応を触媒する酵素(VtlF)を同定した。

 さらに、生化学実験と理論計算を効果的に組み合わせることで、酵素分子内の鉄硫黄クラスターが[4+2]環化付加反応を効率的に促進することも明らかにした。

 同研究成果は、天然物生合成において、天然の酵素が、ルイス酸触媒を用いて[4+2]環化付加反応を行う最初の例になりる。

 鉄硫黄クラスターを有し、電子伝達体として知られるタンパク質が、多様な[4+2]環化付加反応の設計のための有望な出発点となることが期待できる。

 同研究成果は、複雑な構造を持つ天然物の生合成経路において、[4+2]環化付加反応をルイス酸触媒として触媒する天然由来の酵素の最初の例になる。

 発見以来、電子伝達体として知られているFdが、今後は、多様な有機ルイス酸触媒の設計のための有望な出発点となると期待できる。

 同研究成果は、国際連合が定めた17項目の「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち「3.すべての人に健康と福祉を」に大きく貢献するもの。<理化学研究所(理研)>
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●科学技術ニュース●NTT、光ファイバ伝送路の状態を測定器なしでエンドツーエンドに可視化できる技術を世界で初めて開発

2024-08-27 09:44:24 |    通信工学
 NTTは、光ファイバ伝送路の状態を測定器なしでエンドツーエンドに可視化する技術を開発し、商用環境を模擬した北米フィールド網にて世界初、世界最高精度の実証に成功した。

 同技術は、光ネットワークのデジタルツイン(ヒトやモノなどを、現実の世界から収集したデータによって、サイバー空間上に再現する技術)の実現を大きく前進させ、IOWN APN(All-Photonics Network:フォトニクス技術をベースとした革新的ネットワーク)におけるエンドツーエンド光接続の迅速な確立/保守への応用が期待される。
 
 NTTグループが展開を進めるIOWN APNは、光信号を電気信号に変換することなく、エンドツーエンドで光接続することで、大容量・低遅延・低電力な通信を可能にする次世代インフラ。

 この光ネットワークのデータ伝送容量を最大化するためには、光信号パワーなどの光ファイバ伝送路の状態を全長にわたって監視し適切に制御する必要があり、それらの実現に向け、光ネットワークのデジタルツインの適用が広く検討されている。
 
 光ネットワークのデジタルツインは、サイバー空間上に再現された仮想的な光ネットワークであり、その光伝送性能を分析/予測することで、現実の光ネットワークのデータ伝送容量の最大化や、障害予知などが迅速に実施可能になる。

 ただし、デジタルツインの実現には、現状2つの課題がある。

 1つ目は、現実のネットワークの状態を精緻に再現するには、多数の専用測定器を用いた全拠点での測定が必要となるため、測定に時間とコストがかかること。ネットワーク異常が発生した場合には高度なスキルを持った作業者が光時間領域反射計(OTDR: Optical time domain reflectometer)などの専用測定器を用いて現地測定を行わざるを得ない場合もある。

 2つ目はIOWN APNのように遠隔のユーザー拠点間を光のまま接続する場合、光ファイバ伝送路の監視範囲をユーザー拠点にまで拡大する必要があること。

 このような複数組織にまたがる光ネットワークにおいては、セキュリティ上、管轄外のネットワークの状態(光信号パワーなど)へのアクセスが困難になる。

 同研究における主な成果は、以下3点です。

 ①光ネットワークの端点に設置されている光トランシーバに到達する光信号のみから、光ファイバ伝送路のエンドツーエンドの光信号パワーを、専用測定器を用いずにわずか数分で可視化するDigital Longitudinal Monitoring(DLM)技術の開発

 ②光信号パワーの可視化を距離方向だけでなく、時間、周波数、偏波方向にまで拡張した4次元光パワー可視化技術の開発

 ③デューク大学、NEC Laboratories America, Inc.との共同実験のもと、商用環境を模擬した北米フィールド網にて、世界初、世界最高精度の実証に成功

 これらの成果は、光ネットワークの構築に必要な光ファイバ伝送路状態の測定が、DLM技術を用いることで光トランシーバのみで実施可能になることを示している。

 これにより、専用測定器を用いずにユーザー拠点間のすべての光ファイバや光増幅器を一括測定可能になるため、光接続の設計や異常の特定にかかる時間を大幅に短縮可能になる。<NTT>
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