十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

桜❀

2020-03-29 | Weblog


熊本県下、新型ウイルスの拡大阻止のため、不要不急の外出自粛要請が出される中、近くの大津山阿蘇神社では、桜がほぼ満開を迎えている。家族連れなど、コロナから一時解き放たれたかのような静かな賑わいを見せているが、先の見通しがない不安感は皆同じ。(Midori)

     花に佇つ建磐龍命かな     *タテイワタツノミコト=阿蘇神社の祭神

「阿蘇」3月号 ☆風邪心地

2020-03-26 | Weblog
また少し蔵書手放し風邪ごこち      高橋満子

「蔵書手放し」という自分の意志でありながら、寂寥感を伴う措辞に、「また少し」である。その空虚感を「風邪ごこち」という季語に託されて見事である。「日常が詩となる」ということを改めて感じられた作品である。例会でも、一番に頂いた一句。(Midori)

囀り

2020-03-22 | Weblog
熊本県北、玉名市の桃田公園での久々の吟行!桜の開花はまだまだというところだったが、少し脇道に入ると春の草花が迎えてくれる。珍しい花を誰かが見つければ、あれこれと観察し合うのも吟行の楽しみの一つ。いろんな鳥の囀りにも、心弾む一日だった。会員減少のため、この小さな句会は本日をもって閉会となった。(Midori)

   さへづりの舞台となれる一樹かな

「阿蘇」3月号 蜜柑

2020-03-16 | Weblog
いづくより来たるさみしさみかんむく     米原淑子

「いづくより来たるさみしさ」と、「みかんむく」との間の詩的隔たりに、無言の「さみしさ」が感じられる一句。古語の持つ詩情と、現代的な「みかんむく」の取合せが何とも魅力的。(Midori)

薺の花

2020-03-13 | Weblog


スマホをポケットに、薺の花を探しに出かけたが、なかなか見つからない。あっても細くてとても頼りない風情。薺の花の群生に出会ったときの嬉しさは言うまでもない。(Midori)

   せせらぎのやうな大空花なづな      *中正選  in NHK


菜の花

2020-03-10 | Weblog


春耕前の田は青みはじめ、畔には菜の花。その向うには墨摺川があり、長い轍は、格好の散策の場所。我が家の周りには、新型ウイルスとは無縁の自然が広がっています。(Midori)

   大空へつづく轍や花菜風

「阿蘇」3月号 春寒

2020-03-06 | Weblog
誰もまだ知らぬウイルス春寒し    岩岡中正

「新型」という言葉に、漠然とした不安感を抱いていたが、今でははっきりとした恐怖に変わった。メディアの情報に誰もが過敏になり、自治体も公民館活動の中止、使用禁止を決定した。すべての地域の活動が中止になる中、今日は、この機会に本を借りてこようと町の図書館に行くと、ここも「休館」。日頃2、3人ほどの利用者しか見かけない小さな図書館であるにも拘らず、一律な対応に唖然・・・。一日も早い収束を祈るのみ。(Midori)

「阿蘇」3月号☆

2020-03-01 | Weblog
セーターの気儘な旅でありにけり
をちこちに鴨が陣解く日和かな
火の礫吐きたる山も眠りをり
十二月父のごとくに遠嶺星

*「阿蘇」3月号、岩岡中正選

平明で、一読で感動が伝わる句、そんな句を詠みたいと思うようになったのも、主宰の選や選評のお蔭である。自然のありのままの姿は、見るものを深く感動させるが、それを言葉にするのは難しい。じっくりと自然と向き合っていきたいもの。掲句、「セーター」の句は、最近の生活信条としての一句である。(Midori)