胸中に何かはじまる野分かな 岩岡中正
「大いなるもの」と詠んだのは虚子だが、野分は、何かしら自然の造化の大きな力を感じるものだ。いつもは穏やかな作者の胸中に、ふと生じたものは、「何かはじまる」という予感。それが何であるかは、もちろんわからない。しかし、何かがはじまるということが、一番重要なのだ。自己の内面に生じた野分にも似た感情は、未知の不確かなものへの昂揚感だ。「阿蘇」11月号より抄出。(Midori)
「大いなるもの」と詠んだのは虚子だが、野分は、何かしら自然の造化の大きな力を感じるものだ。いつもは穏やかな作者の胸中に、ふと生じたものは、「何かはじまる」という予感。それが何であるかは、もちろんわからない。しかし、何かがはじまるということが、一番重要なのだ。自己の内面に生じた野分にも似た感情は、未知の不確かなものへの昂揚感だ。「阿蘇」11月号より抄出。(Midori)