朝ドラ『芋たこなんきん』
久しぶりにドラマらしいものがテレビで流れている気
がしますね。
新しいものも良いでしょうが、やはり本格的なものが
なくてはいけませんよね。
成瀬を思わせる丁寧なセット 路地の気分。
ヒッチコックばりの移動撮影。
細かいところにSFXを使うのも本格的な映画なみで
どれも前面にシャシャリでてこないのが好ましい。
もちろん時代考証も丁寧です。
たまに、そのリンゴ!とか突っ込みますが毎日の
ドラマでここまでするのは立派。
脚本や演出、俳優は当然、素晴らしい。
すぐにでも本が書けそうな気がするくらいです。
小津のようにきちんと日常を描き、そこから日本の
よき時代が覗けます。
小津映画のような子役の上手さはどうでしょう!
国村は黒澤なら絶対に主役級の存在感だし
直美さんは溝口を初め「巨匠あらし」間違いない
ですね。それは香川京子さんか。
◎
戦争を挟んだ二つの時代に共通していた日本の良さ
と現代のこの国とを比べてみたい、という気になり
ますよね。
今週ドラマは子供のころ、人に可哀相なことをした
話です。隣の酒場に勤める人の小さな娘にイケズを
してしまうのですね。
「私、なんであんなことしたんやろ」
「子供というものはそんなもんや」
こんなセリフでしたね。
多分、誰にでもありそうな話です。
若いうちは「悪かった」くらいの思い出ですが
これが年を経るにつれ「とりかえしのつかない」
重さになるのですね。どんどんと利子が膨らむのに
返済ができないのです。
その思いを抱えて、まるで税金を納めるように
何か自分で出来ることを社会に還元する。大人の
一生はこういうことではないでしょうか?
その大人があってこそ、子供がスクスクと育つの
だろうと思います。
◎
それにつけても今の大人ときたら。
昨日の続きですが、必修科目を誤魔化そうとして
いた件は何とも情けない。
学校関係者、中でも校長の責任は重いでしょう。
「範を示す」という言葉は日本から消えてしまった
ようです。
10.28
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます