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●科学技術ニュース●産総研、専門医に匹敵する膀胱内視鏡診断支援AIを開発し従来よりも格段に少ない内視鏡画像の学習でも高い診断精度を実現

2024-09-12 09:41:29 |    生物・医学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」において、今回、産業技術総合研究所(産総研)は、画像基盤モデルを使用して少量の内視鏡画像の学習から高精度に診断する膀胱(ぼうこう)内視鏡診断支援AIを開発した。

 現在、医療分野において画像診断を支援するAIの開発が進んでいるが、医療現場で実際に画像診断支援AIが活用されている領域は限られている。特に患者数や検査数の少ない疾病や希少症例では教師データの収集が難しいため、画像診断支援AIの適用が困難であった。

 今回、2種類の数式を併用して自動生成された200万枚の画像から画像基盤モデルを構築した上で、画像基盤モデルに対して従来よりも格段に少ない約9000枚の膀胱内視鏡画像を追加学習した結果、画像のみから病変の有無を診断するタスクにおいて、8名の専門医の平均を超える診断精度(感度94.3%、特異度99.4%)を実現できた。

 この精度は、画像認識AIの事前学習に広く使用されているデータセットであるImageNet-21kとImageNet-1kを事前学習に使った場合の診断精度を超えた。

 今後、診断対象領域に合わせて画像基盤モデルを開発し、膀胱内視鏡以外にも教師データの収集が困難な医療分野への適用を進めていく予定。

 また、汎用的な基盤技術として、教師データの収集が困難な他の医療領域での活用を進め、同技術の有用性を実証する。
 
 さらに、同技術を適用した診断支援システムを実用化し、膀胱内視鏡診断支援をはじめ、AIの活用が進んでいない医療分野でも高精度なAI診断支援を届ける。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
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