雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

岩屋寺

2008年08月01日 | 京都散策
山科の西の外れ
岩屋寺はひっそりとした佇まいを見せる寺
別名、大石寺とも言われ
大石良雄が山科で暮らした折
ここに住まいを設けたことで知られています

   

参道横にある鳥居
稲荷大神を祭っています

    

創建は平安時代とも云われていますが
寺伝が焼失している為
詳しい事は不明

       

解かっているのは創建当時は天台宗の寺院だった事
比叡山三千坊の一つだったそうだが
現在は曹洞宗永平寺派天寧寺の末寺
寺号を神遊山金地院と称している

        

ここは赤穂浪士とも縁が深い寺院
大石良雄がここに隠棲した事で知られている

大石良雄は赤穂藩断絶の折
それまでの昼行灯の評価が嘘のように藩内を纏め上げ
開城に至るまで奔走する事になる

   

元禄14年3月28日に赤穂藩へお家断絶の情報が伝えられ
城の明け渡しが行われたのは4月19日
僅か23日間
この間に、篭城殉職派の思いを押し留め
紙くずになるであろう藩札を現金に換える

    

大石良雄が赤穂を去ったのは6月25日
その後、移り住んだのがここ山科
大石家の親戚
進藤源四郎の一族、進藤長之が治めていた為移り住んだと言われている

   

赤穂藩再興の夢が途絶えるまでの一年間
彼が居宅を設けたとされる岩屋寺

      

今日はそんな影は微塵も無く
ただ
大石良雄の辞世の句のみが
聞こえてくるようです

        

あら楽し 思いは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし

    




さて
岩屋寺には隣接する神社があります

    

岩屋寺の南横
急な坂道を登ること約50m

宇多天王の勅命で創建されたと伝えられている神社

   

神社はひっそりと静まり返っています
訪れる人もない神社
拝殿も質素そのもの

   

子供の頃に遊んだ境内を思い出す
そんな素朴で質素な神社です

   

岩屋寺に出掛けた折には
是非訪れてみてください
きっと昔の情景が思い出されることでしょう

        
コメント (10)
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