JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

誰も悪くない人災?

2008年10月23日 | g-i

今日は二十四節気の一つ「霜降」霜が降り始めるころ、というわりには何だか変に暖かい(?)一日でした。そのせいではないでしょうけど、なんだか体調が良いんでありまして、それもこれも昨晩飲み過ぎたおかげでしょうか。(笑)

冗談はさておき、またしても「妊婦のたらい回し事故」が起きてしまいましたね。しかも、我々の住んでいる田舎ではなく大東京でですか、まっ、じつに卑屈な言い方をすれば、田舎では回すにも回すほど病院が無いとも言えるのですけど・・・・

それにしても、医療体制は完全に崩壊が近づいているように思うのは私だけではないでしょう。今回の事にしても受け入れなかった病院が悪いだの、誰が悪いだのの問題ではなく、医療体制そのものの不備が露呈したにすぎないわけで、犠牲者の涙が虚しく乾くのを待てば全てがお終いといった事ではありませんよね。
「誰も悪くない人災?」
そんなことが起きて良いのでしょうかねぇ?
根本的に何処かが狂ってきているのですから、目先ではなく将来を見据えた対策を速急に整えていくべきだと思います。

さらには、今回のように小さな命が助かったことは一つの救いではありますが、残された御主人とその小さな命が今後生きていく上で、どれほどの苦労をなさるだろうかと思うと心痛むばかりです。
彼らをケアーできる社会体制があるかと考えると、そちらもいささか不安に思うのは老婆心でありましょうか?

子供を産むにも育てるにも大きなリスクのある社会、疲弊していく姿しか想像できないなんてじつに不幸なことですし、あってはならぬことなのでしょう。しかし、それが現実になりつつある、我々に何が出来るかと訊かれれば「こまめに電気を消す」てな単純な答えが出るわけもなく・・・・
う~~~ん・・・・そう、しいて言えば、思いやりを取り戻すことでしょうか。

私も若い頃、「親戚付き合い」とか「近所付き合い」といった昔からのコミューンを、うっとうしい、煩わしいと何処かで否定してきた一人であったように思います。
「自分さえ良ければそれでいい、俺は一人でも生きていける」
あの奢り高ぶりが現代のこんな乾ききった社会を作り上げてきた要因だとするなら、素直に反省すべきですし、一気に取り戻すことは不可能でも、一つ一つまた作り上げていく努力が必要なのでしょうね。

「よし、そうとなれば、どっかの誰かさんのように、高級ホテルのメインバーででも酒席を持って互いに理解を深めよう!!!」
って、だめだこりゃ

ともかく、妊婦、子供だけでなく、私にとってすぐ目の前に迫っている前期・後期高齢者への医療だってガタガタになりそうですので、しかるべきお立場の方々には、なんとか手当を急いで欲しいものだと思います。

さて、今日の一枚は、ジミー・ヒースです。
ジミーはバリバリのテナー奏者というより、名作編曲者とのイメージが、このアルバムからもうかがえますよね。(服役も含め6年というブランクがあったことも大きいですが)
以前紹介した「THE QUOTA」と同メンバーの演奏で、ヒース三兄弟そろい踏み「凡才じゃない兄弟が集まれば・・・・」このアルバムでも感じ取れます。

テナーの名作編曲者というとベニー・ゴルソンが私などは頭に浮かんでくるのですが、彼とジミーは全く違うように思えます。1965年からジミーが参加したアート・ファーマーのクインテットをジャズテットと比べると・・・・これは、後の話に取っておきましょう。

ドンと腰を据えて「さぁ、聴くぞう!」というタイプのアルバムではありませんけど、かけていてとても心地よいアルバムだと思います。
そうですねぇ、パンチの効いた肉料理ではありませんが、味の良いお漬け物みたいに飽きが来ない、そんな印象でしょうか。
ジミーの癖の無さが光る(?)このアルバムは、ここ何日間か聴き続けていたフリー・スタイル感覚を一度冷却してくれる格好の一枚かもしれません。(残念ながらCD所有です。)

TRIPLE THREAT / JIMMY HEATH
1963年6月7日録音
JIMMY HEATH(ts) FREDDIE HUBBARD(tp) JULIUS WATKINS(frh) CEDAR WALTON(p) PERCY HEATH(b) ALBERT HEATH(ds)

1.GEMINI
2.BRUH SLIM
3.GOODBYE
4.DEW AND MUD
5.MAKE SOMEONE HAPPY
6.THE MORE I SEE YOU
7.PROSPECTING