“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「オフィスから会社を変える」(日本オフィス学会編/白揚社)

2024-10-03 09:33:34 |    建築・土木



<新刊情報>



書名:オフィスから会社を変える~イノベーションが生まれる空間づくり~

編者:日本オフィス学会

発行:白揚社

 「人的資本経営の核心はオフィスにあり!」(早稲田大学教授・日本サステナブル建築協会会長 田辺新一)。オフィスが会社を変え、働き方を変えていく!従来の会社でのデスクワークからテレワークまで、さまざまに変わりゆくオフィス環境。どのようなオフィス空間を構築すれば、従業員のやる気を引き出し、イノベーションを生み出すことができるのか?長年にわたりオフィス研究に取り組んできた〈日本オフィス学会〉がその豊富な実績をもとに、多彩な視点からオフィスの役割や技術、活用法を論じ、ビジネスに変革をもたらす新しい環境づくりを提言する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門」(高橋あおい/翔泳社)

2024-10-03 09:32:59 |    情報工学



<新刊情報>



書名:つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門

監修:五十嵐 綾

著者:高橋あおい

発行:翔泳社

 動かなくっても、もう怖くない!トラブルシューティングを体験しながら学ぶ、実践的入門書。同書は、Kubernetesの実践的な知識をハンズオン形式で解説する書籍。同書の特徴は、壊れにくいKubernetesをあえて壊しながら学ぶことで、初心者が挫折しやすいトラブルシューティングの知識や対応力が身に付けられること。初心者でも、経験者でも、今度こそKubernetesがわかる。マンガや図解を多く掲載しているため、視覚的に理解したい方にもおすすめ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NICT、世界初、量子コンピュータを利用した屋外多数同時接続による無線通信実験に成功

2024-10-03 09:32:22 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)は、アニーリング型の量子コンピュータ(量子アニーリングマシン)と古典コンピュータとを併用する新たな演算手法(量子とデジタルをハイブリッドしたアルゴリズム)を開発し、次世代移動通信システムにおける活用が求められる非直交多元接続技術の信号分離処理に適用した無線通信実験に成功した。

 現在の第5世代移動通信システム(5G)では、同一周波数・同一時間を使用して、基地局アンテナ1本当たり1台の端末局と通信を行っている。一方、次世代移動通信システムでは、5Gと比較して同時接続数を10倍以上とすることが期待されている。

 同アルゴリズムを用いることで、基地局アンテナ1本当たり少なくとも7台まで端末局との同時接続が行えることをシミュレーションで確認するとともに、4台との同時接続を屋外実験で実証した。

 量子アニーリングマシンを利用したアルゴリズムを用いて、実フィールドにおける多数同時接続技術(非直交多元接続技術)のオンラインでの実証を行ったのは世界初。

 非直交多元接続技術では、数万通り以上の大規模な組合せ最適化問題を解く必要があるが、同アルゴリズムを適用することで、従来手法と比較して信号分離処理に要する計算時間を約10分の1に短縮できることを示した。

 同アルゴリズムが実用化されれば、次世代移動通信システムにおいて、これまで膨大な計算量が障壁となっていた組合せ最適化問題(大規模なビームフォーミング等)を、短時間で行えることが期待される。

 今回の成果は、量子アニーリングマシンを用いた実用的な演算手法が無線通信信号処理に適用可能なことを実証したものであり、次世代移動通信システムが求める多数同時接続性能(5Gと比較して10倍)の実現に寄与するもの。

 今後、10倍の達成に向けた演算手法の改良や実証を進めていく。また、次世代移動通信システムでは、大規模なビームフォーミングにおいても、大規模な組合せ最適化問題を解く必要があり、同アルゴリズムの応用が期待される。

 同アルゴリズム自体は無線通信信号処理以外にも適用可能であると思われ、今後、様々な組合せ最適化が求められる分野・領域への適用が期待される。

 その他、同技術の実用化を加速するため、量子アニーリングマシン以外の量子効果を活用した計算機(量子ベクトルアニーラ等)や演算手法(量子インスパイアード等)を用いた際の評価を進めていく。<情報通信研究機構(NICT>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●住友大阪セメント、木質バイオマス発電所のCO2を利用した少花粉スギ品種のBECCS育苗システム実証実験を開始

2024-10-03 09:31:31 |    ★バイオニュース★
 住友大阪セメントは、セメント業界初の試みとして、栃木工場バイオマス発電所(栃木県佐野市)の排気ガス中CO2を利用した「BECCS(Bioenergy with Carbon Capture and Storage)育苗システム構築」に向けた実証試験を、オムニア・コンチェルト(東京都港区)と共同で着手した。

 政府は、花粉の少ないスギ苗木の生産割合を現状の5割から10年後に9割以上に引き上げる方針を示しており、今後少花粉品種のスギ苗木の需要が高まることが予想される。

 これにより、効率的な苗木生産方法の確立が望まれる状況。
 
 他方で、国内のバイオマス発電所数は、現状1,062 か所で、近年急増しており、木質チップが逼迫している。

 また、昨今の二酸化炭素(CO2)削減の流れから、木材を利用した建築物も増加傾向にあり、木質チップだけでなく建築用木材の需給逼迫も想定される。
 
 こうした背景のもと、カーボンニュートラルへの取組を強化している住友大阪セメントは、スギ人工林の少花粉品種への転換と、木材の需給逼迫という課題に対応するため、2023年よりCO2を利用した苗木を促成栽培する検討を開始している。

 農林業用環境制御装置による苗木栽培の最先端オートメーション化技術を有するオムニア・コンチェルトとの連携により、次世代を見据えた先進的かつ効率的な苗木栽培システムの構築に向け、実証試験設備を栃木工場内に設置し、実証実験を開始した。
 
 将来的には、広葉樹の苗木促成栽培にもトライし、豊かな山林再生にも貢献できるネイチャーポジティブ企業を目指す。

 通常、植物は光合成を行い成長するが、1,000ppm 程度超のCO2高濃度環境下では成長速度が速くなることが知られている(大気中CO2濃度:通常 約400ppm)。

 そこで同取組では、同社の栃木工場での電力供給を担う木質バイオマス発電所からの排ガスを浄化した後に、少花粉苗木栽培を実施するハウス(育苗ハウス)にCO2源として施用して促成栽培を実施する。

 これは、昨今急速に注目を集めているCCSとバイオマス発電を組み合わせたBECCS(Bioenergy with CarbonCapture and Storage)にあたるネガティブエミッション技術(NETs)の一つとみなすことができ、このBECCS 型育苗システムにより育った苗木を植林に利用することは、大気中の炭素を除去するカーボンオフセットに当たる。

 この取組は、一つのセメント工場の使用電力を自社の木質バイオマス発電によるグリーン電力で供給できる同社独自のカーボンニュートラルに向けた新しい姿として、業界で初めての取組となる。<住友大阪セメント>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする