十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

言葉

2011-07-30 | Weblog
    雀つぎつぎもんどりうつて冴返る     菅原鬨也

「俳句」8月号、『詩といのち』ー言葉の可能性をめぐってーと題して、柳田邦男×細谷亮太の特別対談の中の紹介句の一つだ。大震災という凄惨な状況の中で、俳人としての自分を取り戻した時、もう一人の自分がいて、世の中を見ている。これぞ俳句だという細谷氏。一方、雀をメタファーとして自分がもんどり打つような驚天動地を詠んでいるという柳田氏だが、ある距離を持って自分を見ることができたとする点では同じのようだ。「俳句、短歌、詩など表現手段を持っている人は強い。それは立ち直りも早いということだ」「カオスの中にいる自分を見るもう一人の自分。そこから自己否定的ではない時間がはじまっていく」という柳田氏の言葉が印象的だった。(Midori)