ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

15戦目のハセツネ【後編】

2013年10月17日 | 大会レポート



第2関門・月夜見駐車場。全部水で1.2リットルほどハイドレに、残りはコップで飲み干す。
ブルーシートに横たわる選手が多いけど、少しでも先へ進んでおきたいのはいつもと同じ。座り込まず即スタート。
毎年おなじみのコースだけど、ここから御前山までが一番苦手というか嫌な区間だ。
そんな風に思っていたら、これ見よがしに力がガクッと落ちて来た。ヒーコラだ。
わかっちゃいるけどダミーのピークにあえぐ。御前山ではこりゃいかんと肚をすえてベンチで横になる。両脚を上げてブラブラ。満天の星空をじっと眺める。思い切って10分くらい休むつもりもあっという間に寒くなって3分で切り上げ再スタート。
やや冷えた筋肉はダメージを思いっ切り訴えてくる。下りがつらくなってきた。
寒いので痛いのを我慢して動き続ける。ようやく汗ばんできて復活。今は亡きヤマジャンさんと一緒に競り合いながら下ったことなんかを思い出していた。
大ダワでtomoさんの檄を受けスイッチオン。稼ぎ所の区間だ。よっちマンに追いついた。声をかけて一緒に大岳山を上る。いいペース。大岳山からはもう一段ギアを上げて一人旅。後ろにも前にも灯りが見えない。夜の山を走るレースはこれでなきゃ。シーンと静まりかえった奥多摩の山中。自らが発する音のみ。練習が出来なかったとか体調が云々とか言っても、とにかくこうして元気に走れること、本当にそれだけで十分に幸せじゃないか。
岩石園上の水場が近づき、ようやくヘッドランプがチラホラ。ここでの給水は命の水。一昨年、ハイドレパンク事件の年、脱水症状が醜く、月夜見でもらった水が飲めずにさらにひどいことになっていた体が、ここでの給水で何とか持ち直したのだ。
今年は早くはないし、十分バテも来ているけど、まだまだしっかり走れる。そう言えば、1時間を超えて走るとあんなに気になっていた腰の痛みも事前のテーピング(by 妻)のおかげで忘れていた。

第3関門・長尾平。もちろん女将さんの超元気な声援に迎えられて通過。どうやら12時間台のゴールが確実となった。
勢いを消さぬよう走り続ける。スピードはイマイチだけどちゃんと走れる。日の出山の上りに差し掛かる頃、抜き去ってきていたよっちマン登場。頑張りましょう!と颯爽と力強い足取りで走り去ってしまった。上り階段ヨレヨレ。

日の出山からの夜景は今年も見事。ゆっくり眺めていたいところだけどそれはまたの機会に。

ラストをしっかり締めくくらなきゃ。
金比羅尾根の前半は一人旅が続いたが、半分を過ぎた頃から勢いを吹き返した選手が次々と追い抜いていった。
自分も徐々にスピードアップ。だけどあえぎともうなりとも区別の付かない声が漏れる。けっこう苦しいのだな、自分。
あと5km看板通過。もう一踏ん張り。と、またまた前方によっちマンだ。残り3km程かな。声をかけつつ一気に抜き去る。今度は力を抜かない。もし着いてきたら一緒にゴールだな。そんな感じ。
iPhoneの電源をオン。金比羅神社通過。激坂が足に堪える。大腿四頭筋は完全に破戒されている。山足を作らずにスタートしたのだからそんなことは百も承知。ここはこらえて15回目の記念すべきゴールはしっかり走り抜けよう。
今年はなんと仕事を終えてから三女・結がゴール応援に来てくれているのだ。昔、佐渡のトライアスロンでメロスをやってしまったことがあるから、その二の舞は絶対に避ける、いや避けられた。
住宅街に出たところで妻に電話。今年は1秒で出た。去年の失敗があるからな(こちら)。今年は長尾平で根回し(女将さんにメール連絡してもらう)もしておいたのだ。

後ろから一人すごいスピードで追ってきた。よっちマン?いや違った。どうぞ。
そして、いよいよフィナーレの時だ。最後の角を曲がる。ゴール地点で迎えてくれる大勢の人垣が目に入った。と、その途端、右後方に突然ヌッと現れたのはまだまだ後ろのはずだったよっちマンだ。
よく追い上げたなぁ。さ、今年は一緒にゴールしようか。
そんな優しい言葉をかけようと顔を見ると、、、マジだ。その瞬間、50m走の号砲が鳴った。
ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ。面白いように足が動く。こんなことは滅多にない感覚だ。スプリンターよっちマン相手に堂々たるもんだ。だけどここまで追い込んできたよっちマンより、ほんのちょびっと力が残っていた。ゴールに飛び込む。やったぁ~。同タイム、胸の差。
 
最後の最後、ほんとの最後にでっかい演出を用意してくれたよっちマンに、感謝感謝。
【↑スプリント写真はyahushigeさんより】

こうして、永年優先エントリー権ゲットの15回目のハセツネは、とっても美味しい「史上最速ゴールスプリント」で幕を閉じたのだった。
【初応援に駆けつけてくれた三女と】

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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (4)
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