JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

年に一度がそりゃよかろ

2009年07月07日 | d-f

いやはや暑いです。天気予報では曇りなんですが、う~~ん、晴れと言っても良いんじゃないですかねぇ、しかもなんとなく霞がかったような・・・つまり、湿度が高いんでしょう。うっとうしいったらありゃしない。(笑)
コンビニ弁当で昼食を済まし、阿弥陀堂の池の畔を、蓮の花見ながらゆっくり歩いただけで、どぉっと汗が出てきます。

どうせ晴れて暑くなるんだったら、もうちょっとカラッとなってくれりゃあいいのに。
こんな感じで夜を迎えてもおそらくは星を愛でるような空にはならないでしょうなぁ、しかも満月だっていうし、織姫も牽牛も可愛そうなこってござんす。

「バブさん、日本では何をするんですか?」
Mさんのお店のアルバイト、中国人留学生のYさんです。
「えっ?何が?」
「だから、明日、ユウ、ユウ、ナナ・・・・」
「あ~~七夕」
「そう、七夕」
「そうだねぇ、笹に願い事を書いた短冊を下げてぇ・・・・そんでもって酒を飲む、あはは、それは嘘かな」
考えてみれば、七夕の物語も元をたどれば、中国は漢の時代の『文選』という本にぶち当たるわけで
「本場の中国じゃ、特別な何かをするのかねぇ?」と私。
「う~~~~ん、そうですねぇ・・・・・・はら?バ????う~~ん、ローズ」
「ああ、バラ?」
「そう、バラを贈ります。男の人が女の人にバラを贈りますよ。」
「へぇ、そんな習慣があるんだぁ」
まっ、中国全土の習慣であるのかどうかは別としても、それぞれに織姫と牽牛の心は生きているようであります。

君が舟今漕ぎ来らし天の川霧立ちわたるこの川の瀬に

牽牛は牛をひく彦星で農耕を意味する星、織姫(女)は水辺で機を織りながら彦星を待つ棚機女(たなばたつめ)、衣装を司る星であります。(七夕の由来はこの棚機)
父の言いつけとはいえ、年に一度しか逢瀬を味わえぬ夫婦ってぇのも寂しいもんでありましょうなぁ。
えっ?そのほうが新鮮味があって良いんじゃないかって?
う~~~ん、それはあとの364日好き勝手に出来ればという条件付きですが(オイオイ)

ともかく、平安の御代から、二人の願いが叶うこの奇跡の日に、その奇跡をほんのちょっとだけ分けていただこうてんで、秋の竹(これは春の季語でありますよ)も落ち、若々しく葉の開いた今年竹を切り出し、里芋の葉から受けた朝露のしずくで墨をすって願い事をしたためた五色の短冊を、紙縒りで一つ一つ枝にぶら下げていくんでありますねぇ。

「どれどれ、○○ちゃんの願い事はなにかな?」
   * アイドルになれますように *
「ほほう、アイドルかぁ、ほんじゃ、○△は?」
   * ××レンジャーのベルトが欲しい *
「いいねぇ、子供らしくて」
   * これ以上給料が下がりませんように *
「なんだい、え、こりゃカーカーかい。当てつけかい」
「そういうあんたは何て書いたのさぁ」
「いや、オレのはいい、見なくていい」
「いいから見せなさいよ!・・・あら、欲張って3枚も書いてるじゃないの、なになに?」
   * 妖怪が若返ろうなんて無駄なことに金を使いませんように *
   * なるたけ妖怪の顔を見ずに済みますように *
      * できれば、妖怪以外にお友達ができますように *

「あんた!」
「あれ?やっぱり妖怪が誰だか分かっちゃった?」

織姫も毎日逢えば妖怪変化年に一度がそりゃよかろ

なんちゃって、
くだらないこと言ってないで、七夕素麺でもいただきましょうかね。


When you wish upon a star
Make no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

さて、今日の一枚は、以前紹介済みの重複アルバムです。
というのも「七夕ときたらやっぱ『星に願いを』でしょ」というのは自然な流れ、ビル・エバンスもフレディ・グリーンも考えたんですが、同じ重複ならこのケニー・ドリューにしようかなんてね。
さらに、このアルバムを紹介したときに、私の想いなんぞは一切触れなかったもので。

以前もお話ししましたが、私はこの頃のケニー・ドリューがとても好きで、あの独特の転がるような、それでいて繊細なピアノに高校時代は惚れ込んでしまったものです。
特に、今日のこのアルバムは、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズというリズム隊、そりぁニール・ペデルセン、アルバート・ヒースというバックも悪かぁないんですよ、悪かぁないんですが、この頃のドリューのほうが、なんだか夢中にピアノに向かっているというか、ともかく、力強いリズム隊に押し出されるピアノの響きは、なんとも美しい、これこそ私にとってもっともドリューらしいドリューなのであります。

美しさとは裏腹なもので、商業趣味に走ってそこだけを強調したところでタダの張りぼて、中身の詰まった演奏こそに、その美しさが際立つものなんじゃないか、なんてね。

お星さん、お星さん、願わくば、また私の心を揺さぶる多くの演奏に出会えますように。

THE KENNY DREW TRIO
1956年9月20日録音
KENNY DREW(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.CARAVAN
2.COME RAIN OR COME SHINE
3.RUBY, MY DEAR
4.WEIRD-O
5.TAKING A CHANCE ON LOVE
6.WHEN YOU WISH UPON A STAR
7.BLUES FOR NICA
8.IT'S ONLY A PAPER MOON



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2 コメント

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フィーリージョー (swing a-go-go)
2009-07-07 18:46:43
って、乗せ上手なドラマーですよね。ポールのベースなら足元も安定するし。
好きなだけはじけられる!という感じなんですかね~。
それにしても、今日は蒸します。
こんな陽気では、はすの花がひときわ可憐ですね。
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swing a-go-goさん (バブ)
2009-07-09 17:52:04
三人が、まるで一つのようになる、そんなピアノ・トリオも魅力はありますが、互いに刺激し合って、盛り上がる、これも魅力ではないでしょうか。
この頃のドリューには、そんな意気込みみたいなものを感じるのかもしれません。

あっとそれから、汗はかきましたけど、蓮の花はとても綺麗で癒されましたよ。
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