A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【えいたそモダニズム】Episode 10『縄(ロープ)の罠』蜉蝣/The Clash/クロマニヨンズ/山崎ハコ/AKB48/ラルクetc.

2017年07月13日 08時40分11秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『でんぱの神神』DVD第8弾発売記念イベント
「”君の縄。” 縄ゲーム対決&オリジナル特典お渡し会」

■日時
2017年7月1日(土)
ご集合及びご整列時刻 11時15分/開演 12時30分(終演予定 14時30分)
■会場
YAMANO HALL [東京都渋谷区代々木1-53-1]
■出演
でんぱ組.inc
■内容
2016年に「とある映画」が世界的に大流行!しかも、翌週7月8日は「なわの日」?ということで、今回のイベントは思いきって「君の縄。」と題し、縄を使ったゲームででんぱ組.incメンバーが激突!お客様はどのメンバーが優勝するかを予想し、見事的中すれば、当イベントでしか手に入らないプレミアムグッズをプレゼント!さらに、対決終了後には、メンバーからのオリジナル特典お渡し会を実施します!



グループとしてのライヴ活動はお休みしてそれぞれソロ活動に勤しむでんぱ組.incの6人が久々に一堂に会するイベント。毎回趣向を凝らす神神イベントのテーマは縄。りさちーこと相沢梨紗さんがアートブック『キラキラって輝く星はどこにあるの』で緊縛写真を披露しりさ推しを悶絶させた後だけに、他のメンバーの奮起が期待されたが、結果はりさちーの優勝。愛しのえいたそ☆成瀬瑛美さんの覇者気ぶりが際立ち、えい推しとしては嬉しい限り。ソロやコラボイベントもいいが。やはり6人揃ってでんぱ組。早くライヴの再開が望まれる。



終演後の特典お渡し会では『髪型変わった?かわいい!」と嬉しい先制攻撃。怯むこと無く「次のお題はロープにするよ」と応酬すると、ちょっとはにかむように「蜉蝣というバンドの『縄』という曲おすすめよ。聴いてみてね」とこれまた嬉しい情報提供。徐々に自分も参画したくなってきたに違いない。いつの日か『えいたそ論』を瑛美と共著でコミケに出品する日を夢眠(ゆめみ)て、益々精進する決意を新たにした。



【えいたそモダニズム】Episode 10『縄(ロープ)の罠』

●蜉蝣『縄』


蜉蝣(かげろう)は、日本のヴィジュアル系ロックバンド。所属事務所はフリーウィル、所属レーベルはLizard。1999年9月結成。2007年1月、Zepp Tokyoでのワンマンライブを以て解散。インディーズバンドであるが、会場限定販売のデモ・テープや限定盤を完売させるなど、シーンでの認知度は高く、2005年にはシングル「腐った海で溺れかけている僕を救ってくれた君」が、オリコンメジャーチャートで21位を獲得した。バンド名のテーマは「儚さ」。これはボーカルの大佑が抱える心臓疾患からきている。『縄』は2nd Single『発狂逆立ちオナニスト』(2001年6月27日)収録。

プロフィールによればヴィジュアル系の中でもメジャーなバンドのようだが、一般的の知名度は高くないと思われる。高校時代バンギャで鳴らした瑛美の心の奥に締まったままの無垢な思い出なのかもしれない。アイドルじゃなくても口に出すのは憚られるタイトルのCDに収録された、『縄』で縛る情熱的な愛を歌ったボーカリストは2010年7月15日に逝去した。瑛美の心には七回目の命日が近いことが浮かんだのかもしれない。そんな秘密を告るとは、オレに惚れたな。

[PV] 蜉蝣 kagerou - 縄 Nawa



●ザ・クラッシュ『Give 'Em Enough Rope 邦題:動乱(獣を野に放て)』


ザ・クラッシュのセカンドアルバム。1978年リリース。アメリカでは『白い暴動』に先行した公式デビューアルバムである。このアルバムは評論家やファンに受け入れられ、全英では最高2位、全米で最高128位になった。

一方、瑛美に「お題はロープ」と告げた瞬間にオレの心に浮かんだのはザ・クラッシュの2ndアルバムだった。高校1年の秋に吉祥寺ジョージアで購入。丁度同時に入荷したアーント・サリーのヴァニティからの1stアルバムが並んでいて、美少女PHEWの儚いポートレートを見て一瞬どうしようかと悩みかけたが、初志貫徹クラッシュのアメリカ盤を購入した。タイトルは『奴らを吊るすのに十分なロープを渡せ』という意味。テーマ曲が好きだった西部劇映画『奴らを高く吊るせ(Hang 'Em High)』を思い出した。ところが、クラッシュの1st『白い暴動』は大好きだったが、2ndはブルー・オイスター・カルトのプロデューサーということで、ハードロックっぽく聴こえて今ひとつ気に入らず、1年後に中古レコード屋に売り払ってしまった。こんなことならアーント・サリーを買っておけばよかった、と悔やんだことも何度かある。そんな苦い思い出がオレの「ロープ」レコードの記憶である。

The Clash - Tommy Gun (Official Video)



●クロマニヨンズ『くじらなわ』


2006年衝撃のデビューを果たしたザ・クロマニヨンズのデビュー・アルバム『ザ・クロマニヨンズ』に収録。

他方『縄』ソングとしてオレが真っ先に思いつくのはヒロト&マーシーの三つ目のバンド、クロマニヨンズ。♪引っ張って引っ張って30年〜♪という歌詞は30年前、1976年のパンク衝動を意味しているのか?なんて深読みを、それから更に10年後の今してみると、1分半のこの縄ソングの輝きが増すような気がする。再びライヴで聴ける機会はあるのだろうか。

くじらなわ/ザ・クロマニヨンズ・COVER



●山崎ハコ『なわとび』


1986年の16thアルバム。歌うというより,語り聞かせているような説得力を山崎ハコは持っている。男には体験できない世界の物語を語っているように聞こえてくる。歌のテーマが今回は日本的なものであるだけに,彼女の息づかいにまで反応する我が身の内なるものにゾクッ!。

ロックやパンクを聴き始めた十四歳の頃からフォークやニューミュージックは敵として聴こうともしなかったが、40年経った今耳にすると異常に暗かったり情念的だったりして新鮮な驚きを感じることが多い。三上寛、浅川マキ、森田童子といったアングラ系はいうに及ばず、メジャー系のフォーク歌手もSpotifyで聴き齧って嬉しい感動に浸っている。特に山崎ハコの暗い表情と泣きそうな歌声は、下手するとハマりそうな中毒性がある。「なわとび」という日本的な湿り気のあるテーマを歌うのはハコの十八番(おはこ)といえるだろう。

山崎ハコさん「なわとび」



●AKB48『恋のお縄』


CRびっくりぱちんこ銭形平次withチームZは、2011年4月に京楽産業.から発売されたデジパチCR機。『恋のお縄』は、チームZによるパチンコ景品限定CD。仕様はPVを収録したDVDとの2枚組になっている。

『縄』から連想するのは江戸時代の捕物帳。昭和の人気テレビ番組はチャンバラかプロレスだった。銭形平次や水戸黄門は何度目の再放送か、学校から帰ると夕方必ずやっていた記憶がある。そんなベタなテーマを歌うのは、ヒットの仕掛人秋元康肝いりのアイドルグループ。チームZはAKB, SKE, SDNの選抜コラボユニット。メンバーは興味があれば自分で調べて欲しい。でんぱ組『ちゅるりちゅるりら』の先輩と言えるお江戸ドタバタスラップスティックコメディ。

TeamZ - 恋のお縄 PV short.ver



●大西結花『危ないタイトロープ』


大西 結花(1968年7月6日 - )は、日本の女優、タレント。大阪府豊中市出身。愛称はゆっち。代表作は『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』、『眠れる美女』等。『危ないタイトロープ』は1986年5月の4thシングル。日本テレビ系ドラマ『このままじゃ、ボクの将来知れたもの』挿入歌。同年リリースのデビュー・アルバムのタイトルも『危ないタイトロープ』。

80sアイドルの縄ソング。『スケバン刑事III』で風間三姉妹として浅香唯、中村由真と共演した。放映された頃に就職したので、テレビを観る時間が減った。そのために番組を観たことは殆どなかったが、歌番組や雑誌でチラ見していた。好みは唯だったが結花も可愛かった。何処か「危ない」イメージがあったので、この縄ソングは言い得て妙。

危ないタイトロープ 大西結花 LIVE 1987



●新田恵利『恋のロープをほどかないで』


新田 恵利(1968年3月17日 - )は、日本の歌手、タレント。オフィスウォーカー所属。1985年におニャン子クラブの会員番号4番としてデビューした。ソロデビューしたときに歌った「冬のオペラグラス」がヒットした。『恋のロープをほどかないで』は1986年4月の2ndシングル。

「オールナイトフジ」は毎週観ていたが「夕焼けニャンニャン」は多分1,2回しか観たことが無い。だから当時の異性の対象はOLと女子大生に集中し、中高生はOUT OF FOCUS(対象外)だった。その傾向は今でも続き、中高生アイドルには余り萌えることが無い。年齢に関係なく幼児性を強調されると何となく醒めてしまう。ほどけというならほどいてやるが、その後はどうぞご勝手に。

恋のロープをほどかないで 新田恵利



●TETSU69『TIGHTROPE』


L'Arc~en~Cielのリーダーであり、べーシストTETSUYAのファーストシングル。両A面シングルとしてリリースされた「wonderful world / TIGHTROPE」。L'Arc~en~Cielのリーダーであるベースのtetsuによるソロ・ワーク第1弾シングル。抜群のポップ・センスとメロディ・メイカーぶりに定評のある彼ならではの世界は要注目だ。

瑛美に捧げるV系縄ソング。ラルクは最早ヴィジュアル系に留まらぬJ-Rockの人気者だが、バンギャにとっては最終的な目標のひとつに違いない。<ソロ曲がデジロック>というのは「V系あるある」だが、hideやSUGIZOに比べてtetsu69のエレクト度数は高くない。

TETSU69『TIGHTROPE』



●ルーシー『タイトロープ』


前作『Discord』を発売日即日SOLD OUTしたルーシーから待望の2ndマキシシングル『The disorderly world』は2008年12月発売。収録曲であるThe disorderly worldは、コンセプトでもあるルーシーがいる世界をインダストリアル的、かつエレクトロニカ要素を織り込み、攻撃的に世界観を打ち出している。カップリングのタイトロープは一転。ルーシーからみた世界を感情的に表現したバラードとなる。この作品を聴いたオーディエンスは、今まで以上にルーシー独自の世界観を感じる事になるだろう。

コアなバンギャの瑛美にとっては2010年に解散したこのバンドの方が思い入れが強いだろう。<カップリングが泣かせるバラード>というもうひとつの「V系あるある」を体現する縄ソングは、刹那的なデカダンスと危険なグラマラス感に溢れ、元バンギャの琴線を振動させる。泣いていいよ、瑛美。

ルーシー (Lucy) - タイトロープ (Tight Rope)


縄ソング
ロープの先に
涙有り

洋邦含め多数の縄(ロープ)ソングを発掘したので、この項次回に続く。

成瀬瑛美 カップヌードル

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OUT DEMONS OUT!!!〜元祖パンクス『ザ・ファッグス』がホワイトハウスで悪魔払いを決行。

2017年07月12日 01時03分21秒 | 素晴らしき変態音楽


60年代ニューヨークのビート詩人により結成され、過激で政治的かつコミカルな活動でカウンターカルチャーを象徴したロック・バンド『ザ・ファッグス』が復活、2017年5月ホワイトハウスで悪魔払いライヴを敢行した。

1967年にアメリカの最もオリジナルなバンドのひとつ「ザ・ファッグス」はワシントンD.C.を訪れ、ベトナム戦争を拡大しようとしていた邪悪な戦争家たちを追放して、ペンタゴンを浮上させようという使命を果たした。

今、それから50年後、ザ・ファッグス(エド・サンダースvo、スコット・ペティートb,key、スティーヴ・テイラーg、コビー・バッティperc)はホワイトハウスに巣食う新たな悪者の群れから我々を守る為に戻ってきた。エド・サンダース、ボブ・ホルマン、そして故トゥリ・カッファーバーグの精霊から霊感と指導を受けて、映像作家のチャック・スミスが新曲「ホワイトハウスの悪魔払い」のミュージック・ビデオを制作した。

THE FUGS - "Exorcism of the White House" (2017, Official Video)

バイオグラフィビート詩人のガレージロック~ザ・ファッグス

そして5月30日火曜日の午後、ワシントンDCのリンカーン記念館の退役軍人平和集会でザ・ファッグスは「ホワイトハウスの悪魔払い」をライヴ演奏し、世界中に死と破壊を引き起こす悪魔を取り除いた。

Exorcism of the White House by The Fugs!


エド・サンダースが発行しているネット新聞『ウッドストック・ジャーナル』に「ホワイトハウスの悪魔払い/Exorcism of the White House」の歌詞が掲載されている。「Out Trump-Cabinet! Out! (トランプ政権よ 出て行け!)」など刺激的な言葉が並び、50年前と全く変わらないパンクなスタイルが貫かれている。エド・サンダース77歳、心の中にはまだまだ闘いの炎が燃えている。
Woodstock Journal



悪魔とは
平和の為に
殺す奴ら

The Fugs - Kill For Peace(1966)
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【Disc Review】ケヴィン・モービー『シティ・ミュージック』〜鏡の向こうの自分が歌う都会の唄〜

2017年07月11日 01時04分40秒 | ロッケンロール万歳!


都会に生きる悲哀を唄で表現する心優しき自作自演シンガー、などと書くと部屋に引き蘢って鬱々と音楽を作りネット配信するインドア青年を想像するかもしれないが、ケヴィン・モービーはそういうタイプではない。しかし人生をスポットライトの中で満喫するリア充でも無いことは確かだ。鏡に映った自分の姿を無表情に眺めるジャケットは、70年代の鏡の肖像とは次元の異なる存在の希薄さに霞んでいくように思える。

▼鏡ジャケ3選

リンダ・ロンシュタット『夢はひとつだけ』/シルヴァーヘッド『凶暴の美学』/ロジャー・ダルトリー『ワン・オブ・ザ・ボーイズ』


コレまでにリリースしたソロアルバム『ハーレム・リヴァー』(13)、『スティル・ライフ』(14)、『シンギング・ソー』(16)の3作に描かれたのは、20代後半の年齢に比して極めて落ち着いた内省的な世界感だった。静謐な歌い口の中に、冷静に社会を観察する冷めた精神が宿るもの哀しい表情は、ロックシンガーと言うより詩人や随筆家の風貌をたたえている。そんなケヴィンが四作目のソロ作のテーマに選んだのは「シティ=都会」の生活。

「City Music」


毎晩夕食の後、太陽が沈むと夫とふたりで近くの公園に出かけ、アイスクリームを買って食べる。公園の反対側のバーが開くと店に入る。バーではバンドが演奏している。故郷の田舎町で聴いた音楽とは違って都会の音楽はみんなエレクトリック。バーが締まるまで音楽に合わせて踊り、バンドが演奏を終えてドラムをタクシーに乗せて帰るのと一緒にふたりは公園を通ってアパートに帰る。翌朝遅めに目を覚まし、目を擦りながら夫が着替えるのを眺める。ズボン、シャツ、靴、帽子、そして最後にネクタイ。自分も着替えてコーヒーを飲む。そして同じことを繰り返す。

ニューヨークの無名者が書いた手記がジャケット裏に書いてある。ケヴィンが住むカリフォルニアでも、僕等が住む東京でも、都会の生活は似たようなものである。都会で聞こえるのは都会の音楽=シティ・ミュージック。様々な出来事や感情が音楽と共に営まれる。それをケヴィンの観察眼で描き出した11編の物語。しかしそれは他者のものではなくケヴィン自身の物語でもある。上記の手記を書いたのはケヴィン自身かもしれないし、僕かもしれない。都市生活者は無名者であるのだから。

「Aboard My Train」


無名者が自分を取り戻す為には時分自身を見つめ直すことが必要。それに適した道具は「鏡」に他ならない。化粧品で鏡に書き残された文字こそ、自分で自分にあてたメッセージ。恰も某ヒット映画で時間と空間を超えて入れ替わる見知らぬ相手に伝言を伝えたように、鏡の向こうのもうひとりの自分が、メッセージを書き残した自分と入れ替わる時が来るかもしれない。つまり『シティ・ミュージック』に収められた唄は鏡の向こうの自分にあてたメッセージソングとも言えるのである。それを聴くあなたや私が都会の鏡のあっちとこっちのどちらにいるのか、ケヴィンのサイケデリックな唄を聴きながら確かめてみるのも一興だ。



■ケヴィン・モービー・バイオグラフィー
アメリカのシンガー・ソングライター(1988.4.2生) 。フォークロック・バンド、ウッズのベー シストやザ・ベイビーズのギタリストとして知られる。ルー・リード、ボブ・ ディラン、ニール・ヤングらの影響を受け、10歳の頃からギターを始めクリーピー・エーリアンズというバンドを結成。カンサス州からブルックリンに移った のち、ウッズに加入する。ブルックリンに住んでいる間、パンク・ガールズバンド、ヴィヴィアン・ガールズのキャシー・ラモーンと親しくルームメイトであり、一緒にザ・ベイビーズを結成し2枚のアルバムをリリースしている。ソロとしては13年に1作目『ハーレム・リバー』、14年に2作目『スティル・ライフ』、16年に<Dead Oceans>移籍第一弾で3作目となる『シンギング・ソウ』を発表。このアルバムが米音楽サイトのピッチフォークでBEST NEW MUSICと8.3点の高得点を獲得し、国内外で話題をさらった。17年、4作目となる『シティ・ミュージック』を発表する。

都会の唄
通りに立って
歌いたい

▼都会のアルバム3選

エリオット・マーフィー『夜の灯』/シティ・ボーイ『リッツホテルの晩餐会』/S-KEN『魔都』


Elliott Murphy - Diamonds By The Yard


City Boy - Momma's Boy


魔都/S-KEN(1981)
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ミニ・ペンギン・カフェ@青山 草月会館 2017.7.9 (sun)

2017年07月10日 08時37分26秒 | こんな音楽も聴くんです


◆7/9(日)14:00開場/15:00開演
ミニ・ペンギン・カフェ
『トーク&ミニ・ライブ』
(入場無料/要予約)
会場:草月会館 2F 談話室(東京都港区赤坂7-2-21)
(入場時にドリンク代別途500円必要)
ペンギン・カフェの2人(アーサー&ダレン)によるトークとミニライヴ!



2009年に創設者サイモン・ジェフスの息子アーサー・ジェフスにより復活したペンギン・カフェの三度目の来日公演の前哨戦イベントが開催された。30℃を越える猛暑の中、青山通りを見下ろす草月会館二階の談話室は冷房が効いて気持ちがいい。オリジナル・ペンギン・カフェ・オーケストラ時代のポスターやパンフレットが展示され、アートな雰囲気が80年代に吉祥寺の南口にあった「ペンギン・カフェ」を思い出させる。
エレガントで曖昧な家具の音楽~新生ペンギン・カフェ来日に思う
ペンギン・カフェ/相対性理論@ラフォーレミュージアム六本木 2012.10.8 (mon)



アーサー・ジェフスとダレン・ベリー(トロージャンズ/ヴァイオリン)のトークでは、父サイモンの思い出やペンギン・カフェ再結成の動機や新作に関する逸話が聞けた。印象的だったのは、アーサーが子供の頃「世の中の音楽の半分はペンギン・カフェ・オーケストラのような音楽」だと思い込んでいたという話。実際筆者も幼児の頃は父親が好きなクラシック音楽と幼稚園で歌う童謡以外の音楽があることを知らなかった、というか意識しなかったものである。物心ついてから歌謡曲や映画音楽、さらのジャズやロックがあることを知った。また、サイモン・ジェフスが南フランス滞在中に食中毒で寝込んだ時に見た夢からペンギン・カフェが生まれた、という逸話は嘘か本当か分からないが、この夢みる音楽に相応しい伝説であろう。



その後のミニ・ライヴではアーサーが電子ピアノ、ダレンがシュルティボックス、ヴァイオリン、ボックスシロフォン、パーカッションでアンコールも含めて30分を越える演奏をたっぷり聴かせてくれた。個人的にはポストミニマルな反復とインプレッショニズムのメロディーラインが交錯した作風に惹かれる。レジデンツの目玉と並ぶ80'sサブカル系コスプレ「ペンギン男」に扮してみると、世界の風景はポストモダーンに見えてきた。



Penguin Cafe: NPR Music Tiny Desk Concert


ペンギンと
目玉の対決
どっちが勝つ

 

▼Maison book girlのバックをペンギン・カフェが務めたら面白いに違いない。

Maison book girl / rooms / MV




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ローズ・マクドール(ストロベリー・スイッチブレイド)/Kit Cat@高円寺HIGH 2017.7.7 fri

2017年07月09日 00時37分13秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


英国音楽/VINYL JAPAN presents
【ROSE McDOWALL from STRAWBERRY SWITCHBLADE】
7/7 (fri)
KOENJI HIGH
open/start 18:30/19:30
adv/door 6200円/未定+1D

-Live-
ROSE McDOWALL from STRAWBERRY SWITCHBLADE
-Opening Act-
Kit Cat



80年代半ばに水玉模様のゴスロリファッションで人気を博した女子二人組ストロベリー・スイッチブレイドの片割れローズ・マクドールの来日公演。当時テレビで観た程度でレコードは持っていないが、80sニューウェイヴ女子のシンボルとして記憶に残っている。オープニングアクトをシンセポップユニットKit Catが務める高円寺HIGHに行くのは6/20不失者以来2週間ぶり。

Strawberry Switchblade -- Since Yesterday



●Kit Cat


6/10渋谷チェルシーホテルのネクロ魔・夜露ひな生誕ライヴで観たKit Catは80s風味たっぷりのニューウェイヴ/テクノサウンドが楽しい。メンバーのひとりが病欠で残る二人のステージだったが、ストロベリー・スイッチブレイドがデュオだったことを思えば期せずしてトリビュートしたと言える。にゃんにゃん猫の振り真似はアウェー環境ではちょっと恥ずいが、現場を和ませるパワーは十分発揮された。最新シングル「My Broken Valentine」は曲名はマイブラだが、曲調はプライマル・スクリームでアガるナンバー。TOM TOM CLUBの「おしゃべり魔女」のカヴァーをローズやバンドメンバーがどう思ったか聞いてみたい。

KitCat 「おしゃべり魔女」(Wordy Rappinghood)



●ROSE McDOWALL


グラスゴーの若手ミュージシャンからなるバンドは男子ギター/ベース/ドラムにキーボード兼ヴァイオリンの女子(ブルゾンちえみ似)の4人編成。ブラックのゴズ衣装に身を包んだローズは流石に57歳の年齢相応のルックスだが、力強いヴォーカルは驚くほど進化している。ミッドテンポ中心のダークな曲調は、ストロベリーズ解散後にローズが参加したCurrent93やCoil等ポストインダストリアル/ダークウェイヴの香りが漂う。マレットドラムとヴァイオリンをフィーチャーした曲はヴェルヴェッツを彷彿させる。ハンドマイクでモニターに足をかけ、片手を振り上げて歌うローズも悪くないが、アコギを抱えてネオフォークを歌う姿も見てみたかった。

Rose McDowell - To Drown A Rose @ WGT Festival 2016 Altes Landratsamt Leipzig De



シンセ女子
ゴシック女子と
お友達

ディアフーフ×エビ中⇒ディアフーフ/私立恵比寿中学@渋谷 O-East 2012.10.13 (sat)
リンゴ・デススター×ブクガ⇒リンゴ・デススター/Maison book girl(ブクガ)@渋谷WOMB 2015.12.8 (tue)
ローズ・マクドール×Kit Cat
海外バンドとアイドルの相性は悪くない。
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【Disk Review】ネイト・ウーリー『KNKNIGHGH〜アラム・サローヤンの為のミニマル・ポエトリー』 クリス・ピッツィオコス

2017年07月08日 01時04分33秒 | 素晴らしき変態音楽


KNKNIGHGH (MINIMAL POETRY FOR ARAM SAROYAN)
Nate Wooley


Clean Feed CF434CD $ 13.90

Nate Wooley trumpet
Chris Pitsiokos alto saxophone
Brandon Lopez bass
Dré Hočevar drums

All compositions by Nate Wooley 2016, fourwordseamusic (BMI)

Recorded October 29th, 2016 at Oktaven Studios, Mt. Vernon, NY by Ryan Streber | Mixed and Mastered by Ryan Streber
Produced by Nate Wooley | Executive production by Pedro Costa for Trem Azul | Design by Travassos

フリージャズに擬態したNYハードコアジャズ来るべきもの

NYハードコアジャズ界のベテラン・トランぺッター、ネイト・ウーリーの新カルテット:クリス・ピッツィオコス(as)、ブランドン・ロペス(b)、ドレ・ホッチェヴァー(ds)の初アルバムの登場である。ウーリーの超人的なトランペット技巧によるソロ作品や最近のピッツィオコスの新時代ファンク作品に慣れた耳には、再生スイッチを押すと飛出すあまりにオーソドックスなフリージャズに一瞬戸惑う。間違って60年代前衛ジャズの未発表CDをかけてしまったかと。そう、確かにピアノレス二管カルテット編成はドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンズからなる『ジャズ来るべきもの』時代のオーネット.コールマン・カルテットと同じ。こじんまりとしたスタジオで一発録音された温かみのある音質の臨場感は、5,60年代のモダンジャズ全盛期の香りを色濃く放っている。

しかしウーリーによる物哀しいテーマとシンプルなコード進行を軸に展開されるインプロヴィゼーションは、各自が培っていきた豊潤な音楽要素を封印してはいるが、ピッツィオコスの痙攣吃逆トーンやウーリーの物音アンブシャーが随所に散りばめられ、意図的なビート感の欠如を装ったウッドベースとハイハットの心許なさに翻弄され、今が何時代で、聴いているのが過去現在未来いずれであるか、確証が持てないエニグマに陥ってしまう。ウーリーによると<古典的なフリージャズカルテットの伝統のラジカルなニューテイク>。この言葉でバック・トゥ・ルーツ的な回顧主義とは無縁であることがわかる。実際筆者が今年聴いた即興音楽系アルバムの中では、最も折に触れて再生したい作品のひとつである。

Nate Wooley Quartet: Knknighgh - at Spectrum, NYC - October 18 2016



ミニマルと
ラジカリズムの
ポエトリー

アルバム・タイトル『KNKNIGHGH』は「ナイフ」と発音し、サブタイトルにあるように詩人のアラム・サローヤンに捧げられた作品。サローヤンは、パンク詩人のリチャード・ヘルが「一言詩の達人」と評するミニマリスト詩人で、ギネス認定の世界一短い詩で知られる。ウーリーはしかしサローヤンの文学性よりも、彼の詩のリズミックな感覚と繰り返しによる変容、そして個性的な音響性に惹かれたという。四つ足の「m」こそは、ネイト・ウーリー・カルテットの四人の関係性の図式化に他ならない。

▼世界で一番短い詩
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【お悔やみ】ピエール・アンリ死去〜フランスの作曲家にしてミュージックコンクレートの父

2017年07月07日 01時26分41秒 | 素晴らしき変態音楽

【勝手に翻訳】LE MONDE | 06.07.2017 à 11h22

フランスの作曲家にしてミュージックコンクレートの父、ピエール・アンリが死去
『現代のためのミサ』などで知られるノイズと折衷的な音響の発明者が89歳で亡くなった。

作曲家のピエール・アンリが、7月5日(水曜日)、パリのセントジョセフ病院で89歳で死去した。2016年9月23日にストラスブールのムジカ音楽祭の週末のオープニングで『Chroniques terriennes(地球クロニクル)』を演奏する予定だったが、病気のため参加できず、コンソールの操作をティエリー・バラスに譲って以来病床に伏せていた。

ミュージック・コンクレートの父と呼ばれるピエール・アンリは、生物学的な意味で希少だった。 (神秘的意味で大文字の)日常のノイズから採取した細胞から音楽を作った最初の役割を果たしたのはピエール・シェフェール(1910-1995)だったが、もう一人の父アンリは、エレクトロアコースティックスタジオからDJブースの後ろまであらゆる世代の創造性の担い手から愛され、独創性、生産性、そして悪名の三位一体を備えた現代アーティストとして、半世紀にわたり現代芸術の空の頂点に座を占める。

鋭い目と髭を備えた80代として、彼はシスティーナ礼拝堂の天井にミケランジェロが描いた全能の神を髣髴させる。ピエール・アンリ、ミュージック・コンクレートの神は、テクノラインの仮想のアダムを指さすのではなく、ミキシング・テーブルの電位差計を操作して、パリのシテ・ド・ラ音楽院で、2012年9月29日に創造された最後の重要作『Le fil de la vie』でリスナーそれぞれを「内観の旅」へと誘った。作曲家が語る精神的総量とは:「私の作品では、マイクロフォンの前で起こるゲーム、リズムと叫び、全ての表現言語が、人生の間に私の身体と感情の状態の範囲のワイヤーのように流れ込みます」。「ワイヤー」という用語は、間違いなく運動の技巧を表すびに適切だが、バロック音楽の壮大な織物を表すには「ロープ」あるいは「ケーブル」という言葉も必要である。


パリ音楽院で音楽を学ぶ
1927年12月9日パリ生まれのピエール(ジョルジュ)・アンリの父親ジョージ(ピエール)・アンリは医師で、母親は薬剤師だった。彼の賢い両親は、彼が揺り篭にいるときから薬漬けにしたのだろうか?虚弱な子供は、特にハーブの自然な治療法を好む大人に成長した。彼の人生は、ワイヤーのようなものではないが、いくつかの特別な準備が必要だった。例えばセーヌ・エ・マルヌの小さな町にある自宅に家庭教師を呼ぶことなど。

公立学校での一般的な教育を受ける代わりに、アンリ家の唯一の息子はパリ音楽院で音楽を学んだ。彼は10歳になる前に音楽理論のクラスに編入が認められ、18か月後には初のメダルを獲得した。音楽学習を続行し1939年にピアノで最初の学位を取得したが、1940年に戦争で音楽院との繋がりが切れた。戦争と占領の期間中、鍵盤楽器を学ぶことができなかった。ピエール・アンリは1年間の休暇を認められたが、占領から解放されるまでマドリード通りには戻らなかった。1945年1月23日に音楽院への再入学を認められ、ピアノと和声を学ぶためにオリヴィエ・メシアンのクラスに師事したが、同じ日に入学したのが他でもないピエール・ブーレーズだった。

しかし「基本」と「与えられた曲」は、作曲初心者の気持ちを鼓舞しない。1947年に彼はフェリ・パセロンの師事のもとでパーカッション奏者になり、翌年、第二位賞を獲得した。しかし、1949年に、5月の試験を欠席したために最高賞を競うことができなかった。卒業と共にラジオ局で研修コースを始めた。ピエール・シェフェールが、ジョン・ケージ「プリペアード(準備)」ピアノにヒントを受けた「コンクレート(具体)」音の制作のオーディションを行い、1949年10月に正式に採用された。


「大衆のように神聖な」リスニング
ピエール・アンリは既に2曲の実験作品を作曲していた。ひとつめの『Le petit ballet mécanique/機械的なバレエ小品』はフェルナン・レジェの映画を元にしており、もう一つの『Voir l'invisible/不可視参照)』はテレビドキュメンタリーのための作品だったが、1950年にピエール・シェフェールと共作でミュージック・コンクレートの第1号作品『Symphonie pour un homme seul/ひとりの男のための交響曲』を制作、この曲は1955年にモーリス・ベジャールがバレエに採用し世界的な成功を収める。シェフェールが1948年に列車の音等から制作した『Etudes de bruits/騒音の習作』とは異なり、革命的な「ワイアレス」の送信機材を準備して挑んだ二人のピエールの共作は、サンプル音響の単純なループではなく、複雑で象徴的な完成した作品だった。1年後に制作された『Orphée 51/51のオルフェウス』はそれ以上だった。この女声と磁気テープによる「コンクレート・オペラ」は、第2作『Bidule en Ut』を含むシェフェール/アンリ三部作の最終作である。

Pierre HENRY -- Schisme



1953年、ピアニスト・パーカッショニスト(音響スタジオの創設活動)であるアンリは、電気通信技術のポリテクニックの専門家(音楽アプローチの思索家)であるシェフェールと袂を分かつ。『Orphée 53』は、『Orpheus 51』の現代で言う”リミックス”で、ピエール・アンリのソロとしての最初の大規模な作品であるばかりか、1953年10月10日ドナウッシンゲンで嵐の中で制作され、アンリの最初のスキャンダルとして名を知らしめた。1年後、シャンゼリゼ劇場で更なる事件が起きた。1954年12月2日エドガー・ヴァーレーズの新作『Déserts(砂漠)』を具体的に補完して解釈するのが彼の仕事だった。モーツァルトとチャイコフスキーを聴きにきた聴衆は暴動寸前の騒ぎになったが、コンソールに座った音楽家はサウンドを続けた。彼にとって聴くことは、受け入れられず破壊する「大衆のように神聖な」リスニングであった。

1950年にカイエ・デュ・音楽院で発行されたマニフェスト『Myth of Modernity/現代の神話』を破壊したがった誰もが、神聖なノイズによるアンリのミサ曲に熱狂し、それは1960年代後半に最高潮に達した。1967年の『Messe pour un temps présent/現代のためのミサ』(ミシェル・コロンビエとの共作による4曲の「エレクトリック・ジャーク」、世界初の「クロスオーヴァー」ヒットの象徴的な「サイケ・ロック」を含む)、続く『Messe de Liverpool/ リバプール・ミサ』(1967-70)。禁欲的な傾向の『Apocalypse de Jean/ヨハネの黙示録』(1968)は、モーリス・フルーレ主催の26時間に亘る連続音楽イベントの一環として制作した「電子オラトリオ」だった。

Pierre HENRY _ Psyché Rock



「ホームスタジオ」の男
注目すべきはフィリップス/ユニバーサル、マントラ、INA/ GRMからリリースされるレコード作品群で、ピエール・アンリの豊富なカタログは愛好家の興味をそそった。アンリは有名な『Variations pour une porte et un soupir/ドアとため息のための変奏曲』 (1963)を含む著書『Journal de mes sons/私の音のジャーナル』を2004年に出版した。作品タイトルからもアンリの美学がよくわかる。純粋な抽象化『La Noire à soixante/60度の黒』(1961)、『Mouvement-Rythme-Etude/動き-リズム―エチュード』(1970)、『Futuristie/未来派』(1975)――壮大なフレスコ画『Paradis perdu/失われた楽園』 (1982)、『Le Livre des Morts égyptien/エジプトの死者の書』 (1988)、『Dracula/ドラキュラ』 (2002).。

サイクルとして開発された作品の中に住みながら、ピエール・アンリは機械と一緒ではない。フロッピーディスクが登場しても、長い間スタジオで必要とされていた磁気テープに忠誠を尽くした。シンセサイザーやデジタルの登場も同じ。一方で彼は「ホームスタジオ」の男であった。1960年にカルディネ通りに自分のスタジオApsomeを建て、1966サンジェルマン大通りに移転、1982年に別のスタジオSon / Réを設立した。スタジオは「制作工房、展示スペース、音の投影空間」を兼ねる。好奇心旺盛な1万人以上の人が1996年の『Interior / Exterior/屋内/屋外』のコンセプトに沿って開催される秋祭りに訪れた。

Pierre Henry : le fil de la vie - Cité de la musique



2012年1月15日、数百人の人々が事実上・・すべてそこにアクセスした。ピエール・アンリが、タスマニア州ホバートで開催されたMona Fomaフェスティバルに委嘱された作品『Paroxysmes(発作)』の制作を行い、その模様がキッチンからライブ中継された。ブライアン・リッチー(イベントの芸術監督であり、アンダーグラウンド・ロック・バンドViolent Femmesの元ベーシスト)のボートハウスに集まった若者の群集が巨大なスクリーンの前でコンサートに参加し、インターネットの魔法によって伝えられた気管支炎を患うアンリの驚異的な神格を祝福した。

PIERRE HENRY Take california (LIVEQUEST OFF)


PIERRE HENRY VS PROPELLERHEADS
Recorded at LA NOVELA
LES ABATTOIRES, TOULOUSE
on OCTOBER 23, 2011

年表
1927年12月9日 パリで生まれる
1940 全国ラジオに採用
1950 ひとりの男のための交響曲(ピエール・シェーファーと共作)
1963 ため息とドアのための変奏曲
1977 神(ヴィクトル・ユーゴーによる)
1996 屋内/屋外(ホームコンサート)
2017年7月6日 89歳で死去

遂に逝く
具体音楽
神の国

今夜は朝までコンクレートを聴き明かそう。
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SUMAC/灰野敬二/ENDON@新代田Fever 2017.7.3 (mon)

2017年07月06日 01時28分55秒 | 灰野敬二さんのこと


Daymare Recordings presents
SUMAC Japan Tour 2017

SUMAC
灰野敬二
ENDON

OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥4500 (+1drink) / DOOR ¥5000 (+1drink)
※1dirink ¥600



SUMACの単独再来日公演決定!
Aaron Turner(OLD MAN GLOOM、元ISIS)、Brian Cook(RUSSIAN CIRCLES、元THESE ARMS ARE SNAKES、元BOTCH))、Nick Yacyshyn(BAPTISTS)という超絶トリオが鳴らすのは、初期ISISを思わせる激烈テクニカル重音だ。2015年9月『leave them all behind 2015』での初来日時の演奏は語り草であり、ヘヴィロック新章の幕開けを宣言するものとして有り余るインパクトを残した。中でもDave Grohlをも唸らせるNickのドラムは強烈無比で、新世代ドラム・ヒーローの誕生をまざまざと見せつけた。混沌や技巧というよりも、何か新定義を見つけなければ言い表せない独創性を持つSUMACは、最新作『What One Becomes』を引っ提げ北米とヨーロッパでツアー続行中。満を持して日本に戻ってくる。



今年の1月に灰野敬二に『わたしだけ?』のインタビューをした時にSUMAC(スーマック)の名前が出た。

「NYのバンドSUMACのアルバム『WHAT ONE BECOMES』、その解説で<アイデンティティ>って何?と言っている。でも<アイデンティティ(自我)>は必要ない、というのではなく、「一度作った<自我>を壊して、再構成した後の<自我>」という意味のいいタイトルなんだ。意味だけみると『わたしだけ?』ととても似ている。やっている音楽は違うけれど。」

今回のコラボが実現したのは音楽性も然ることながら、アルバムタイトルに籠められた意識のシンパシーがあったことは間違いない。共演ライヴに先立って一緒にスタジオ入りしたらしい。両者の<自我>の交感が作品として発表される可能性もある。しかし今夜は生のライヴ空間がどのように創り出されるかという興味に貫かれていた。

●ENDON


日本のノイズ/エクストリームミュージックの重鎮ENDON。観る度に音圧とスケールが大きくなるように思える。ステージ後方からのサーチライトでメンバーの姿が殆ど見えないが、音の存在感は何処へも逃げ様が無い。特に重低音のプレッシャーは、耳だけでなく肉体をも危機的状況へと追いやる。血も涙も無い残忍な演奏は、逆説的アンビエント/反抗的ミニマルミュージック/崩壊的ニューエイジ音楽とジャンル分けしたい。

●SUMAC


ギター/ベース/ドラムのシンプルな構成で重厚なハードコアノイズを巻き散らすSUMAC。もじゃもじゃヘアー&ヒゲのギタリスト、アーロン・ターナーのヘドバンから繰り出されるヘヴィロックの進化形。ダイナミックなパワードラミングが突き抜ける風通しの良さが乾いたアート性を増幅する。

●SUMAC+灰野敬二


最後は灰野がギター&ヴォーカルで加わる。ドライな風のようなSUMACと溢れ出し浸透する水のような灰野のプレイが重なり合い、気体と液体の二元論が三次元の音響してオーディエンスに刺激を与える営みが、演奏しない僕たちの誇りとして輝きを増す。新たなる定義は混沌を鎮め秩序に引導を渡す。つまり意識の在り方の偏差値分布は、我々の意識の届かない所まで広がっているのである。

自我の雨
地が固まって
自我自讃

SUMAC - Thorn In The Lion's Paw // LIVE in Vancouver, BC - March 11, 2015
コメント (2)
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アート・リンゼイ×ジム・オルーク@代官山 晴れたら空に豆まいて 2017.7.2 (sun)

2017年07月05日 00時56分01秒 | 素晴らしき変態音楽


晴れ豆インターナショナル presents
アート・リンゼイ×ジム・オルーク/Arto Lindsay x Jim O’Rourke
【2 shows 入替制】

昨年9月、音楽ファンを狂喜させた組み合わせが
再び『代官山 晴れ豆』に!
…見逃すな!!

出演
Arto Lindsay/アート・リンゼイ 
Jim O’Rourke/ジム・オルーク

1st show – open 18:30 start 19:00 1st Show 予定枚数終了
2nd show – open 21:00 start 21:30

入替制です
フロアは畳敷きです

前 ¥6,400-/¥6,900- (お土産なし/お土産付き)
通し券 ¥13,000- (優先入場・お土産付き)
当 ¥6,900- (お土産なし)



パンクが好きなロック少年だった高校時代の筆者がジャズの地下室に足を踏み入れる切っ掛けがニューウェイヴ繋がりの3組のミュージシャンとの出会いだったことは以前記した。
少年を誑(たぶら)かしたJAZZ三悪人~ラウンジ・リザーズ/J.B.ウルマー/リップ・リグ&パニック

その中でも堂々と偽物(フェイク)ジャズと自称しストイックなスタイルで魅了したのが81年にNYから登場したラウンジ・リザーズだった。その1年前にフライング・リザーズというこれまた胡散臭い自称アマチュアユニットの影響で、カセットデッキとラジカセを繋いで宅録の真似事に耽っていたことを思うと、思春期の筆者に禁断の果実を食べるよう唆(そそのか)したのはヘビではなく『トカゲ(Lizard)』だったのかもしれない。

それは兎も角、音楽理論や高度なテクニックを身につけなくてもジャズが出来ると勘違いした原因が、ジョン・ルーリーのペラペラのサックスと共に、アート・リンゼイのノーチューニングギターだった。LPジャケットの優男の中、ヲタッキーな眼鏡で相手を油断させるこの男こそ、その後30余年に亘り、ノーテクニックの美学を追求する異能戦士の最右翼に違いない。

その後少年時代を過ごしたブラジル音楽に接近し、ストイックなNO WAVEや前衛ジャズの対極にある(ように筆者には思えた)ボサノヴァを歌い始めたアートに興味を失い、坂本龍一やコーネリアスとの共演も、敵に魂を売り渡したとしか思えなかった。とはいえ30余年も経つとそんな蟠りは水の泡と消え去り、物憂いボッサの後ろで鳴り響くガギグゲギターにNO NEW YORKの香りを感じ取りトキメクような至福に浸ってしまう。そんなアートのプレイを初めて生で観たのは2011年6月大友良英とのデュオだった。
アート・リンゼイ+大友良英@渋谷duo music exchange 2011.6.8(wed)



それから6年過ぎ、13年ぶりのソロアルバム『Cuidado Madame』をリリース、そして来日ツアーが開催された。アルバム参加メンバーとのバンド編成での全国3公演終了後、ひとり残ったアートと、昨年も共演したジム・オルークとのデュオ公演に参戦した。晴れ豆らしく、畳敷きの会場の中央に立ち並ぶ蓮の葉のオブジェの淵にアートが立ち、中に座ったジムと向き合う形の演奏。ジムが流暢なアルペジオで曲を弾き、アートが歌いながらアクセントでノイズギターを奏でる。決して美声でもなければ声量がある訳でもない。かと言ってヘタウマと呼ぶには音程が外れない。そんな肩透かしのアートのヴォーカルが然程好きではなかったが、アヴァンギャルドなギターインプロの果てに浮き出る歌の浮遊感に痺れを感じはじめ、「Acid Bossa/アシッドボッサ」の極地に畏敬の念を覚えた。リオのカーニバルが「謝肉祭」であることを考えれば、クールなボサノヴァもまた血と肉の祭であることは自明の理であろう。



多彩な音色で対峙するジムに比べ、アートのギターは一本調子で変化が無い。しかし自然体で歌われる肉声と一体になると、音楽表現としてトロピカルな色彩を放ち出す不思議。40年間やり続けた者だけに自己陶酔の罠にハマることも無く、90分の響宴は蓮の谷間に染み渡った。コレをアートにとっての<哀秘謡>と呼んでみても罰は当たるまい。

Arto Lindsay Band , Brooklyn, April 28, 2017 - Simply Are


ブラジルの
哀しみの歌は
笑顔の裏に

グンジョーガクレヨンの組原正もノーチューニングギターで知られるが、アート・リンゼイヘの共感はあるのだろうか。いつか尋ねてみたい。

Gunjogacrayon グンジョーガクレヨン - Live 2016.08.20 レコ発ライブ #1 (Binaural・立体音響)

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偶想Drop/FIREBIRDGASS/FIVE NO RISK@新宿dues 2017.7.2 (sun)

2017年07月04日 01時50分11秒 | ネコ動画


dues presents
FIREBIRDGASS 1st Full Album "THIS IS FIREBIRDGASS"
偶想Drop 現体制初音源 "Painfully violent" Release Event
wth Special Guest : FIVE NO RISK


OPEN 12:30 / START 13:00



後述するようにここ一ヶ月の間に筆者の内的推し指数が急上昇中のアイドルユニットが偶想Drop略して偶ドロである。目黒鹿鳴館での定期ライヴ「偶層の素」は正に神イベントだが、それ以外の現場も楽しい。いつもはレコ発リリイベで無銭ライヴを観る新宿duesでの3マンイベントに参戦した。対バンはいずれも知らないバンドだったが、結果的に3×3=9(究)極的に楽しい現場だった。昂奮冷めやらぬ頭を冷やしてレポを記すことにした。


●FIVE NO RISK 13:00-13:40


2004年大阪にて結成されたラウドロックバンド。5人組でドラムとサイドギターは学生風のロッカーらしからぬ風貌。しかしテンポチェンジの激しい曲調、複雑な高速フレーズを難なくこなすテクニック、客席乱入を繰り返し、人生訓のようなMCを噛ますヴォーカルといったひと昔だったらスラッシュメタルかハードコアの仲間と形容された本当の意味でのオルタナティヴロックは、今ではラウドロックと呼べば分かり易い。大阪人らしい人懐っこさが魅力の激烈グラインダー。

FIVE NO RISK "SELF ENCOURAGE"MV



●偶想Drop 13:55-14:35


音楽でブチ上がる世界一激しいアイドルユニット。2015年のクリスマス目黒鹿鳴館で初めて観て以来何度も観る機会があったが、激しすぎるパフォーマンスと呼応するヲタクのぶちあがり方についていけず比較的中立状態をキープしていた。しかし2017年1月に加入した新メンバーのひとりピンク担当の都子を見つけて以来、最も気になる存在としてオレの中の注目度が俄然高まっている。最近メンバーが休むことが多かったので、久々の6人フルメンバーでのライヴ。数カ月前まで想像だにしなかった最前エリアに立つ自分がいる。徐々に曲も覚え偶紳と呼ばれる偶ドロヲタクの真似が出来るようになった。都子に見惚れてばかりで振りを忘れる不手際はあるが、7月23日のワンマンライヴでは一人前の偶神の仲間入りを果たすべく精を出すとしよう。

偶想Drop『Painfully violent』



●FIREBIRDGASS 14:50-15:30


高円寺2000Vで生まれ東高円寺二万電圧を拠点に活動する結成15周年を迎えるパンクバンド。90年代バッドボイーズロック/スリージーロックを思わせる髪立てヴォーカル+目の周りパンダメイクのG,B,Ds=”シオンwithニューロティカ”と呼びたいルックス。と思ったらサウンドも80年代日本のパンクの要素たっぷり。筆者の着ている原爆スター階段のTシャツを指差して歌った曲は、政治的な歌詞と早急なハードコアサウンドがスターリンを彷彿させた。シンガロングのコーラスとコール入のOiパンクや、泣かせる歌詞が青春のメロコアバラードと、筆者の世代も共感できる普遍的パンクロックに年齢/性別/財力を超えた素直な愛情に衝き動かされる。二万電圧に会いに行こうか。

FIREBIRDGASS「パンクスは豚小屋で産まれた」MV


ラウド系
バンドとアイドル
パンクロック

偶想Drop IDOL GALAXY vol1@新宿ReNY 2017-7-2


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