褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ナッシュビル(1975) ちょっと頭がおかしい大人が20人以上登場です

2012年11月28日 | 映画(な行)
 カントリー音楽の聖地であるテネシー州のナッシュビルにおいて、およそ20人以上の出演者がバラバラと出てきて、好き放題にしゃべり、好き勝手に行動している。よって、ストーリー性に深みはまるで無く、20人以上登場してくる俳優の中にジョニー・デップやブラッド・ピット級が出演していないので、ますます人物の見分けが非常に難しい。しかも、この映画にははっきりした主役が居ないので、誰を中心に観たら良いのかわからない。そんな超不親切な設計の映画が今回紹介するナッシュビル

 
 テネシー州ナッシュビルにおいて、大統領予備選挙に向けてのハル・ウォーカー大統領候補のキャンペン・カーが選挙公約を拡声器で大々的に流している。その選挙公約の内容は、まるで日本でも民主党が政権を強奪したポピュリズム的な内容。選挙運動真っ最中の時において、ナッシュビルに様々な人間が集まって来る。
 精神的に病んでいる有名カントリー女性歌手、二流歌手、家出して有名歌手になる野心を持っている女性、容姿は良いが音痴の歌手志望の女性、女性を口説きまくっている男性歌手、イギリスからやって来たミーハーなテレビリポーター、有名歌手を追いかけてやってきたベトナム戦争退役軍人、やたら長い三輪バイクを乗っている無口な男・・・等、ちょっと変わった人物たちが、ナッシュビルにやって来た。
 大してつながりの無かった登場人物だったが、最後は登場人物たちがハル・ウォーカー大統領候補のキャンペーン集会でパルテノン神殿に大集合するのだが・・・

 たくさん出てくる登場人物たちだが、それぞれがダメキャラを発揮する。いきなり失神したり、車の衝突事故、不倫、黒人同士の喧嘩、可愛い女の子が病気の叔父さんのお見舞いに来たはずが男遊び熱心だったり、音痴の女性歌手が政治パーティーにおいてストリップをさせられたり、誰もが呆れてしまうぐらいのエピソードが繰り広げられる。これら以外にも多くのエピソードがあるが、正直笑える確率は2割ぐらい。まるで適当なストーリーを組み立てて、その中に変な登場人物を当て込んだだけの印象をうけるが、シュールな結末に収束していく展開は、さすがロバート・アルトマン監督だ。

 しかし、多くのダメキャラ達の姿、政治キャンペーンの内容は当時(1975年)の宗教、人種、政治、モラルなど諸問題を抱えたアメリカ社会を垣間見ることができる。
 そして、カントリー音楽のメッカであるナッシュビルを舞台にしているだけに、聴いたことのある音楽が流れてくる。非常に聴いていて心地よい気分になれる歌が多いが、詩の意味を考えると、アレレ!となる結末のおかげで非常に意味深だ。

 160分という長い時間に耐えられる人、人の顔が直ぐに覚えることができる記憶力が抜群に良い人、くだらないギャグにでも笑うことができる人、ロバート・アルトマン監督の作品と聞いて心がウキウキした人、さらにカントリー音楽が好きな人、これらの条件を全てクリアできるような人に自信を持ってお勧めできるナッシュビルをぜひ観てください

ナッシュビル [DVD]
リリー・トムリン,キース・キャラダイン,カレン・ブラック,ジェラルディン・チャップリン,ヘンリー・ギブソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 監督は名匠ロバート・アルトマン監督。登場人物が多く出てくる群集劇を撮る名人。そして、多くの作品でブラックジョーク的なラストシーンを見せるイメージがあります。
 僕が彼の作品で最も好きな映画は映画プロデューサーを主人公にしたサスペンスザ・プレイヤー。他に笑える反戦映画M★A★S★H マッシュはブラックジョークが炸裂していて、お勧めです。
 他に登場人物がワンサカ出てきて、記憶力が試されるサスペンス映画ゴスフォード・パーク、ダメキャラが多く登場するショート・カッツがお勧めです。

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