予想外のNY大幅高

注目の米雇用統計は22.3万人増と市場予想平均（22.8万人）とほぼ市場の予想
通りの結果でした。予想通りの結果だったにも拘わらずNY市場は267ドルの大幅
上昇にはやや意外感をありました。例えば4月も20万人を下回り利上げの更なる
後ずれを好感しての上昇というケースはあり得るかなとも思いましたが予想通りの
結果で大幅高とは相場解説は雇用回復を好感とありましたが額面通り受け取って
いいものどうか。

イエレン議長発言で大幅安した反動での大幅上昇なのか8日の終値は年初来高
値18288ドルを射程圏に捉えてきました。来週もNY市場が堅調なら東京市場の
上昇も続きそうです。もっとも決算内容から東京市場が再び2万円乗せから高値
トライするには高いハードルが待ち受けているようです。NY市場の大幅高も売り
の買戻しだけなら高値更新から一段高は難しいそうですが。

239円安と4月末の急落を引き継いだ格好で始まった5月相場ですが個別銘柄で
は決算内容での泣き笑いだけでなく原油価格上昇による素材エネルギー銘柄の
堅調さが目立ちました。原油相場は3月の40ドル前半の水準から5割高い60ドル
近くまで上昇しました。3月時点での予想では米国のドライブシーズンで需要増
が期待できる5月以降の反発は予想されましたが実際は予想以上に早く50ドル
回復でした。

今年の相場で何よりも大切なことは日経平均が2万円達成が幅広い業種、幅広
い銘柄が水準訂正した訳ではないことです。流れから取り残された銘柄をいくら
辛抱強く持っていても指数上昇の恩恵には与れないことです。8日現在で日経平
均は年末時点よりも1900円程度上昇していますが主力銘柄でも年末時点よりも
低い水準の銘柄はかなりあります。

また富士通のように4月までは順調に上昇していても失望決算であっという間に
年初来の上昇分を吐き出すだけでなくさらに売り込まれた銘柄もあります。ベネ
ッセのように決算発表を境に再び大きく売り込まれる銘柄も出ています。決算が
一巡するまで個別銘柄の投資判断の難しさはついて回ります。

今後の流れが値嵩株中心の高ROE銘柄に戻るのかそれともこれまで出遅れの
目立った低PBR銘柄に向かうのか市場関係者の予想も分かれているようです。
指数が上昇しても流れに乗った銘柄では無ければ恩恵に与れない展開が今後
も続くことだけは確かなようです。

明日の更新はお休みします。