JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

遭遇『相撲の神』

2007年09月17日 | g-i

せっかくの三連休、閉じこもりばかりじゃ芸がないと、何処かに出かけようかとも思ったのですが、一人でドライブも寂しいし、たまにはスポーツなんて・・・・・
結局は行きつけの喫茶店に顔を出しただけでした。(笑)

「いやぁ、いいねぇ、給金相撲。」
常連のO氏がスポーツ新聞を見ながらつぶやきました。
「あれ?Oさんって、相撲好きだっけ?」とマスター
「何言ってんの、あたしゃ安美錦の後援会員だよ。」

私も知りませんでしたが、O氏によると今やインターネットで後援会に入会できるのだそうで、年会費一万円、各場所の番付表やカレンダーが郵送されてくるのだそうです。

「いやね、安美錦は同じ東北人だし、顔も可愛いし、応援してるわけよ。」
同じ東北人って、津軽出身だといいますから、かなり離れた地域の出身でありますし、可愛いって、「おいおい」みたいな(笑)

「俺は、最近相撲なんてぜんぜん観なくなっちゃったなぁ」と私。
若・貴あたりまではけっこう観ていた記憶がありますが、それ以降はとんとご無沙汰です。
「ダメだよなぁ、モンゴルだのなんだのって、外国人ばっかになっちゃって、日本人の情けなさに、俺も最近は観ちゃいらんなくて・・・国技なのにね」とマスター。
「ちっちっちっちっ、外国人だろうが日本人だろうが、相撲そのものを楽しめばいいわけよ、ねぇ。そんでもってひいき力士を見つければ楽しいんだから、それにね相撲は国技なんて何処でも決まった事じゃないんだよ。」
「えっ?相撲は国技でしょ?」

さすが40年以上も相撲ファンを続けていらっしゃるO氏であります、いろいろご存じでした。(「好きなものはとことん」こういう傾向は男性に多いそうでありますけど)
氏曰く、現在、正式に国技と定められている競技(スポーツ)は、厳密には無いのだそうで、明治時代に相撲が国技であったその事を未だに引きずっているだけなのだそうです。

O氏独演会はさらに続き。
「相撲の起源とは、そもそも神代の時代、タケミカヅチの葦原中国(あしはらのなかつくに)平定にさかのぼるわけだ・・・・」

日本神話に関しては、私もつまみ食い程度の知識はありますので、建御雷(タケミカヅチ)の葦原中国平定の話を知らなくもないのですが、相撲の起源との認識もなく、

「日本書紀に出てくる、垂仁天皇の時代、当麻蹴速(タイマノケハヤ)と捔力(スマヒトラシム)との決戦、これが人間同士の最初の相撲とされるわけだな。以来、当麻蹴速(本来は當麻蹶速が正しいそうですが)は、『相撲の神』と称されるわけだ。」

『好き』というのは、とてつもない知識力も産むのですねぇ、凄い。まるでO氏が『相撲の神』のように見えてきました。
「しかし、良く知ってますねぇ、ブログの記事にしたいんでメモってもいいっすか?」と私。
「この程度のことは『ウィキペディア』にも載ってるから、ネットで見たほうが早いよ」
「・・・・・・・」

この手の話し好きに語らせたら止まらないのが世の常
「そもそも相撲っていう言葉は・・・・」
出るわ出るわ、いろいろ勉強させていただきました。メモってきましたので皆さんにも、幾つか披露しますね。

1.『相撲』という言葉。そもそもは「争う、拒む」の意味で、スヒマという言葉が語源だそうです。
2.『まわし』と『しめこみ』と『ふんどし』。まず『ふんどし』は「両足を踏ん張って、とおすもの」つまり、「ふんばりどおし」→「ふんどし」で、下帯全体を指すものだそうで、力士用に限らず普通の下着ってこと、『まわし』は力士の腰にまわしたもの、『しめこみ』は対戦用にきつく締め込んだ『まわし』で、しかるに『化粧しめこみ』という表現は決してあり得ないのだそうです。
3.『はっけよい』のかけ声は。そもそもは「はやく、こよ(早く、来い)」が語源で、広まってから「発気、良い」元気を発せよ、「八卦、良い」八種類の卦(け)が出ている早く技を出せ、といった意味が付いたのだそうです。
ちなみにここでいう「卦(け)」とは、易占いに出てくる「良い卦がでています。」っていうあの「卦」だそうです。
その他、力士の給金の話やら、『関取』の意味やら、いろいろ教わってまいりました。

そんなこんなで、今夕は珍しく相撲を観ておりましたが、残念ながら安美錦は負けてしまいましたね。O氏はガッカリしていることでしょう。

「ようし、今度どっかの飲み屋で『相撲うんちく』語っちゃおうかなぁ~~~~」
「一番嫌われるタイプだね」

さて、今日の一枚は、ベニー・グリーンです。
J.J.ジョンソン、カーティス・フラーあたりに比べると、幾分人気面では劣るグリーン、丁寧でいかにも真面目そうで、ちょっとばかり都会的とは言えないところに原因があるのでしょうか?
それでもその土臭さが、逆に私は好きです。
このアルバムも「SOUL STIRRIN'」のような、「いかにもソウルフル!」的なイメージはありませんが、心地よい曲を集めた、安心して聴ける一枚だと思います。

余談ですけど、サド・ジョーンズの「THE MAGNIFICENT THAD JONES」を筆頭に、ブルーノートにはこの手のジャケットがチョロチョロ出てきますよね。それぞれのアルバムに何か共通点でもあるのでしょうか?
ご存じの方がいらしたら、ぜひ教えてやって下さい。

マンハッタンの街角で、楽器ケースを持ったグリーンが指さすものは何なんでしょう?
「BACK ON THE SCENE」(シーンに戻ってきた)というイメージ・・・何処から戻ってきたんだ?
いやいや、じつは「GREEN STREET」緑の道のイメージだったりして。

BACK ON THE SCENE / BENNIE GREEN
1958年3月23日録音
BENNIE GREEN(tb) CHARLIE ROUSE(ts) JOE KNIGHT(p) GEORGE TUCKER(b) LOUIS HAYES(ds)

1.I LOVE YOU
2.MELBA'S MOOD
3.JUST FRIENDS
4.YOU'RE MINE YOU
5.BENNIE PLAYS THE BLUES
6.GREEN STREET