JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

出会いは新たな糧?

2009年07月09日 | y-その他

なんともハッキリしない空模様があいかわらず続いています。まっ梅雨なればしかたのないことではありますが、いくぶん豊満なスタイルの人といると、本人にもまわりの方にもあまり愉快なものではありませんので、もうすでに秋が恋しいバブ君であります。
えっ?「デブの汗」はもっと鬱陶しいって? だ・か・ら、秋が恋しいって言ってるでしょうが!(笑)

世の中話題は「マイケル・ジャクソンか、東国原か、橋本か」てな感じですね、私などはもうそろそろ鼻についてきていますけど。
ところでみなさんは初対面の方とどんな話題でコミュニケーションをとられますかねぇ?
ぞくに「政治、宗教、野球の話は御法度、天気の話なんぞが最も無難」てなこと申しますが、天気の話だけじゃ間が持ちません。じっさい日本人は初対面の方と話をすることがじつに苦手な人種らしいですね。
かくいう私もこれがまぁシャイで、初対面にはひじょうに弱い。
「え~~~~?!」
まぁまぁ、
ところが、ことこれに酒が絡みますってぇとじつに口が滑らかになったりするもんでありまして、「互いの職業すら、いや、へたすりゃきちんとした名前すら知らぬまま、その飲み屋さんだけでですが、じつに仲の良い関係になる」これは、酒飲みの特権、楽しみでもあります。
まして、同年代なんてぇことになりますてぇと、本や映画や音楽やら話に事欠かないんですねぇ、おのずと酒も時も進みが早かったりします。

「バブちゃん、ファラ・フォーセットが亡くなったけど、やっぱりバブちゃんもあの年代かね?」
「えっ?、まぁ年代ちゃ年代ですけど、あんまり彼女には興味はありませんでしたねぇ」
ある焼鳥屋のカウンターで、店のオヤジとそんな話をしていると
「いやぁ、素晴らしいねぇ、『ある愛の歌』」
と話に入り込んできたのは初見のお客さん。
「あ~~ライアン・オニールですか」
「そうそう、もう少し早くプロポーズしてりゃもっと良かったろうけどね。」
するとその隣のお客さんが
「でも、ライアン・オニールって『ある愛の歌』以外に何に出てました?」
ここに、初対面三人の話は始まるのであります。(笑)

じつはこれ、ちょっと前の話でして、昨晩たまたまその焼鳥屋へ行くと
「あっ、バブちゃん、これ預かってたんだ。」
と、オヤジさんが私に一枚のCDを手渡しました。
「???????あっ!『スティング』」

そうでした。その初対面三人組は、しばし映画の話題で盛り上がり、私お得意の映画『ひまり』の話から、ヘンリー・マンシーニに。やれ、『ティファニーで朝食を』の「ムーンリバー」も良かった、いやいや『シャレード』もいい、『酒とバラの日々』は捨てがたい、なんといっても『ピンク・パンサー』でしょ、てな調子で、映画音楽の話題になって、何故か『スティング』→ラグ・タイム→スコット・ジョプリンと話が進んだのでありました。

「そうだ、『スティング』で使われていた音楽の、しっかりしたレコードは持ってないって言ったら、CD貸してくれるって言ってたんだぁ」
なんと律儀な方でありましょうか、アテにもしていなかったのですが、
「ありがたやぁ」(笑)

以前もお話ししたでしょうか、映画『スティング』のおかげで、ラグ・タイムもスコット・ジョプリンも知らぬ世界ではなくなりましたが、じっさいは、ラグ・タイムもジャズ草創期に結びつく大きな要因音楽であるといった、じつに頭でっかちな知識しか無く、もっとその音楽自体に触れなければいけないと思う分野でもあります。

まぁ、その話は後々として、映画『スティング』の舞台はラグ・タイムが世を席捲した時代から20年以上後のシカゴ、時代錯誤の設定音楽ではあるわけで、脚本を書いたデイビット・S・ウォードはラグ・タイムを使うことに反対をしたそうですね。ところが監督のジョージ・ロス・ヒルは「そんなことを気にする人間は君の他に5人くらいしかいないよ。」と、音楽担当のマーブィン・ハムリッシュが提案した「からかうような雰囲気があって面白い。」(なんてったって詐欺師の話ですから)との意見を受け入れたってな事らしいんですが、これはつまり、爆発的人気をはくしたラグ・タイムは、その時代の一過性の流行であって、すでに多くの人に忘れ去られた音楽であったとの裏返しのようなエピソードであります。
ともかく私も、ジャズからではなく『スティング』から、ラグ・タイムを認識した一人ですから、ロス・ヒルには感謝すべきでしょう。

あれ?何でしたっけ?
そうそう、飲み屋で知り合う方々も、まるでラグ・タイムのように一過性のものかもしれません。でも、そこから回り回ってジャズが生まれたように、その出会いが自分自身の新たな糧となるやもしれない、私はそう思うんですよね。

さて、ということで、今日の一枚は、ちょっとばかり色気が違いますが、そのCDを紹介しようと思います。
スコット・ジョプリンについては、いつか熱く語ってみることとして、今日は単純にCD紹介だけにしておくことにしましょう。
ただ一点、昨夜、じっくりと聴いての感想を一つ、なんともノリは良くて気持ちいいんです。いいんですが、正直、飽きが早い音楽のようには感じます。
おそらくは、何ヶ月かに一回、いや、何年かに一回、思い出したように聴くとじつに心地よいCDではないかと、私は思います。

THE SCOTT JOPLIN COLLECTION

1.MAPLE LEAF RAG (1899)
2.THE EASY WINNERS (1901)
3.SUN FLOWER SLOW DRAG (1901)
4.PEACHERINE RAG (1901)
5.A BREEZE FROM ALABAMA (1902)
6.THE ENTERTAINER (1902)
7.BETHENA (1905)
8.EUGENIA (1906)
9.ORIGINAL RAGS (1907)
10.SEARCH LIGHT RAG (1907)
11.SUGAR CANE (1908)
12.SOLACE (1909)



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