うす目してあの世この世や竈猫
初氷星のささやき蔵しけり
しあはせのまん中に置く炬燵かな
ポインセチア心に灯る星ひとつ みどり
*「阿蘇」3月号、岩岡中正主宰選
「竈猫」というユーモラスな季語があるが、これが「うす目」してうつらうつらと「あの世この世」の間を行き来しているというのも、楽しい。実は猫を見ている作者も次第に竈猫となってうす目となってゆく。どこか世の中を斜交いに見ている漱石の猫の視線を思わせる一句である。(雑詠選評より)
初氷星のささやき蔵しけり
しあはせのまん中に置く炬燵かな
ポインセチア心に灯る星ひとつ みどり
*「阿蘇」3月号、岩岡中正主宰選
「竈猫」というユーモラスな季語があるが、これが「うす目」してうつらうつらと「あの世この世」の間を行き来しているというのも、楽しい。実は猫を見ている作者も次第に竈猫となってうす目となってゆく。どこか世の中を斜交いに見ている漱石の猫の視線を思わせる一句である。(雑詠選評より)