村上春樹の『騎士団長殺し』を読み終えた。題名からは想像もできない内容だったが、やはり一種のファンタジー。現実と非現実がどこかでリンクしている設定は、いかにも村上春樹ワールド。情景描写というより、人物描写の方に重点が置かれて、個性的な人物像が浮かび上がる。しかし彼らは、誰も現実的でなく、真実を明かされることはない。終盤、主人公の妻、ユズの言葉に、「もしそうであれば、それはなかなか素敵な仮説だと思うわ」がある。現実とか真実よりも、「仮説」で生きる「私」という主人公に、どこか共感を覚えた。
主人公の「私」には、村上春樹の息遣いが感じられるし、頻繁に出てくる、「特に・・・」という台詞には、彼の何かに固執しない性格の表れではないかと思われる。「かもしれない」の多用にも、さまざまな「仮設」の提示なのだと思われた。(Midori)
本は、町の図書館に予約し、2週間の貸出期間だったので、このところ読書が私の生活の最優先課題でした。
主人公の「私」には、村上春樹の息遣いが感じられるし、頻繁に出てくる、「特に・・・」という台詞には、彼の何かに固執しない性格の表れではないかと思われる。「かもしれない」の多用にも、さまざまな「仮設」の提示なのだと思われた。(Midori)
本は、町の図書館に予約し、2週間の貸出期間だったので、このところ読書が私の生活の最優先課題でした。