はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

真央チャンに感動

2012-01-13 22:22:41 | はがき随筆
 昨年末に行われた全日本フィギュアスケートをテレビで見て、いつになく感動した。
 東日本大震災で自らも被災した羽生選手の力強い演技、それに大会直前、母の急逝を乗り越えて出場した真央チャンの華麗な演技には思わず目頭が熱くなった。真央チャンの回転ジャンプもさることながら、あの軽快でしなやかなステップには魅了される。悲しみを胸に秘めながら平常心を忘れず、青みがかった白のドレスをまとい、大きく舞った彼女。まさしく銀盤の妖精である。最後の天を仰ぐポーズに「お母さん、ありがとう!」の声が私には聞こえた。
  志布志市 一木法明 2012/1/12 毎日新聞鹿児島版掲載

この1年

2012-01-13 18:01:17 | はがき随筆
 今年こそは、今年こそはの思いが強い。文才が上々ならば、思いもすぐにかなえられるだろう。今年もコツコツ精神とぼちぼち精神を合体させて、創作活動に精進していくか。
 川柳も男の気持ちもみんなの広場も没。嘆くこともいいかもしれぬが、心底から創作に打ち込む度合いがまだまだであろう。決意も新たに岩田の名を紙上ににぎわそう。すごいの言よりも、よくやるねと言われてみたい私である。
 2012年、フレーイチニと解釈してこの1年、ぼちぼちとコツコツと、蕾あり花あり青葉ありか。
  鹿児島市 岩田昭治 2012/1/12 毎日新聞鹿児島版掲載

闘病記その1

2012-01-13 17:46:25 | はがき随筆
師走半ば、夫が突然、胸から下がしびれると言い、ふらついて歩く。すぐに病院へ駆けつけた。MRIを撮ったが、「この病院では困難だから」と鹿児島市内の病院を紹介された。医師の説明では「がんが背骨に転移して背骨の神経を圧迫している」。
 暮れの15日、緊急入院の運びとなった。ホルモン療法、放射線療法、薬に注射と毎日が想定外の激しい治療だった。「正月は自宅で迎えられ、えれしかった」「神様からのたまもの、かけがえのない命を燃え尽きるまで精いっぱい生きる」。夫と熱い握手をした。夫は笑みを浮かべた。
  姶良市 堀美代子 2012/1/12