褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ブルージャスミン(2013)セレブの転落していく様子が笑える?

2017年11月06日 | 映画(は行)
 軽妙なライトコメディを撮るのが得意な大ベテラン監督のウディ・アレン。最近はますます巧みな演出は冴えわたり、今や80歳を超えても毎年の如く新作を発表している。年老いてもまだまだ衰えない創作意欲に脱帽するどころか、豊富なアイデアに才能の一片の欠片も見られないのが凄い。
 そうは言っても彼の作品は確かに面白いが、どこか生ぬるい感じは否めないし、観終わった後に強烈なインパクトに欠ける気がすると思っている人も多いのではないか?

 そんなウディ・アレンの近作の中でもかなりの異色作にあたるのが今回紹介する映画ブルージャスミン。それでも多くの人は観終わった後はウディ・アレン作品らしく笑えるコメディだと満足することになると思うが、俺のようなセレブな人間が見ると明日は我が身かと他人事のように思えてしまう。
 なかなか今回はシリアス路線の比重が高く、人間って高望みするとロクなことが無いし、栄光を知ると挫折を味わった時のショックって半端じゃないということが、よく理解できる作品だ。

 セレブから真っ逆さまに転落してしまった女性は再びセレブの座を勝ち取ることが出来るのか?それでは簡単にストーリーの紹介を。
 ニューヨークで大富豪の夫ハル(アレック・ボールドウィン)との生活でセレブを満喫していたジャスミン(ケイト・ブランシェット)だが、とある理由で夫と別れてしまい、高価な衣装を身に着け、高いバッグを持っている以外は全くの一文無しで精神疾患を患ってしまっている。
 セレブ生活に慣れきってしまい、大学も中退してしまったジャスミンは、自立してやっていけないので、サンフランシスコに住んでいる何かと男運が悪く、庶民生活を送っている同じ里親の妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の元に居候する。
 ところが質素な生活には我慢できず、職探しも元セレブのプライドが邪魔して上手くいかない。もはやセレブな生活を取り戻すしか考えられないジャスミンは、再びあの輝いていた生活を取り戻すために、嘘を重ね続けるのだが・・・

 ただ今の格差社会の世の中において経済的に勝ち組と負け組がハッキリと別れてしまっている。しかし、本作を観ていると勝ち組で居続けることの難しさを感じるし、負け組に転落していくことの惨めさがよくわかる。しかし、本当に悲しいのは勝ち組であったことの余計なプライド。人間って本当にプライドの持ち方が生きていくのに重要だ。過去の自分にプライドを持つのではなく、今の自分にプライドを持って生きていけ。
 自分を良くみせるために恰好をつけたがる人間が俺の周りにもいるが、そういう奴を見ていると本当に情けない。恰好をつけている自分を守るために嘘をつき続け、しかも裏で他人を貶めようとするのだから、どこまで人間って卑怯になれるんだと痛感することがよくある。
 馬鹿を装っていながら、賢いのがバレてしまう俺のような生き方は、時々損している気分になる時もあるが、本当の幸せを掴むのは俺のような等身大のままの人間だ。
 自分の人生に一度でもセレブの時期を迎えたいと思っている人、セレブの落ちっぷりを見て気分良くなりたい人、今までのウディ・アレン監督の作品が嫌いな人、名女優ケイト・ブランシェットのファンの人、衣装や音楽にもこだわりのある人等に今回はブルージャスミンをお勧め映画としておこう

ブルージャスミン [DVD]
ケイト・ブランシェット,サリー・ホーキンス,アレック・ボールドウィン,ピーター・サースガード
KADOKAWA / 角川書店


ブルージャスミンBlu-ray
ケイト・ブランシェット,サリー・ホーキンス,アレック・ボールドウィン,ピーター・サースガード
KADOKAWA / 角川書店


監督は前述したようにウディ・アレン。年齢を重ねて更に演出に磨きがかかってきた感じがある。コメディタッチの作風も良いが、今回のようなシリアス路線では家族の崩壊と絆を描いたインテリアをお勧め映画として挙げておこう。 
 
 
 
 

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