小学生の頃、朝まだ暗いうちに起こされ、上級生の後についてメジロ捕りに行ったものです。今でこそメジロは保護鳥で捕獲は禁止されていますが、当時の少年たちは囮としてメジロを飼っていました。それを海沿いの松林に鳥モチと一緒に仕掛けるのです。すると、囮の声に誘われて近づいたメジロが鳥モチの枝に止まり、物の見事にくるりと1回転して一丁あがりという次第です。メジロは鳴き声によって「ツイリン」「ツヤ」などと呼び、中には業者に売って小遣いを稼ぐ子も……。勉強より遊びの方がずっと大切なよき時代でした。
霧島市 久野茂樹 2016/2/20 毎日新聞鹿児島版掲載