JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

サヨナラ、素敵な女(ひと)

2007年09月07日 | y-その他

いやはや凄い雨風でした。普段なら6時半までタップリ寝ている私も、さすがに今朝は6時前に目が覚め少々寝不足気味です。おかげさまで我がボロ屋も何とか強風にたえ、インフラも全て通常通り、生活には何の支障もありませんでした。皆さんのお宅はいかがでしたか?被害を受けられた方には心よりお見舞いを申し上げます。

そんなこんなで朝からテレビの台風報道をかけっぱなしにしていると、
「日本人で初めて米アカデミー賞助演女優賞を受賞した元女優のナンシー梅木が、去る8月28日に亡くなられていたことが分かりました。」
との報道。享年78歳であったそうでご冥福をお祈りいたします。

ナンシー梅木さんといえば、とうぜん助演女優賞を取ったマーロン・ブランド主演『サヨナラ』ということになるのでしょうが、一応、我がブログもJAZZブログの端くれ、ジャズ・シンガー、ナンシー梅木を取り上げてみたいと・・・・・・・・
ところが、このあたりの情報、演奏には、とんと疎いわけであります。とりあえず『ジャズ人名辞典』をひもとくと

9人兄弟末っ子として生まれる。
ピアノなどのクラシックのレッスンをうけたことがきっかけで音楽の道を志す。兄が進駐軍の通訳をしていた関係でキャンプでジャズを歌うようになった。1949年に上京、角田孝&シックスの専属歌手を経て、翌年にはゲイ・セプテットの花形ボーカルになる。
1955年、音楽の勉強のため渡米しクラブで歌う傍ら、翌年には3大ネットワークのCBS系で人気のTVショー「Arthur Godfrey and His Friends」に出演。この番組は、当時大統領と並ぶ人気と言われたアーサー・ゴットフリーによるタレント・スカウト番組で、着物姿で出演して英語の歌を歌う彼女は注目を集め、最高得点で優勝。それをきっかけにマーキュリーより「MIYOSHI UMEKI / MIYOSHI SINGS FOR ARTHUR GODFREY」「MIYOSHI」の二枚のアルバムを出し、同時期1957年映画「サヨナラ」に出演、アカデミー賞助演女優賞を受賞した。その後、ブロードウェイミュージカル「フラワー・ドラム・ソング」の主役を演じ、1年半のロングランになるヒットを記録。その後も日本を舞台にした映画「うれし泣き」メロドラマの「タミコという名の娘」に出演。
1958年にNBCのディレクター、ウィンフィールド・オピーと結婚。
1968年にはディレクターのランドール・フードと再婚、最近は娘夫婦とともに静かな生活をおくっていた。

「MIYOSHI UMEKI / MIYOSHI SINGS FOR ARTHUR GODFREY」「MIYOSHI」残念ながらこの二枚のアルバムを私は所有もしておりませんし、聴いてもおりません。ならば、なんとか日本時代の名ギタリスト、角田孝のバンドでの歌声(角田孝&シックス、ゲイ・セプテットどちらでも良いのですが)を聴いてみたい・・・・・
「ひょっとして社長なら何か持っているかも知れない」
と、思い立ったのが、以前、美空ひばりのスタンダード・ナンバーのアルバムを嬉しそうに見せてくれた、とある社長さんでした。

仕事の合間にまわってみると開口一番
「バブさん、ナンシー梅木、亡くなっちゃったねぇ」
「そうみたいですね、まさか、○○さんレコードなんて持ってないですよね?」
「あっ?あるよ CD」
なんと、あっさりと、明日公開の人気テレビシリーズ映画の台詞のように答えられてしまいました。(笑)

日本ビクターがずっと隠し持っていた(笑)録音をつい最近CD化したのだそうで、そもそも私が飛びつくCDではありませんから、そんなこと知りもしませんでした。

「いいよ、貸してあげるよ。ついでにこんなんも持ってく?」

これもなんだか凄いCDでありまして、一枚には南里文雄(tp)と角田孝との共演曲が、もう一枚には田中和男(vib)、角田孝、レイモンド・コンテ(cl)の『蘇州夜曲』が入っています。

始めてまともにナンシー梅田さんの歌声を聴きましたが、ハスキーでありながら可愛さもあって、いかにも日本人らしいおくゆかさもあるというか、なかなか味のある歌いっぷりです。まぁ正直に言えば、本場のジャズ・シンガーとしての実力があったのか?と訊ねられれば、「大丈夫!」と太鼓判を押せるまでは行きませんけど(私に評価されても迷惑でしょうけど)
後の二枚は、う~~ん、若干ゲップが出そうにもなりますが、あまり聴く機会のない当時の日本のジャズシーンをかいま見るには貴重なCDなのでしょう。
『蘇州夜曲』の後にコロンビア・オーケストラの『蘇州の夜』が入っていましたけど、やっぱり「TOSHICO」の秋吉敏子のほうがいいなぁ~~~なんちゃってね。

とにもかくにも、自分では絶対に買わないCDだけに、貸していただいた社長には感謝しております。

さて、というわけで、今日の一枚は私の所有CDではありませんが、社長にお借りしたナンシー梅木のCDを紹介します。

ナンシー梅木 アーリー・デイズ 1950-1954
ナンシー梅木(vo) 
ゲイ・セプテット 、グラマシー・シックス、デュセス・ワイルド、多忠修とゲイ・スターズ、与田輝雄とシックス・レモンズ

1.スリーピー・マイ・ラヴ  
2.イット・イズント・フェア  
3.センチメンタル・ミー  
4.愚かなり我が心  
5.アゲイン  
6.マンハッタンの月  
7.わが心に歌えば  
8.私はひとりゆく  
9.マイ・ベビーズ・カミン・ホーム  
10.私はうしろを歩いてる  
11.ドギィ・イン・ザ・ウィンドウ  
12.サヨナラ  
13.マイ・イチバン・トモダチ  
14.今宵夢で(ヴァイア・コン・ディオス)  
15.キス・ミー・アゲイン・ストレンジャー  
16.アイム・ウェイティング・フォー・ユー(君待てども)  
17.ある月の夜に  
18.哀愁の一夜  
19.その人の名は言えない  
20.夜のささやき  
21.泣きたいような  
22.なぜ信じられないの