菜飯

　　　川音の中のくらしや菜飯炊く　　　坂本あかり

「川音の中のくらし」とは、四季折々の自然に囲まれた暮しということだ。
小鳥の囀りに目覚めれば、やわらかな川音が迎えてくれる。
恵まれ過ぎた物質社会の中で、時として季節感さえ失ってしまいそうな現代。
しかし作者の暮らしには、春になれば、近くで採れる山菜があり、
その素朴な味わいを心から愛しむことができる作者なのだ。
「阿蘇」７月号より抄出。(Midori)