褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 天国と地獄(1963) 日本映画を代表する社会派サスペンス映画

2012年07月15日 | 映画(た行)
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 最近、メル・ギブソン主演の身代金という面白い映画を観たのだが、この映画を観ていて思い出したのが、今回紹介する黒澤明監督の天国と地獄この両作品には、子供の誘拐、格差社会など色々と共通するテーマがあり、サスペンス映画の面白さを充分過ぎるほど味わえる。
 
 戦後の焼け野原同然だった日本が奇跡的な高度経済成長を成し遂げるが、経済発展する国にとって付きまとう問題が格差社会。経済発展している国は国民全員が大金持ち、なんて有り得るわけが無く、そこには当然のごとく勝ち組みと負け組みが存在する。それはまさに高度経済成長期における日本も同様だ。
 ちなみに今の俺は完全な負け組み、しかし全くカネは無くても心は裕福でありたい。

 さてストーリーだが貧しい環境にいる人物が、金持ちに嫉妬して子供を誘拐してしまう話。そこまでは身代金と大して内容は変わらないが、その後の展開の奥深さでは明らかに今回紹介する天国と地獄の方に軍配があがる。
 身代金は少々血迷ったメル・ギブソン演じるお父さんの行動が一気に映画を面白くするが、天国と地獄は流石は黒澤明監督だと感じるストーリー展開の面白さ、そして脇役に至る人間描写が素晴らしい。
 
 犯人と警察の駆け引きが面白いのは当然だが、現代にも通じる社会悪の根源を描いているのが凄い。単なるサスペンス映画ではなく、この映画には社会派作品として現代人をも引き付ける魅力がある。権力争い、拝金主義、大企業の傲慢さ、資本主義の欠陥、武士の情けの欠如、裏切り、麻薬、刑罰の軽さ、・・・などなど。一般には時代劇に黒澤作品は評価が高い気がするが、彼の多くの現代劇には熱いメッセージが込められているのが素晴らしい。

 あまりにもの勧善懲悪的な描き方に難点を挙げる人がいるかもしれないが、そこがこの映画の面白さでもある。いくら何でも犯人を誘拐罪で捕まえてたんでは罪が軽いから、殺人罪で捕まえて死刑にしてしまえという発想には賛否両論がありそうな天国と地獄を紹介します

天国と地獄 [DVD]
黒澤明,エド・マクベイン,小国英雄,菊島隆三,久板栄二郎
東宝


天国と地獄 [Blu-ray]
三船敏郎,山崎 努,香川京子,仲代達矢,木村 功
東宝


 次期社長候補である権藤(三船敏郎)の元に電話が入る。息子を誘拐したので身代金3,000万円を用意しろという内容だが息子は家にいる。犯人は間違って権藤(三船)の息子ではなく、彼の運転手の息子を誘拐してしまったのだ。少しばかりオッチョコチョイな犯人かと思いきや、そこから抜群の知能犯らしさを見せ付ける。
 
 次の株主総会において株を買い占めて社長の座に就くために用意していた5,000万円のうち3,000万円を犯人に渡すかどうか迷っていた権藤(三船)だったが、犯人の要求を聞き入れることは彼の会社内においての失脚を意味することでもあった。しかし、犯人の要求を聞き入れなければ、運転手の息子の命が危ない。
 苦渋の選択で権藤(三船)は犯人の要求に応えるために3,000万円を支払うことにするが、犯人は意外な方法で金の引渡し方法を命令してくる。姿を見せない犯人に対して警察も振り回されるが・・・刑事たちの必死さが伝わる様子は映画を観てください



 最近の刑事ドラマには警察も犯人もニヤニヤしてばかりで必死さが足りないのが不満ですが、この映画は両者共に必死なのが伝わってきます。それにしても犯人役の山崎努が若い登場人物の人間描写にも注意して観ると更に面白いと思います。

 ちなみに監督は日本が世界に誇る黒澤明彼のお勧め作品はたくさんあり過ぎます。今回はちょっと評価が低い作品のような気がしますが、原発の恐怖を予言したような生きものの記録がこんな時代だからこそ見応えがあると思います

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