水買ふや風のいとまの雪ばんば 鈴木要一
それまで、いくらかの風が吹いていたのだろう。ふっと風が止んだ一時を、「風のいとま」と表現されて、詩情深い。雪ばんばの呼称も、昔話に出てきそうな親しみが感じられて、穏やかな日和を思わせる。さて、「水買ふ」という措辞に、少し遠出をしている作者が想像されるが、雪ばんばの棲む里に現代を持ち込んだような感覚を覚えてユニーク。「滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
それまで、いくらかの風が吹いていたのだろう。ふっと風が止んだ一時を、「風のいとま」と表現されて、詩情深い。雪ばんばの呼称も、昔話に出てきそうな親しみが感じられて、穏やかな日和を思わせる。さて、「水買ふ」という措辞に、少し遠出をしている作者が想像されるが、雪ばんばの棲む里に現代を持ち込んだような感覚を覚えてユニーク。「滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)