やる気(その2)親がコダワリを捨てれば子はやる気になる

2006-08-10 11:14:50 | やる気
「やる気」に関していくつか述べます。


成績が良ければやる気が出る、という子がいます。まあ当然といえ
ば当然、そんな子も多いだろうなと思いますが物足りないですね。

そこには自発的なエネルギーが感じられないからです。
「やる気」の原動力になるという、その成績をどう上げるか、大切
なところが未解決ですから。
一種の、鶏と玉子の関係かな。

「やる気」に成績は根本的な解決にはなりません。
成績が下がるとやる気も失せる、というのでは、本当の「やる気」
であったのかどうか、疑問が残りますね。

成績は「やる気」と関係もあるでしょうが、気持を支えてくれる
条件のひとつなのですね。


親子で、とことん話し合って納得を得る、などという解決法もあり
ます。最近は少なくなっているような気がしますけれども。
親とのおしゃべりは増えても、話し合いは少ない・・・

少なくなったとはいえ、ご家庭できちんとお話をされているという
こともしばしば耳にします。

逆にそれと一見似てはいても、親子でよく話し合った、と仰るワリ
には案外と甘い段階で済ませていた、ということも多いようです。
正直な感想で失礼ではありますが「とことん、ってその程度?」と
思ったこともあります。
中には「とことん」話して「記念受験」なんて方もおられました。

話し合う、ことはとても大切なことですが、場合によってはしっか
りと話し合うこと自体が大きなプレッシャーになる事があります。
したがって、これも特効薬的解決策とまでは言えないようです。


私が進学塾に勤めていた頃の話です。
その塾は、現在はちょっと元気が無いので残念ですが、一時は広島
の二大受験塾の片方でした。かなり長く続いたと思います。

広島県は戦後異常とも言えるほど中学受験が盛んになりました。
その中でY塾といえば、ナラシタものでしたよ。

その頃、生徒の保護者にはお医者さんも多かったようです。
子供に医者になって欲しい。そのため進学校へ行かねばならない。
それならば進学塾から。

大きな期待を背負って中学受験をし、運悪く結果がでない、そんな
生徒が引続き中学部で高校受験を目指す、というのもありました。
そのプレッシャーは相当なものです。

けれど、強烈な受験勉強をし、あげく不合格だったわけで、中学生
にもなると素直に「医学部に行く」などとは言いづらいのです。
親がいくら「とことん」話をしても、子供は動けません。
塾にだけは行く、ならばまだ良い方だったかもしれません。

こういうときの成功例を申し上げます。
親が医学部進学を諦めるのです。
「分かった。もういいからあなたの好きな道に進みなさい」

すると、しばらくして、数ヶ月とか後に
「勉強はきちんとする」とか「医学部にいってみる」などと
子供の方から言うのです。ぼそっと。

これは一例だけのことではなく案外と数の多かったことなのです。

もちろん、親が子の将来を全く諦めて放り投げるのではダメです。
親のホンネである熱き心は失わず、しかし子供の意思を尊重すると
いうスタンス、これが「やる気」を引き出したわけです。

反対にうまくいかないケース。父親と息子の間で時折あります。
普段は会話のチャンスが少ない分、真面目な話になると真剣さ同士
がぶつかることがあるのです。高校受験くらいが多いでしょうか。

論理ではたいがい父親が勝ちますので、追い詰められて行き場が
無くなった子供は伝家の宝刀を抜きます。いや、父親がそうさせ
てしまうという方が正解かもしれません。

「別に高校に行かなくていい」とか「○高でいいじゃん」とか。
「学校の先生は人間の価値は学歴ではない、といってる」とか。

いったん抜くとこの年頃ではうまく納めるすべを知りません。
そのまま振りまわしますから、危ないのなんの。

親の熱き心の伝え方も難しいものですね。

なお、刀は納めるときも気をつけないと怪我をします。念のため。



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