ロープ一本涅槃図の慟哭を吊る 荒牧成子
ロープ一本が、「涅槃図」を吊っているのであれば当たり前だが、「涅槃図の慟哭」を吊るという大胆な把握が見事である。「ロープ」の即物的な素材と、「涅槃図の慟哭」という異質な取合せでありながら、人々や動物たちの慟哭が、一つに吊られる様に、大きな詩情が感じられた。意表を突く視点によって詠まれた作品に、作者の力量の大きさを実感。「阿蘇」6月号より抄出。(Midori)
ロープ一本が、「涅槃図」を吊っているのであれば当たり前だが、「涅槃図の慟哭」を吊るという大胆な把握が見事である。「ロープ」の即物的な素材と、「涅槃図の慟哭」という異質な取合せでありながら、人々や動物たちの慟哭が、一つに吊られる様に、大きな詩情が感じられた。意表を突く視点によって詠まれた作品に、作者の力量の大きさを実感。「阿蘇」6月号より抄出。(Midori)