【58歳57日目の朝】
母が生きた年月に並んだ昨日、どこかで指折り数えてこの日を待ち望んでいたかのような私には、長いこと会っていない威勢のいい母がそこにいて、久し振りの笑顔で迎えてくれたような気がしました。
「直人、よくここまで来たじゃない。さ、行きなさい、もっと」
そう言って、ドンと背中を押してくれる変わらない母がいたのです。
べらぼうに気が強く、怖くて優しい母は、いつも私を叱咤し、褒め、励ましてくれました。
今日、10月31日、58歳と57日目。
母が見ることのなかった時空へと足を踏み入れました。母が味わうことのなかった世界をしっかりと見るための朝がやって来ました。
人生第2ステージの開幕です。