褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ヒズ・ガール・フライデー(1939) マシンガントークが炸裂

2021年12月20日 | 映画(は行)
 映画がサイレントからトーキーへ変わってきた時代(1930年代)において、スクリューボール・コメディと言われる分野の映画が流行した。サイレントだと動きで笑わすことになるが、トーキーになってくると台詞で笑わそうとする映画が出てくる。男優と女優がもの凄い台詞の量をテンポよく早口でまくし立て、その台詞がまたユーモアに富んでいるような映画のことだ。
 そんな映画の代表作とでも言うべき歴史的作品が今回紹介するヒズ・ガール・フライデー。今の時代において男女平等、ジェンダーフリーなどが叫ばれ、ちょっと昔はまるで女性の社会進出が拒まれていたなんて時代があったようだが、本作は相当古い時代の映画だが主演女優のロザリンド・ラッセル演じる女性の役割を見ていると男性陣を相手に丁々発止のやり取りが見れる。女性が男性に対等以上に渡り合うのもスクリューボール・コメディの魅力としてあり、今の女性なんかは1930年代から1940年代のスクリューボール・コメディの作品なんかは楽しく観れると思う。

 それでは会話だけでなく物語もテンポよく進むストーリーの紹介を。
 女性敏腕記者としてならしたヒルディ(ロザリンド・ラッセル)が婚約者のブルース(ラルフ・ベラミー)を伴って、辞職を願って元旦那で編集長であるウォルター(ケーリー・グラント)の元へ挨拶にきた。ヒルディはブルースと結婚して彼の田舎へ移り住み、今日中に列車で出発するとウォルターに告げる。しかし、ウォルターはヒルディの記者としての才能を買っており、しかも彼女に対してまだ未練があった。ウォルターは彼女の結婚を遅らせるために、あの手この手を使って妨害し、更には彼女に最後の仕事と頼んで、翌朝に執行される死刑囚の取材を命じるのだが・・・

 元夫妻であり上司と部下である間柄のウォルターとヒルディの会話のやり取りが多くを占める。この2人の膨大な台詞の量も凄いが、テンポが良過ぎるぐらいの会話のやり取り。脳みそよりも先に口が勝手に動いてしまうような印象さえあるが、会話の内容も非常にユーモアがある。そしてウォルターの強引過ぎるヒルディの引き留め対策がなかなかの見物。犯罪、トラップ、賄賂など何でもありなのが、腹が立つどころか笑える。
 この主演の男女の会話の応酬も楽しいのだが、その周りのドタバタも非常に楽しいし、場面転換のテンポも良いのでダレずに最後まで見ることができる。女性が活躍する映画というのは、何時の時代も楽しい作品が多い。改めてコメディの分野は現在よりも、この時代の方が洗練されていて面白いと思えた。
 よく耳にするけれどスクリューボール・コメディとは何ぞや?と思っている人、古い映画の名作を見たい人、新聞記者になりたいと思う人、女性が頑張る映画を観たい人・・・等に今回はヒズ・ガール・フライデーをお勧めしておこう。

 監督は名匠ハワード・ホークス。コメディは本作のような洗練された作品を撮るし、西部劇においても名作を連発。コメディでは赤ちゃん教育、ハードボイルド作品では三つ数えろ、パイロット達の友情と恋愛を描いたコンドル、傑作西部劇リオ・ブラボーなど、お勧め映画多数の名匠です。
 


 

 

 


 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 競馬 ターコイズステークス... | トップ | 競馬 有馬記念の予想(2021) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(は行)」カテゴリの最新記事