十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

「阿蘇」5月号 Ⅲ

2021-05-20 | Weblog
うたたねの旅は巴里まで日脚伸ぶ     えとう美冴

「うたたねの旅」という措辞がとても新鮮!「旅」と言っても、その旅は一時間も満たない旅である。「巴里まで」という日常を超えた想像が、春への期待に繋がって、楽しい一句である。(Midori)

「阿蘇」5月号 Ⅱ

2021-05-15 | Weblog
園を歩す春の女神に手を引かれ   矢田 節

「春の女神」と言えば、佐保姫。美しい春の女神に手を引かれれば、日頃の疲れや痛みも忘れ、どこまでも歩いていけそうだ。物語の一場面を思わせる美しくて、どこか儚さを感じさせる句。 (Midori)

「阿蘇」5月号

2021-05-05 | Weblog
乾坤の水音ひとつづつ凍る
月の夜のきらりと刃めく氷柱
手鏡の中の余寒を拭ひけり
春寒の縫針ちくと指を刺す

*「阿蘇」5月号、岩岡中正選

「凍る」「氷柱」「余寒」「春寒し」、どれも兼題から創作した句である。兼題の利点は、偏りがちな季語や素材が広がる事である。お蔭で思いがけない作品もできたかなとも思う。初めて、マスクの手づくりに挑戦したが、手縫いである。マスクの出来はさておき、一句手にしたことは大きな収穫♪。(Midori)