“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「記憶の深層」(高橋雅延著/岩波書店)

2024-08-16 09:38:57 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:記憶の深層~〈ひらめき〉はどこから来るのか~

著者:高橋雅延

発行:岩波書店(岩波新書)

 記憶のしくみを深く知り、上手に活かせば答えはひらめく。科学的エビデンスにもとづく記憶法と学習法のヒントを伝授する。試験前の一夜漬け。苦労して覚えても、終わればすぐに忘れてしまう。もっと効果的で効率的な学習方法はないのか。鍵は「記憶」にある。記憶のしくみを深く知り、上手に活かせば答えはひらめく。記憶のアウトソーシングが加速するAI時代。人間の創造性が問われる今こそ必要な、科学的エビデンスにもとづく記憶法のヒントを伝授する。【著者】高橋雅延 1958年新潟県生まれ。1981年京都教育大学卒業、1986年京都大学大学院博士課程単位取得退学、1996年京都大学博士(教育学)取得。京都大学助手、京都橘大学助教授などを経て、聖心女子大学教授。2023年退職。聖心女子大学名誉教授。専攻―認知心理学。著書―『家族関係の闇が引き起こす「抑うつ」と,その解放』(英智舎)、『変えてみよう! 記憶とのつきあいかた』(岩波書店)、『認知と感情の心理学』(岩波書店)、『記憶力の正体』(ちくま新書) ほか。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成 Deep Learning<第2版>」(David Foster著/オライリー・ジャパン)

2024-08-16 09:38:31 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成 Deep Learning<第2版>~絵を描き、物語や音楽を作り、ゲームをプレイする~

著者:David Foster

訳者:松田晃一、小沼千絵

発行:オライリー・ジャパン

発売:オーム社

 生成AIの本格的な解説書。同書はディープラーニングの基礎から始まり、画像、テキスト、音楽を生成する最先端のアーキテクチャへと進んでいく。具体的には、変分オートエンコーダ(VAE)、敵対的生成ネットワーク(GAN)、トランスフォーマ、正規化フロー、エネルギーベースモデル、GPT、ノイズ除去拡散モデルなどインパクトの強い生成モデルをTensorFlowとKerasで開発する。対象読者は、機械学習エンジニアやデータサイエンティスト。読者は生成AIのモデルを理解するだけでなく、同書掲載のヒントやテクニックを通して、モデルをより効率的に学習させる方法、より創造的なモデルを作成する方法をマスターできる。
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●科学技術ニュース●産総研、革新的な触媒を用いた環境に優しいフロー合成技術の開発し顔料染料、医薬品、電池材料などの素材を効率的に合成

2024-08-16 09:37:59 |    化学
 産業技術総合研究所(産総研)触媒化学融合研究センター 革新的酸化チーム 宮村浩之 主任研究員、今喜裕 研究チーム長、フロー・デジタル駆動化学チーム 小林修 特定フェローらは、高活性および高選択性を実現する金属ナノ粒子触媒と、連続生産フロープロセス技術による環境に優しい有機合成法を開発した。

 この技術は、新しく開発した固体触媒と新設計した連続フロー合成装置や連続分離精製モジュールを用いて、水素と原料を直接流すことで機能性化学品を合成する方法。

 今回、顔料染料、医薬品、エネルギー材料などさまざまな機能性化学品合成において鍵となるロイコキニザリン類を、世界で初めて水素を還元剤として用い、触媒的に合成することに成功した。

 従来のロイコキニザリン合成法では、化学量論量の金属試薬を消費し、有害性のある廃棄物が発生する。

 一方、新たに開発した手法では、長期間にわたり使用可能な触媒と環境に優しい原料である水素を消費するのみで廃棄物を出さないという特徴を持ち、環境に優しい有機合成を実現する。

 さらに、連続フロー水素化反応に使用する溶媒や水素を分離・回収可能な連続分離・回収装置を新たに開発した。

 この連続分離・回収装置と、水素を用いてロイコキニザリンを合成する連続フロープロセス装置、ロイコキニザリンの変換のための連続フロープロセス装置を連結することで、安価な原料から、機能性化学品としてのアントラキノン化合物を連続生産することにも成功した。

 今回新たに開発した連続フロー合成技術は、他の連続合成装置と連結することで、さらなる多段階の連続合成法の実現に役立つため、複雑な構造を有する機能性化学品の連続合成プロセス開発に貢献する。

 今後は、同研究で開発した多段階連続生産フロープロセスのスケールアップによる、機能性化学品の大量合成の実証や実生産による社会実装を目指す。また同研究で見いだした、触媒中の金属の組み合わせで反応活性や選択性が制御可能な二元金属ナノ粒子触媒構築法を、他の触媒的有機合成反応開発に展開する。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術ニュース●JFEエンジニアリング、CO₂分離回収パッケージ"GX-Marble"の実証試験でCO₂回収に成功

2024-08-16 09:37:21 |    ★炭素ニュース★
 JFEエンジニアリングは、このたび、当同が開発したCO₂分離回収パッケージ"GX-Marble"の実証試験において、バイオガス発電設備の燃焼排ガスから濃度99.5%のCO₂を回収することに成功した。

 "GX-Marble"は、膜分離法と物理吸着法のハイブリッド型のCO₂分離回収パッケージであり、燃焼排ガス中の低濃度CO₂を低消費エネルギーにて高濃度に分離・回収できる設備。

 同実証試験は、株式会社Jバイオフードリサイクル横浜工場にて、食品廃棄物から発生させたバイオガスを燃料とするガスエンジン発電の燃焼排ガスを用いて実施している。

 回収したCO₂は、バイオマス由来のため、CCUのみならず、貯留することによってネガティブエミッション技術(NETs)の一つであるBECCSを実現でき、カーボンネガティブを達成することが可能。

 同実証試験で得られた成果を基に、"GX-Marble"の今年度中の商品化を目指す。

 "GX-Marble"は、比較的小型の燃焼ガス排出設備に適しているだけでなく、自動運転機能を搭載予定であり、幅広いユーザー使用される商品になる。

 同社は、同実証試験に加え、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択され、開発を進めている"GX-Opal"や"GX-Crystal"等の技術開発を加速させ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。<JFEエンジニアリング>
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