朧より身一つ入れて自動ドア 梅本伸子
「阿蘇」7月号 〈雑詠〉
「朧」という、掴みどころのない朦朧とした春の現象に、わが身の輪郭も何だか、
ぼやけてしまいそうだ。そんな朧からやって来て、自動ドアの前に立つ作者だ。
すべて朧かと思えば、自動ドアは難なく開く。コンビニの自動ドアは、何かを
求めてやってくる一人ひとりに、同じように開閉を繰り返す。再び、自動ドアより、
身一つで朧に出てゆく作者なのだ。一瞬を切り取った作品でありながら、どこか
幻想的な想像が膨らむ。(Midori)
「阿蘇」7月号 〈雑詠〉
「朧」という、掴みどころのない朦朧とした春の現象に、わが身の輪郭も何だか、
ぼやけてしまいそうだ。そんな朧からやって来て、自動ドアの前に立つ作者だ。
すべて朧かと思えば、自動ドアは難なく開く。コンビニの自動ドアは、何かを
求めてやってくる一人ひとりに、同じように開閉を繰り返す。再び、自動ドアより、
身一つで朧に出てゆく作者なのだ。一瞬を切り取った作品でありながら、どこか
幻想的な想像が膨らむ。(Midori)