妻とゐて冬あたたかと思ひけり 岩岡中正
堂々たる妻恋の句であるが、妻と共に歩んだこれまでの歳月があればこその境涯句である。「冬あたたか」は、物理的なあたたかさというより、感覚的なあたたかさであり、別々の事をしていても互いの信頼感は揺るぎないものなのだろう。「冬あたたか」という季語が最大限に活かされた一句であり、これ以上の観賞は野暮というものだろうか。「阿蘇」2月号より抄出。(Midori)
堂々たる妻恋の句であるが、妻と共に歩んだこれまでの歳月があればこその境涯句である。「冬あたたか」は、物理的なあたたかさというより、感覚的なあたたかさであり、別々の事をしていても互いの信頼感は揺るぎないものなのだろう。「冬あたたか」という季語が最大限に活かされた一句であり、これ以上の観賞は野暮というものだろうか。「阿蘇」2月号より抄出。(Midori)