“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「「この世でいちばん」を科学する」(デイヴィッド・ダーリング著/原書房)

2024-10-02 09:41:02 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:「この世でいちばん」を科学する~惑星から音、温度、臭い、生物まで~

著者:デイヴィッド・ダーリング

訳者:黒木章人

発行:原書房

 地球上で最もまぶしい光は? 最も臭い化学物質は? 人間が作った最も完璧な球体は? 誰かに話したくなる「極端な科学」45のトピックを「物理」「宇宙」「物質」「テクノロジー」「自然界」5つのジャンルにわけて解説。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「アーキテクトの教科書」(米久保 剛著/翔泳社)

2024-10-02 09:40:38 |    機械工学



<新刊情報>



書名:アーキテクトの教科書~価値を生むソフトウェアのアーキテクチャ構築~

著者:米久保 剛

発行:翔泳社

 ソフトウェア開発の土台となるアーキテクチャ。その重要性はますます高まっており、それを構築するアーキテクトという人材が求められている。同書では、これからアーキテクトを目指す方やアーキテクトとしての経験が浅い方に向けて、アーキテクティングの基礎知識をわかりやすく解説。アーキテクトとして職務を遂行するには、幅広い知識と経験が求められる。日々の業務で多忙を極める中、相談できる先輩や上司が身近におらず、思うようにキャリアを築けていないという方も多いことであろう。そこで同書は、筆者が若手だった頃にこんな本があればもっと効果的に学習を行えただろう、という内容を目指して執筆。アーキテクティングに主軸を置きつつ、設計やテストなどソフトウェアエンジニアリング全般についても広くカバーしているので、初学者に最適。同書を読んで、ソフトウェアアーキテクトへの道を歩み始めよう。
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●科学技術ニュース●東京農工大学など、レンズ・プリズム・波長板の3種類の光学素子を1枚の超薄型素子に統合させスマホ用超小型原子時計へ道

2024-10-02 09:39:59 |    電気・電子工学
 東京農工大学大学院のPrutphongs Ponrapee氏(博士前期課程2年)、伊藤遼成氏(博士前期課程1年)、青木活真氏(2024年3月博士前期課程修了)、情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)の原基揚主任研究員、早稲田大学理工学術院の池沢聡研究院講師、東京農工大学大学院の岩見健太郎准教授は、メタサーフェスを利用して、レンズ・プリズム・波長板の3種類の光学素子を1枚の超薄型素子に統合することを実現した。

 この成果は、スマートフォンに搭載可能な超小型原子時計への応用が期待される。

 従来のRb原子時計には、レンズ・回折格子・波長板が用いらるが、組み合わせて利用するとかさばってしまうため、極めて高い時間精度を有するものの小型化が困難であった。

 現在、数cmの厚さをもつ原子時計を、数mm程度まで小型化することができれば、スマートフォンへの搭載の可能性が見えてくる。

 今回我々は、メタレンズに関する研究を発展させ、プリズムと波長板の機能を追加することで、レンズ・プリズム・波長板の3種類の光学素子を1枚の超薄型素子に集積化する技術を開発した。

 メタアトムと呼ばれる光の波長より小さいサイズの構造体を配列して光を制御するメタサーフェスは、数ミクロン程度の薄さで様々な光学的機能を実現できることから、次世代の光学デバイスとして注目されている。

 今回開発された集積化素子は、基板上に半導体の製造プロセスを用いてメタアトムを配列したものであり、非常に薄型であるだけでなく大量生産も可能な特徴を持っている。

 今回、ルビジウム(Rb)小型原子時計に用いられる波長795nmで動作するメタサーフェスを開発した。レンズ・プリズム・波長板の3機能を1枚に統合した多機能集積化メタサーフェスになる。

 これは、光源から入射する拡散直線偏光を、円偏光の平行光に変換して、角度を変えて出射することができる。

 設計ではまず初めに、長方形断面をもつ水素化アモルファスシリコン柱構造(メタアトム)の電磁場解析を行い、偏光のx方向成分とy方向成分との間に1/4波長(90度)の位相差を生成できる寸法を抽出した。

 そして、偏光間の位相差を保ちつつ、全体の位相遅延を0~360度の間で自在に制御できるよう設計し、縦298 nm×横2,384 nmの範囲に8本の異なる寸法の柱を並べることで、プリズムと波長板の2機能の統合ができることを確認した。

 詳細な誤差解析をおこなって、寸法誤差が回折効率・集光効率に与える影響を調査した。

 実験ではプリズムと波長板の2機能の統合と、レンズ・プリズム・波長板の3機能統合に取り組んだ。

 3機能統合では、0.3mm×0.3mmの範囲内に360種類の異なる寸法の柱を配置した。2機能統合では回折効率72.8%、3機能統合では集光効率77.3%を達成し、高い性能を示すことができた。

 情報化社会の進展に伴い、高速かつ大容量で安全な通信技術への需要が高まっている。そのためには高精度かつ安価なタイミングデバイスの開発が必要であり、スマートフォンに搭載可能な超小型原子時計はその有力な候補。

 同研究で提案された多機能集積化メタサーフェスは、1枚の超薄型素子で光の伝搬方向・集束性・偏光状態を高効率に同時精密制御する技術を提供するものであり、大量生産に対応することも可能であるため、次世代の超小型原子時計開発のための重要技術となることが期待される。<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術ニュース●NTTアノードエナジーなど、エネルギーグリーン化のための電力流通モデル「Internet of Grid プラットフォーム」を開発

2024-10-02 09:39:23 |    電気・電子工学
 NTTアノードエナジー、大崎電気工業、NEC、NTTテクノクロス、三菱電機、NTTデータ東北、NTTテレコンおよびACCESSは、再生可能エネルギーが主流となるエネルギーグリーン化社会を支える新たな電力流通モデルとなる Internet of Grid プラットフォーム(IoGプラットフォーム)を開発した。
 
 また、今回開発した「IoGプラットフォーム」を用いた実証を、9月から岐阜県加茂郡八百津町において行う。

 具体的には、八百津町施設及び蓄電池を設置したNTT施設敷地内にスマートメーターを設置し、スマートメーターで計測した電圧等の潮流データについて「IoGプラットフォーム」内にある「潮流マネジメントシステム」で把握・管理を行い、電圧上昇の状況に応じて蓄電池を制御して電圧上昇の抑制を図る。

 「IoGプラットフォーム」は、電力系統の潮流データを把握する仕組みと、再生可能エネルギーの発電量が増え電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなった場合にこれらを抑制するための蓄電池とで構成される。
 
 電力系統の潮流データ把握は、新規開発したスマートメーターにより実現する。

 このスマートメーターは、電力計量部はそのままだが、通信部に新機能を追加することで、系統電流や電圧等の潮流データを把握することが可能となった。

 これにより、今まで想定が難しかった配電系統における再生可能エネルギーの連系可能量がより正確に把握できることになり、再生可能エネルギーの導入拡大に繋がる。
 
 晴れの日の昼間等、再生可能エネルギーの発電量が増えると、電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなり設備許容値を逸脱するリスクが発生する。

 このような事象が潮流データから予見された場合、「IoGプラットフォーム」の蓄電池を充電して電圧上昇や電流容量を抑制する。

 これにより、再生可能エネルギーの発電量や連系可能量の増加に繋がる。
 
 なお、「IoGプラットフォーム」の蓄電池はこれらの活用に加えて、夜間等には蓄電池に充電した電力を電力取引市場(卸電力取引市場、容量市場、需給調整市場)等に活用することができ、ブラックアウト等の非常時には代替供給力となる非常時マイクログリッドにも活用できる。
 
 また、電気給湯器やEV充電器等で標準化されているECHONETLite(エコーネットライト)等の通信対応機器であれば、HEMS等の機器を介さなくても監視・制御等が可能となる環境を新規開発したスマートメーターに搭載し、需要家向けエネルギーサービスのハブ機能としてスマートメーターを活用できるようにした。

 これにより、電気給湯器やEV充電器等の電気については再生可能エネルギーを利用しやすくなる。
 
 このように「IoGプラットフォーム」は、スマートメーターをハブとしてエネルギーデータをインターネットインフラにあげて蓄電池や需要家リソースを制御する仕組みであり、電力インフラに通信を融合させたプラットフォーム。

 エネルギーグリーン化社会において、再生可能エネルギーを増やし、再生可能エネルギーを利用しやすい新たな電力流通の基盤として、「IoGプラットフォーム」は活用できる。<NTT>
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