JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

先入観

2006年02月08日 | j-l


今週、ビデオのダビングもしなければいけないのに、そんな時に限って仕事がみょうに忙しいのは何故でしょうか? 昨晩など12時過ぎの帰宅となってしまい、ダビングどころかPCすら触れずに、寝てしまいました。

先日、れいの喫茶店で、おしゃべりをしたKさん、
「最初に聴いたのが後期だったからでしょうか、どうもコルトレーンがダメなんですよ」
とおしゃいます。
するとマスターが
「僕も、『アセイション』なんか、絶対聴きたいと思わないなぁ」
ここでKさんが
「バブさんは、どうなんですか?」
「そりゃあ...」
「だめだめ、この人にコルトレーンどうのこうの訊いたところで、コルトレーン信奉者だし、話が長くなるから」

(なによ、せっかく久しぶりに、コルトレーン話をドバーっとできると思ったのに、マスターの意地悪!)


でも、Kさんじゃないけど、「あれを聴いちゃったばっかりに、嫌いになっちゃった」っていうことはよくありますよね。
私の場合は、ハービー・ハンコックの「ヘッド・ハンターズ」とか、ビリー・コブハムの「皆既食」とか.....
そうそう、スティーヴ・レイシーの場合なんか、最初に聴いたのが「森と動物園」だったのですが、それからずいぶん長い間、彼の名前を探すことはありませんでした。
ですから、今日紹介する「ソプラノ・サックス」というアルバムも、ずいぶん後で聴いた記憶があります。
先入観は、いけませんね、このアルバム、私好みなんですよ。どうしてこのアルバムを「もっとはやく聴かなかったのか」私はそう思いました。

Kさん、コルトレーン苦手でも、マイルス・グループの時のは、聴くんでしょ? 先入観は持たないようにしようね、お互いに。

スティーヴ・レイシーは、シドニー・ベシュの「ザ・ムーチ」を聴き、ソプラノ・サックス奏者になる決心をし、当初はニューオーリンズ、シカゴといったトラディショナル・スタイルに入れ込んでいました。その彼が前衛へ進むきっかけとなったのは、セシル・テイラーのグループに参加したことが大きかったようですが、同グループでニューポート・ジャズ・フェスに出演したその年に、この「SOPRANO SAX」は録音されています。
このアルバムに、前衛の影は私には見えないのですが、どうでしょうか?
もちろん、曲がスタンダードであること、さらにウイントン・ケリーの参加で、そうとれるのかもしれません。
ともかく、この後、レイシーは、前衛の世界にドップリと浸かり、活動拠点をヨーロッパに移して活躍するのでありました。

SOPRANO SAX / STEVE LACY
1957年11月1日録音
STEVE LACY(ss) WYNTON KELLY(p) BUELL NEIDLINGER(b) DENNIS CHARLES(ds)
1.DAY DREAM
2.ALONE TOGETHER
3.WORK
4.ROCKIN' IN RHYTHM
5.LITTLE GIRL YOUR DADDY IS CALLING YOU
6.EASY TO LOVE