褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 第三の男(1949) いつまでも色あせない名作

2018年09月21日 | 映画(た行)
 名作だからといって必ずしも面白いとは言えないのが映画の常識。しかし、今回紹介する映画第三の男は名作中の名作として今日においても評価が高いが、文句なしにこの映画は面白い。チターの演奏によるテーマ曲はワンパターンだが非常に聴き心地が良く、ストーリーも非常にテンポ良く進む。モノクロの画面を活かした陰影や構図が素晴らしく、本作を観ればモノクロ映画はダサいと思っている人も、そんな考えが一変に吹っ飛ぶはずだ。
 そしてこの映画の凄さは名シーンや名台詞の数々。映画の名シーンを聞かされても、そんなシーンあったっけ?なんてこともあるが、本作に関して言えば色々なシーンが頭の中に浮かんでくる。

 さて、サスペンス映画の作り方の見本のようなストーリーの紹介をします
 第二次大戦後の米英仏ソによって4分割統治されていたオーストリア、ウィーンが舞台。アメリカの西部劇作家であるホリー(ジョゼフ・コットン)は親友のハリー(オーソン・ウェルズ)から『こっちへ来いよ』と誘われてウィーンにやって来た。街合わせた場所にハリーは現れず、仕方なく彼の家に向かったのだが、驚いたことを耳にする。なんとハリーは、昨日に自動車事故に遭って死んだと聞かされる。
 ホリーは、ハリーが埋められた墓場に行くと、そこにはイギリス軍のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)、そしてハリーの恋人だったアンナ(アリダ・ヴァり)も居た。そこでキャロウェイ少佐から意外なことを聞かされる。実はハリーはとんでもない極悪人であることを知らされる。
 ホリーは親友のハリーが極悪人だと聞かされて、そんなはずがあるもんか!と思いアンナと一緒に自ら調査を始める。最初はハリーが事故に遭ったときは側に二人の男がいたと聞いていたのだが、その現場をみていた管理人から二人ではなく三人いたと聞かされる。
 ホリーは、もしかしたら三人目の男がハリーであり、ハリーは生きていると確信する。しかし管理人は殺され、しかもホリーに疑いの目がかけられてしまうのだが、暗闇からハリーが登場する・・・

 オーソン・ウェルズ演じる極悪人の登場の仕方が素晴らしい。ちょっと薄笑いを浮かべて、まるでホリーをバカにしているようだ。そこからは名シーンの連発。観覧車の中でのホリーとハリーの二人だけの会話シーン、地下水道でハリーが追いかけられるシーン、ラストの並木通りのシーン等。それらの名シーンを通して観ている者に色々な感情を持たせる。俺なんかは男同士の友情っていうのは、このように脆いものなのかと思ったり。友情なんて男女の恋愛に比べたら軽いよな~と思ったり、やっぱり一人で外国へ行くのは寂しいよな~と感じたり、好意を持った女性からガン無視されるぐらいだったら死んだ方がマシだよな~と悲しくなったり、正義の行いをしたはずなのに虚無感に襲われたり。俺以外の人が観たらもっと色々な想いが沸き上がるのかもしれない。
 猫、子供、地下水道、観覧車を使った演出は巧みだし、なかなかハリーが現れない展開はサスペンスフルで良いし、ハリーが登場してからもホリーを悩ます展開が楽しい。そして戦後の人々の不安な状況というのも何気に描かれているのは流石だ。
 名作映画の面白さを知りたい人、サスペンスタッチでありながらも色々な感情を抱かせる映画と聞いて観たいと思った人、名作中の名作である映画市民ケーンを観てそれほど面白いと思わなかった人、たまにはカラー映画ではなくモノクロ映画を観たいと思った人・・・等に映画第三の男を今回はお勧めしておこう。


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 監督はイギリス人のキャロル・リード。サスペンス映画を得意にしている監督。お勧めは負傷したテロリストの一日を描いた邪魔者は殺せ、子供の不安定な心理を活かしたサスペンス映画落ちた偶像が良いです。





 




 
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