“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ダーウィン」(鈴木紀之著/中央公論新社)

2024-10-04 09:47:35 |    生物・医学



<新刊情報>




書名:ダーウィン~「進化論の父」の大いなる遺産~

著者:鈴木紀之

発行:中央公論新社(中公新書)
 
 『種の起源』で進化論を唱え、科学に革命をもたらしたチャールズ・ダーウィン(1809~82)。後代の思想、社会観にも影響を与え続けてきた。だが、大発見は進化論にとどまらない。人類の起源、感情の由来、性淘汰、動物の心理、新種の化石の発掘、サンゴ礁の形成、家畜・作物の品種改良、花と昆虫の関係――。同書は、ダーウィンの劇的な生涯を辿り、進化論の本質、彼の偉業を紐解く。旧来のイメージを刷新する。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「システム理論による安全工学」(Nancy G. Leveson著/共立出版)

2024-10-04 09:47:10 |    情報工学



<新刊情報>



書名:システム理論による安全工学~想定外に気づくための思考法STAMP~

著者:Nancy G. Leveson

監訳・訳:兼本 茂、福島 祐子

訳者:青木 善貴、石井 正悟、岡本 圭史、沖汐 大志、片平 真史、金子 朋子、日下部 茂、野本 秀樹、橋本 岳、向山 輝 、山口 晋一、吉岡 信和、余宮 尚志

発行:共立出版

 安全工学のパラダイムシフトともいえる新しいアプローチSTAMP(システム理論に基づく事故モデルとプロセス)について実例豊富に解説。工学の世界は大きな技術革命を経験しつつあるが、安全・信頼性工学における基本的な方法論は信頼性理論をベースとしたもので、長年にわたってほとんど変化していない。この画期的な同書の中で、著者のナンシー・レブソンは、今日の複雑でソフトウェア集約型の社会技術システムの安全設計のために、より適した新しい考え方・アプローチであるSTAMP(システム理論に基づく事故モデルとプロセス)を提案している。これはシステム思考とシステム理論に基づいた安全工学のパラダイムシフトともいえる新しいアプローチであり、「故障の防止」から「振る舞いに関する安全制約の強化」へ、「信頼性の確保」から「安全のコントロール」へと焦点を変えた。このアプローチは、米国のブラックホーク・ヘリコプターに対する味方への誤射による事故、バイオックスの薬品リコール、アメリカ海軍のSUBSAFE安全管理プログラム、そしてカナダの町の公共水道の細菌汚染など現実の事例に適用され、その有効性が確認されている。これらの事例は同書でも解説されているが、このアプローチは、このほかにも大規模システムにおいて数多く試されてきており、従来の技術よりも効果的で、コストがかからず、使いやすいことがわかってきた。このSTAMPに基づくアプローチは、安全性を後付けするのではなく、システム工学の初期段階から組み込むことにより、はるかに低いコストでより安全な世界の実現を目指すものである。
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●科学技術ニュース●NICT、基準光配信と光コムを用い光源一つで大容量コヒーレント光通信に成功し光通信システムの広帯域化と低コスト化に道

2024-10-04 09:46:42 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは、基準光配信と光コム技術を組み合わせて、最新の商用光通信装置200台分の伝送容量に相当する毎秒336テラビットの光通信を実証した。

 従来の方式であれば200個の光源が必要だが、今回の実証では光源一つで達成した。

 同研究で同グループは、光通信の周波数規格に準拠し、S、C、L波長帯のほぼ全域でコヒーレント光通信を可能とする高品質光コムの生成に世界で初めて成功した。

 これをネットワーク上での基準光配信技術と組み合わせ、送受信ノード間で自動的に周波数が同期する650波長のコヒーレント光通信チャネルを構築した。

 これらの通信チャネルで多値変調と空間多重を行い、大容量伝送を実現した。

 同成果は、S帯通信用光源モジュールの商用化開発・実装を代替し得るもので、商用の波長多重通信の広帯域化を加速し、波長ごとに異なる数百個の通信用光源を用意する必要がなくなるので、光通信システムの低コスト化が期待できる。

 加えて、マルチコアファイバなどの空間多重を更に活用すると、1本の光ファイバ回線当たり数千台分の通信装置からの光源削減が可能と見込まれ、より一層の低コスト化が期待される。<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術ニュース●東芝、英ロンドンのエクイニクスの2つの主要なデータセンターを量子セキュア通信で接続

2024-10-04 09:46:03 |    通信工学
 英BTグループ、英エクイニクス、東芝は、ロンドンのカナリー・ワーフとスラウにあるエクイニクスの2つの主要なコロケーションデータセンターを量子セキュア通信で接続すると発表した。

 エクイニクスのデータセンターでは、同じデータセンターを利用する複数の顧客に機器、スペース、通信帯域を提供しており、利用顧客は、BTグループと東芝が提供する量子セキュアなメトロネットワークに接続し、量子鍵配送(Quantum KeyDistribution: QKD)によって保護されたデータ通信を試すことができる。

 英国初のデータセンター間を結んだ専用の量子セキュア通信サービスは、複数の利用者に提供される。

 ロンドンの金融サービス地区の中心部と企業が密集するエリアに位置する2つの拠点は、さまざまな顧客が「量子鍵サービス(quantum keys-as-a-service)」を試験運用するのに理想的な拠点であり、量子セキュア通信をより利用しやすくするための重要な一歩となる。

 世界的な投資により量子コンピューターの開発が加速しており、現在の暗号技術が危殆化するリスクが高まっている。量子コンピューターは、現在の暗号通信技術の安全性を担保している極めて難解な数式暗号を解読できる可能性がある。

 長期的なセキュリティを必要とするデータは、量子コンピューターが利用できるようになると、「今収集して後で解読」攻撃のリスクにさらされる可能性がある。

 QKDベースのセキュリティは、暗号鍵交換があらゆるコンピューターまたは数学の進歩に対して安全であるという特長を持っている。<東芝>
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