十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

「阿蘇」1月号

2021-12-29 | Weblog
明月や森より出づる獣たち
神々のそぞろ歩きや野の錦
髪きゆつと束ねて仰ぐ十三夜
瑠璃色の太初の空や鵙の贄

*「阿蘇」1月号、岩岡中正選

【選評】 なかなか楽しい幻想的童話的な物語の一句。これもまた、「名月」の季語が十分に利いている句であって、その季語世界をさらに拡大した一句。どこかになつかしさも漂う。

これらの句はどれも小さなわが村の景色を詠んだもの。人の数より猪の数の方が多い、など笑えない話も聞かれます。小高い山を登り切れば、頂上には、小さな神社があって,じゃらんじゃらんと鈴を鳴らしては、祈る言葉はいつも同じです。(Midori)

「阿蘇」12月号

2021-12-04 | Weblog
鉄柵に微弱電流曼珠沙華
種種を活けて一間の子規忌かな
鬼の子の蓑千年の御神木
遠来の友の如くに初もみぢ

*「阿蘇」12月号、岩岡中正選

【選評】 知に走らずどこまでも感覚を研ぎ澄まして得た一句。まるで「微弱電流」が走っているような赤の連続の曼珠沙華。新しい感覚による新しい曼珠沙華の一句である。(中正)

コロナ禍にあっても、マスクなしで出かけることが出来る自然が、すぐそばにあるということは、本当に僥倖であった。5000歩を目標に歩く日日の暮しに飽きることがなかったのも、実に俳句のお蔭。感謝。(Midori)