心の暗部は測れない。

研修で「医師の自殺」について触れていましたが…。

私がMR時代に自殺されたのは1人だけでした。

しかし、どう見ても自殺するような先生ではなく…。

体もガッシリした、優しい感じのする先生だったことを覚えています。


私のいた会社では「常用〇薬集」という本を出版していました。（平成22年。第41版にて休刊。)

その本の巻末に、「刻印で薬を逆引き出来る付録」が付いていて…。

その付録だけ製本したものを景品として作っていたのです。

その某先生が私に…。

「あの本はないか。」と言われ…。

私が手渡したのですが…。

大そう喜ばれて他の先生にも「この本は良い本だ。貰っておくといいよ。」と言われました。


その後、先生は大学に戻られ…。私も岡山に転勤。

もうお会いする接点はなかったのですが…。

ある先生が私に「あの先生は自殺したよ。」と言われ…。

「大学に戻ってすぐだった。」


私には、あの本を手渡した時の喜びようが頭にこびり付いており…。

「まさか。」という感じでした。

あの先生の心の中に、私が知る由もない暗部があった…。

おそらく、誰1人として測ることのできない暗部だったのかも知れません。