夢の数ほど睡蓮の咲きにけり 岩岡中正
「睡蓮」という漢名が活かされた「夢」ではじまる一句。「夢の数ほど」という、抽象的でありながら具体的な「数」への飛躍は、睡蓮の咲く水面へと映像が広がって行く。きっと、それ程多くの睡蓮が咲いていたのではないだろう。だからこそ、「夢の数ほど」だったのだと思われる。「咲きにけり」の断定が、現実の睡蓮の輪郭を鮮やかなものにしている。「阿蘇」7月号より抄出。(Midori)
「睡蓮」という漢名が活かされた「夢」ではじまる一句。「夢の数ほど」という、抽象的でありながら具体的な「数」への飛躍は、睡蓮の咲く水面へと映像が広がって行く。きっと、それ程多くの睡蓮が咲いていたのではないだろう。だからこそ、「夢の数ほど」だったのだと思われる。「咲きにけり」の断定が、現実の睡蓮の輪郭を鮮やかなものにしている。「阿蘇」7月号より抄出。(Midori)