最近はよく周りから『ジョージ・クルーニーに似ていますね』なんて言われることが多い俺だが、渋い大人の男の魅力など共通点が多数あるので否定はしない。そんな恰好良いジョージ・クルーニーだが俳優としては勿論のことだが、監督としても活躍中。政治的発言が多い人物としても知られているが、彼らしさがよく表れている作品が今回紹介するグッドナイト&グッドラックだ。
1940年代から50年代にかけてのアメリカで吹き荒れた、共産党員やそのシンパ等を次々とつるし上げた上院議員ジョゼフ・マッカーシーによる通称マッカーシーズムこと赤狩り。共産党員やそのシンパを露骨に排除しようとするのも問題だが、自らと意にそぐわない者を勝手に共産党主義者と決めつけて弾劾するその姿勢は、まさに中世の時代における異端者を火あぶりにした魔女狩りそのもの。そんなやりたい放題のマッカーシーに対して、当初は恐れをなして誰も非難しようとする人間が居なかったのだが、言論の自由及び真実の報道を守るために立ち向かった男がアメリカ三大ネットワークの一つであるCBSのニュースキャスターであるエドワード・R・マロー。どのニュース番組を観ても聞いても殆ど同じような内容の放送ばかりしている日本のマスメディア関係の人々に、ぜひ観て欲しい映画。この映画を観れば本当のジャーナリズムとは何かを理解できるだろう。
それではエドワード・R・マローが番組の最後の締めに使われる言葉がそのままタイトル名になっている映画のストーリーの紹介を簡単にしてみよう。
1950年代の冷戦時代のアメリカにおいて。マッカーシズムが吹き荒れる中、ある空軍の兵士が証拠も無いのに共産党主義者として軍をクビになる。CBSの人気キャスターであるエドワード・R・マーロウ(デヴィッド・ストラーザン)はプロデューサーであるフレンドリー(ジョージ・クルーニー)やその他のスタッフ達とともにその事件を番組で取り上げることにする。
番組はなかなかの好評判であったのだが、やはりと言うべきか上院議員マッカーシーからの攻撃が始まった。マーロウは勝手に共産主義者としてでっち上げられ、それはCBS全体にも暗い影を覆いはじめる。しかし、エドワードやフレンドリー達はテレビ界の将来をかけてマッカーシーズムと真っ向から戦いに臨むのだが・・・。
よくアメリカ合衆国を表す言葉として自由の国と言われることがあるが、本作を観るとそんなのは嘘だということがわかる。まだ60年前のアメリカにも言論弾圧及び思想の弾圧が行われていたのだ。この映画の中でマーロウが演説するシーンがあるが、その中で、物凄く良いことを言っている。悲しいことに俺の暗記力と記憶力では素晴らしい台詞を一字一句をすべて覚えることが出来ないのが残念なのだが、テレビ界を中心とするマスコミの役割、そして自由主義と共産主義の戦いは暴力ではなく議論によって優劣が決することがマーロウが教えてくれる。こういう映画を観ると全く国のために役に立っていない日本のリベラルと違って、アメリカではリベラルの役割がいかに重要かがよく理解できる。
ちなみに本作はセピア調のモノクロ画面にジャズの音楽を多用しており、煙草の煙がモクモクと吹き上がっている場面が目立つように大人向けの渋めの映画。そしてマーロウだがテレビ番組中でも喫煙しながらの名司会ぶり。何かと煙草を吸う人にとっては不自由な世の中になってきているが、本作はそのような現代社会に警告を発しているような側面が垣間見える。時々、やたらとアドバイスが好きで『アレをやったらダメ、コレもヤッチャ~ダメ』ばかりのダメ出ししか出来ない人と出会うことがあるが、そのような人は本作で見られるマッカーシーズムを推し進めた狭い器量と偏見しか持てない人間と大して変わらないことを自覚する必要があるだろう。
ちょっと昔の出来事を扱った映画だが、現代に生きる我々は歴史から多くの物を学び、善悪の判断をも歴史に頼らざるを得ない時もある。まさに温故知新という四字熟語の大切さが理解できる映画として本作をお勧め映画として挙げておこう。それでは皆さん、グッドナイト・アンド・グッドラック
監督は前述したようにジョージ・クルーニー。俳優としても多くの名作、傑作に出演作品が多いですが、監督作品となると他では大統領予備選挙の舞台裏をスリリングに描いた政治映画スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜がお勧めです。
1940年代から50年代にかけてのアメリカで吹き荒れた、共産党員やそのシンパ等を次々とつるし上げた上院議員ジョゼフ・マッカーシーによる通称マッカーシーズムこと赤狩り。共産党員やそのシンパを露骨に排除しようとするのも問題だが、自らと意にそぐわない者を勝手に共産党主義者と決めつけて弾劾するその姿勢は、まさに中世の時代における異端者を火あぶりにした魔女狩りそのもの。そんなやりたい放題のマッカーシーに対して、当初は恐れをなして誰も非難しようとする人間が居なかったのだが、言論の自由及び真実の報道を守るために立ち向かった男がアメリカ三大ネットワークの一つであるCBSのニュースキャスターであるエドワード・R・マロー。どのニュース番組を観ても聞いても殆ど同じような内容の放送ばかりしている日本のマスメディア関係の人々に、ぜひ観て欲しい映画。この映画を観れば本当のジャーナリズムとは何かを理解できるだろう。
それではエドワード・R・マローが番組の最後の締めに使われる言葉がそのままタイトル名になっている映画のストーリーの紹介を簡単にしてみよう。
1950年代の冷戦時代のアメリカにおいて。マッカーシズムが吹き荒れる中、ある空軍の兵士が証拠も無いのに共産党主義者として軍をクビになる。CBSの人気キャスターであるエドワード・R・マーロウ(デヴィッド・ストラーザン)はプロデューサーであるフレンドリー(ジョージ・クルーニー)やその他のスタッフ達とともにその事件を番組で取り上げることにする。
番組はなかなかの好評判であったのだが、やはりと言うべきか上院議員マッカーシーからの攻撃が始まった。マーロウは勝手に共産主義者としてでっち上げられ、それはCBS全体にも暗い影を覆いはじめる。しかし、エドワードやフレンドリー達はテレビ界の将来をかけてマッカーシーズムと真っ向から戦いに臨むのだが・・・。
よくアメリカ合衆国を表す言葉として自由の国と言われることがあるが、本作を観るとそんなのは嘘だということがわかる。まだ60年前のアメリカにも言論弾圧及び思想の弾圧が行われていたのだ。この映画の中でマーロウが演説するシーンがあるが、その中で、物凄く良いことを言っている。悲しいことに俺の暗記力と記憶力では素晴らしい台詞を一字一句をすべて覚えることが出来ないのが残念なのだが、テレビ界を中心とするマスコミの役割、そして自由主義と共産主義の戦いは暴力ではなく議論によって優劣が決することがマーロウが教えてくれる。こういう映画を観ると全く国のために役に立っていない日本のリベラルと違って、アメリカではリベラルの役割がいかに重要かがよく理解できる。
ちなみに本作はセピア調のモノクロ画面にジャズの音楽を多用しており、煙草の煙がモクモクと吹き上がっている場面が目立つように大人向けの渋めの映画。そしてマーロウだがテレビ番組中でも喫煙しながらの名司会ぶり。何かと煙草を吸う人にとっては不自由な世の中になってきているが、本作はそのような現代社会に警告を発しているような側面が垣間見える。時々、やたらとアドバイスが好きで『アレをやったらダメ、コレもヤッチャ~ダメ』ばかりのダメ出ししか出来ない人と出会うことがあるが、そのような人は本作で見られるマッカーシーズムを推し進めた狭い器量と偏見しか持てない人間と大して変わらないことを自覚する必要があるだろう。
ちょっと昔の出来事を扱った映画だが、現代に生きる我々は歴史から多くの物を学び、善悪の判断をも歴史に頼らざるを得ない時もある。まさに温故知新という四字熟語の大切さが理解できる映画として本作をお勧め映画として挙げておこう。それでは皆さん、グッドナイト・アンド・グッドラック
グッドナイト&グッドラック 豪華版 [DVD] | |
ジョージ・クルーニー,グラント・ヘスロヴ | |
東北新社 |
監督は前述したようにジョージ・クルーニー。俳優としても多くの名作、傑作に出演作品が多いですが、監督作品となると他では大統領予備選挙の舞台裏をスリリングに描いた政治映画スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜がお勧めです。