“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>「なぜ重力は存在するのか」(野村泰紀著/マガジンハウス)

2024-08-14 09:50:34 |    物理



<新刊情報>



書名:なぜ重力は存在するのか~世界の「解像度」を上げる物理学超入門~

著者:野村泰紀

発行:マガジンハウス(マガジンハウス新書)

 ニュートン力学から相対性理論、量子力学まで……。「宇宙を支配する力」に迫る知的探求の旅。同書では、カルフォルニア大学バークレー校教授で理論物理学者の野村泰紀さんが、「ニュートン力学」や「相対性理論」といった古典物理学から、「量子力学」などの現代物理学に至るまでを概観しつつ、「重力はなぜ存在するのか?」いう謎に迫る。宇宙を動かす根源的な仕組みや、自然界を支配する法則への理解がぐっと深まる、読むだけで世界の「解像度」が上がる一冊。【同書の内容】◎月は「落ち続けている」から落ちてこない◎「重力」は“時間”と“空間”の歪み◎地上も宇宙も「同じ法則」で運動している◎光さえも進めなくなる「ブラックホール」◎自然現象はたった「4つの力」で成り立っている◎重力と一般相対性理論を統合する「超ひも理論」 …etc.(同書は、YouTube チャンネル『ReHacQ─リハック─』で配信された動画を元に、追加の取材・再編集を行い、書籍化したもの)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「個人情報保護法」(岡田 淳、北山 昇、小川智史、松本亮孝著/商事法務)

2024-08-14 09:50:09 |    企業経営



<新刊情報>



書名:個人情報保護法

監修:宍戸常寿 

著者:岡田 淳、北山 昇、小川智史、松本亮孝

発行:商事法務 

 個人情報・プライバシーを巡る議論をふまえ法律と運用、実務の発展をめざす。条文やガイドラインからは明らかでない論点も取り上げ、実務家目線での踏み込んだプラクティスを解説。第一線の研究者との対話の成果としてのディスカッションも織り込み、実務家では見落としがちな俯瞰的な視点からも解説。【目次】第 1 編 総 論 第 1 章 個人情報保護法の変遷 第 2 章 個人情報保護法の法目的と基本理念 第 3 章 基本方針・基本原則・ガイドライン等 第 4 章 個人情報保護委員会 第 2 編 個人情報取扱事業者等の義務等 第 1 章 総 説 第 2 章 定 義 第 3 章 個人情報に関する規律 第 4 章 個人データに関する規律 第 5 章 個人関連情報に関する規律 第 6 章 保有個人データに関する規律 第 7 章 仮名加工情報に関する規律 第 8 章 匿名加工情報に関する規律 第 9 章 認定個人情報保護団体 第 10 章 本人同意原則の例外・適用除外 第 11 章 域外適用 第 12 章 インシデント対応(漏えい以外)、監督、罰則   第 13 章 プライバシーガバナンス 第 14 章 新たなテクノロジーを取り巻く課題 第 3 編 行政機関等の義務等 第 1 章 総 説 第 2 章 個人情報等の取扱いに関する規律 第 3 章 個人情報ファイルに関する規律 第 4 章 開示、訂正及び利用停止に関する規律 第 5 章 匿名加工情報に関する規律 第 6 章 行政機関等の監視 第 7 章 公的部門規律と民間部門規律の交錯 研究者と実務家の対話─宍戸常寿教授との議論をふまえて 第 1 編 総 論 第 2 編 個人情報取扱事業者等の義務等 第 3 編 行政機関等の義務等
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●科学技術ニュース●東京大学など、常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で世界最高性能を達成しアンモニア製造工程におけるカーボンフリーの実現に向け大きく前進

2024-08-14 09:49:43 |    化学
 東京大学、大阪大学大学院工学研究科、産業技術総合研究所(産総研)、出光興産株式会社は、共同で実施している研究開発において、空気中に多量に存在する窒素と水から常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成(プラス、マイナスの電極とこれらを分ける隔膜で構成される電解セルと呼ばれる装置に通電することで、触媒の存在下、窒素と水から連続的にアンモニアを合成すること)で世界最高性能を達成した。

 燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、水素キャリア(水素を液体や水素を含む化合物に転換し輸送・貯蔵する方法)や発電・工業ボイラー用の新燃料として注目されているが、高温・高圧で製造されるため、製造時のCO2排出量の抑制が課題のひとつ。

 このたびの研究成果は、常温・常圧下の窒素・水・電気(再生可能エネルギー由来を想定)でアンモニアを連続的に製造できることをラボスケールで実証したもの。

 100年以上の歴史を持つ現在の製造方法(ハーバー・ボッシュ法)に替わり、アンモニア製造工程におけるカーボンフリーの実現にはずみをつける革新的な技術となる。

 研究開発においては、東京大学大学院工学系研究科の西林仁昭教授らが開発したモリブデン触媒(モリブデン原子を取り囲むように配位子と呼ばれる分子などが結合した触媒)を応用している。

 このモリブデン触媒に適した電解合成技術の開発(モリブデン触媒に適した電解合成技術の開発)により、電解合成に使用する電極の単位面積当たりのアンモニア生成速度が従来技術より約20倍向上し、世界最高性能を達成した。

 同研究開発は、出光興産を幹事会社とし、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の委託業務として実施している。今後は、コスト競争力の高い量産化技術の確立を目指し、着実に開発を進め、研究成果をさらに発展させる。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術ニュース●島津製作所、信州大学と包括的連携に関する協定書を締結

2024-08-14 09:49:15 |    科学技術全般
 島津製作所は、8月5日に信州大学と、社会課題解決に向けた共同研究および研究成果の社会実装を目的とする「包括的連携に関する協定書」を締結した。契約期間は5年間。

 両者は同協定書に基づき、水やエネルギーに関連する先端的技術に関するテーマの探索や同社の持つ分析計測技術の活用検討、双方の研究者・技術者の育成に共同で取り組む。

 なお、両者による共同研究は、2025年3月に信州大学松本キャンパスに竣工予定の新拠点で実施する。

 信州大学は、様々な溶媒(フラックス)を用いた人工的結晶作成方法「フラックス法」や、「フラックス法」による「信大クリスタル」などの素材開発に実績と強みを持っている。

 また、10年先のビジョンとして「アクア・リジェネレーション(ARG)分野の研究力を核に一歩先のソリューションを共創する」と掲げている。

 ARGとは、水および水由来のグリーンエネルギーを中心とする地球環境再生に関わる分野を統合した新しい学問分野であり、当該分野の研究を進める拠点として2024年3月にアクア・リジェネレーション機構を設置した。

 信州大学は、2023年度に大学の研究力向上を目的とした文部科学省の補助事業「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されている。

 島津製作所は、多様な分析計測機器・技術を用いた、新技術・新素材の評価計測手法に強みがある。また、中期経営計画において、ライフサイエンス分野を含むヘルスケアや、カーボンニュートラルを目指すグリーン(GX)を社会価値創生領域と定めている。

 同社は信州大学ARG機構と、「信大クリスタル」などの先端材料を使った「水の浄化・循環利用」や、次世代エネルギーとして期待される「水由来水素エネルギーの生成・利用」などに関する共同研究を検討する。

 加えて、共同研究成果を、分析計測機器で使用する溶媒をリサイクルするデバイスや、エネルギー分野で重要な触媒などの効率評価システムに応用し、社会実装を推進する。

 島津製作所は、今後も様々な分析計測機器・技術を通じて、ヘルスケアおよびグリーン領域への貢献を目指す。<島津製作所>
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