はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

大雨

2017-08-14 12:16:55 | はがき随筆
九州北部豪雨が甚大な爪痕を残した。近年の温暖化による影響なのか、またして自然の脅威にさらされ尊い命を犠牲にしてしまった。梅雨前線が南下し、雨音も一段と激しくなったその夜、鹿屋には大雨洪水警報が出された。間もなく中学の同級生から「鹿屋は大雨だが大丈夫なの?」と安否確認の電話があった。アメリカ、ヒューストン在住の級友から、日本のテレビチャンネルで気象状況を知り連絡があったらしい。まさかの連係プレー。遠方から気遣ってくれたのがうれしかった。被災された方々を思うと早期の復興を願わずにはいられない。
  鹿屋市 中鶴裕子 2017/8/14 毎日新聞鹿児島版掲載

胡蝶蘭

2017-08-14 12:03:50 | はがき随筆


 2年前、母の100歳の祝いにいとこたちが胡蝶蘭を届けてくれた。昨年は咲かなかったが、5月から花が開き始めた。夏風邪で伏した母も花の勢いに触発されたか元気になった。
 母は毎月、病院で診察を受けている。先生が「いくつになりましたか」と尋ねると「先生とおんなじ」と答えて、先生も大笑いされた。外来患者の最高齢なのでスタッフに人気がある。
 6年前に大腿骨を骨折し、デイサービスを利用している。介護施設ではゲームに興じ、話をよくするらしい。今朝も車椅子から胡蝶蘭の花にタッチして、施設の迎えの車に乗り込んだ。
  鹿児島市 田中健一郎 2017/8/13 毎日新聞鹿児島版掲載