毎日のできごとの反省

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沖縄の基地問題考

2016-04-24 15:00:34 | 歴史

 保守陣営は沖縄基地問題を日米同盟の必要性の観点から語る。それも間違いではないのだが、本質はそこにはないと思うのである。大東亜戦争とその後の経過から米国は支那本土への足がかりを失った。その代わり在韓米軍と沖縄を得た。返還前の沖縄での米国の施策をみれば、米国は沖縄を信託統治領のようにして、永久に保有するつもりだったと考えられる。

 何万人もの犠牲で得た沖縄を返すつもりはなかったのである。「太平洋戦争」は米国の正義の戦争であり、領土を増やす目的ではない、という米国の建前を逆手に取ったであろう佐藤政権が、沖縄返還に成功したのは、世界史上の奇跡であったとしか考えられない。

 敵対する支那大陸政権に対するバッファとして、在韓米軍は必要である。これを支えるために、本土の基地より自由に使える沖縄の基地重要である。だから返還以前と同じ条件で基地を使える、という妥協点で返還に応じたのであろう。繰り返すが沖縄の基地は米国の立場からすれば多くの犠牲の上に得た、「領土」である。マクロにみれば日本本土にしても似たようなものである。

 安保条約と在日米軍は日本の軍事的自立を防ぐ「ビンの蓋」だと言うのは、米国の本音であろう。だが同時に日本を失えば、米国はアジアにおける最大の橋頭保を失う。また、日本の軍事的外交的自立なしに、米国が日本から撤退すれば、東アジアは大混乱に陥る。

だから日本がいやおうなしに、米国との同盟を続けざるを得ないようにするためにも、護憲勢力の存在は米国にとって必要不可欠である。護憲勢力とは、実際的にはかつてはソ連に利用され、現在は中共に利用され続けている。

しかし日本の軍事的自立を防ぐために、米国にも利用されている。軍事的自立は外交の自立を意味する。しかし護憲勢力は、戦争はこりごりだ、という以外は無思想である。小生は沖縄や本土の米軍基地の存在の現実を述べているのであって、善悪について述べているのではない。