褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011) やっぱり凄い女性です

2013年04月24日 | 映画(ま行)
 20世紀を代表する政治家であるマーガレット・サッチャー元首相が先日亡くなられた。経済から精神までズタボロになった英国を救った偉大なる女性首相だと個人的には尊敬しているのだが、意外にも本国では相当な不人気振りなのが報道されている。
 徹底した新自由主義経済を推し進めた結果、大きな格差社会を生み出してしまったのは政治家として大きな失点だが、最近の日本の首相がどんな政策を行ったのかサッパリ思い出せない状態に比べれば、サッチャーが行った政策は非常に明快だ。

 
 スト権を行使して無茶苦茶な賃上げを要求する労働組合と徹底的に対峙し、『ゆりかごから墓場まで』と呼ばれる手厚すぎる社会福祉政策の縮小、大胆な規制緩和及び徹底的な国営化から民営化、そして自らの命を狙ってくるテロリストに屈しない態度、世界中に植民地を作ってしまったことに対する自虐史観からの脱却、そして領土侵犯に対しては戦争も辞さず軍隊を投入して奪還したフォークランド紛争等など。
 ちょっと、やり過ぎじゃねぇ~と思われる政策もあるが、ぶれない信念、強烈なリーダーシップは良くも悪くも日本の政治家も見習う点が多々あるのではないだろうか
 そんな英国のみならず世界中にも多大な影響を与えたマーガレット・サッチャーを描いた伝記映画が今回紹介するマーガレット・サッチャー 鉄の女の涙だ。

 
 その強硬的な振る舞いから鉄の女と呼ばれたサッチャー。そんな彼女の強烈な個性が発揮された政治姿勢、ドラマチックな展開を期待していたのだが、意外にも彼女の政治家としての描き方がアッサリ風。むしろ認知症を患い、既に亡くなっている夫の幻と会話をしているシーンが大部分を占めており、なんだか観ていて痛々しい。夫デニスとの微笑ましいやり取り、一国のリーダーとしての悩んでいる姿は従来の彼女のイメージとは異なる。個人的には政治家サッチャーとしての凄みをもっと観たかったのだが、とりあえずサッチャーと言う名前だけを知っている映画好きにはこれぐらいの描き方が妥当か。

 さて、強い女性の代表格とされるサッチャーだが、そんな彼女の内面に迫るストーリーとは如何なるものか。
 食料雑貨店を営む家庭に生まれたマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)。彼女は同じ年頃の女性がお洒落をして楽しんでいる時、店の手伝いをしていた。そんな経験が彼女に質素倹約、自助の精神をもたらす。
 大学を卒業した彼女は、後の夫となるデニス(ジム・ブロードベント)と出会い、途中で選挙の落選を経験するも保守党の党首を経て、イギリス初の女性首相にまで駆け上がる。
 政治家として様々な困難な場面にも強烈なリーダーシップを発揮して克服していくが・・・

 男性社会の政治の世界に飛び込み、英国首相として国内のみならず世界を変えた女性マーガレット・サッチャー。日本の政治の世界ではまだ女性首相は誕生していないが、優秀な女性政治家がたくさんいる。日本も初の女性首相及び総理大臣誕生までもう少しだ、頑張れ。
 1人の人間の栄光と挫折を描いた伝記映画マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙。本来の政治主導とは如何なるものか、国民に媚びてばかりいるポピュリズム政治の愚かさ、本当の国益とは何か等々を考えさせられます

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 コレクターズ・エディション [DVD]
メリル・ストリープ,ジム・ブロードベント,アレキサンドラ・ローチ,ハリー・ロイド,オリヴィア・コールマン
Happinet(SB)(D)


 主演は本作品でもアカデミー主演女優賞に輝いたハリウッドを代表する名女優メリル・ストリープ。多くの名作に出演する彼女ですが、本作品でもマーガレット・サッチャーを見事に演じています。この人のお勧め作品はたくさんありますが、あえて1本だけ挙げるとソフィーの選択がお勧め。やっぱり1本だけでは足りないのでディア・ハンター永遠に美しく黄昏に燃えてマディソン郡の橋プラダを着た悪魔もお勧めしておきます

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