遺伝する

2010-11-09 21:46:52 | 塾あれこれ
両親から遺伝子を二分の一ずつ貰って子供ができます。
すると私の持つ遺伝子は祖父母から四分の一ずつ
受け継いでいることになります。

ま、何を今更の話ですが幸兵衛さんが噛まれた話で
私は十年近く前、近所の気違い犬に噛まれたことを
思い出しました。
場所も同じく足の親指。
同じところを噛まれちゃう遺伝子があるかも。

何針も縫ったのに犬の飼い主はミカンと缶ビールの中を
6本でお済ませになられた。
以後は近所で出会っても向こうが避けてゆきます。

どうも飼い主の文化が犬に「遺伝」していたようです。
近所に聞くと噛むので有名なワンコだったそうで。


幸兵衛さんは本当は「こごと」タイプではなく
グチるほうでした。

父方の祖母は、クール、料理上手、
人の好き嫌いが激しい。

母方の祖母は、自分でできることをしっかりする。

母方の祖父は、私が生まれる前に亡くなっていますから
どんな遺伝子を貰ったか不明です。

私はこれらの人から1/4ずつを受け継いでいるのですね。
思い当たることも多くありそうです。


我々の細胞には核などの組織がいくつも組み込まれて
いますが、その一つにミトコンドリアというものが
あります。

細胞でのエネルギー工場の役割を果たしています。
大変、興味深い組織ですが、このミトコンドリアの
DNAに限って父母から半々ずつもらうのではなく
100%母から受け継ぎます。

従ってミトコンドリア由来の遺伝性病気があれば
母から引き継ぎ、父がどうであろうと関係ありません。
逆にミトコンドリア由来の生命力も母から。


私の好きな映画ベスト5を選べば必ずタルコフスキー
の『鏡』が入ります。

冒頭近くでしょうか。
少年が農場の柵に腰をかけ、草はらを眺めています。

青々とした草が気持ちよく風になびいているのを
少年はただ黙って眺めています。

そうしてこれは大人になった主人公が少年時代を
思い出しているのだと後になって分かります。

画面から甘美な哀しい空気が伝わってきます。

少年時代を思い出すということは、彼にとっては
若く美しく無限に優しかった母を思い出すことでも
あるのです。

男性がみなひとし並みにマザコンであるのは
ミトコンドリアの遺伝子が関係しているのでしょう。


私が下手な俳句を始めたごろ、やっとできた20句を
母にデディケイトしました。

母はしばらく眺めていましたが
「私にはよく分からん」

がっくりきましたが、もともと本など読まない母です。
俳句などには興味がないのだろうと思いました。


母が急死して私が遺品の整理をしました。
時間がかかるものですねえ。

写真の一枚、葉書の一葉も見入ってしまいます。

或時に手帳を整理していると、中に母の自作の短歌が
書きつけてありました。
そんなことをするタイプだとは全く思っていなかったので
大変に驚きました。
(上手ではないけれど気持ちがこもった歌でしたね)

私が突然に俳句や和歌を書き始めたのは
母の遺伝子からであったようです。


「私にはよく分からん」というのは今思うと
私の句作が下手だと云えなかったのでしょう。

これも親ごころ。


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