十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

胡瓜蒔く

2020-08-25 | Weblog
胡瓜蒔く棲みにくき世の片隅に
一草のやうに吹かるる子蟷螂
空よりも碧く翡翠の一閃
あをあをと風の眠れる新樹の夜

*「阿蘇」8月号、山下しげ人選

今年は、コロナ禍による外出自粛のため、することもなく、庭のあちこちを耕して夏野菜の苗を植えた。胡瓜はその一つ。しかしこの猛暑、例年の元気はないが、収穫の喜びは同じ。子蟷螂は、大きくなって昨日、わが家の壁にじっとしているのを見つけた。(Midori)

天の川

2020-08-23 | Weblog
「天の川」あるいは「銀河」は、無数の星の集まりであるが、夜空を流れる川をイメージして命名されたことにより、私たちは限りないロマンを感じることができる。季語の持つ物語性を生かしながら詠みたいもの。(Midori)

    源流は黄泉の国なり天の川     *中正選 in NHK、C

魂祭

2020-08-19 | Weblog
残暑というより猛暑!「命の危険を感じる暑さ」だとか・・・。そんな中、父の7回忌と母の23回忌の法要を終えた。住職はマスクをしての読経。お盆最中の繁忙期でもあり、コロナ禍へのご配慮なのか15分ほどで終了。延期すべきかどうか迷いに迷った挙句であったが、父母の供養が出来たことに感謝。(Midori)

   ふる里の風のこゑ聴く魂祭

「阿蘇」8月号 ☆コロナ禍Ⅱ

2020-08-12 | Weblog
ウイルスと戦ふ地球夏の月      宗像和子
祈ること多き地球や春は逝く     西美愛子
社会的距離にパン買ふ街薄暑    本田久子
つばくらの自由我らの自粛かな    南野幸子

コロナとの共存、WITH コロナ、新たなライフスタイル etc.
あまりにも便利な世の中になり過ぎたのでしょうか?(Midori)


「阿蘇」8月号 ☆コロナ禍

2020-08-07 | Weblog
ウイルスに揺らぐ地球や蝌蚪の紐    木村佐恵子
梅の漬け方コロナ禍の過ごし方      真弓ぼたん
会へざれば深まる絆聖五月        米原淑子
万緑に人は小さく籠りゐる         和田節子
韮粥を啜つて籠もるウイルス禍      林田ぶし

今月号の誌面を占めているテーマは、やはりコロナ禍である。「コロナ禍」という暗黙の了解を要する句もあるが、根底にある不安感はどれも同じ。季語に託して、不確かな感情を詩に変えている力量は流石である。(Midori)

「阿蘇」8月号 ☆籠

2020-08-03 | Weblog
神々も籠れるおぼろ月夜かな
馬の背のやうな起伏や薬狩
眉太く描いて出てゆく街薄暑
籠城の如き一村若葉冷

*「阿蘇」8月号、岩岡中正選

「座の文芸」であるはずの俳句だが、このところ「一堂に会する」ということが難しい状況が続いている。SNSによるネット句会を開催し、句会らしい臨場感を味わったりしているが、句友の笑顔に会える通常の句会には遠く及ばない。せめて独り善がりの句にならないように、心がけたいもの。Midori)